屋久島 宮之浦岳~永田岳シャクナゲ探勝個人山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

屋久島 宮之浦岳(1936)~永田岳(1886m)シャクナゲ探勝 個人山行
2014年6月12日(木)~14日(土)

 今年は屋久島のシャクナゲが30年振りの当たり年ということを今年別々ながら屋久島に行かれた神戸の友人や新居浜の徳増さんから聞いて我慢できず屋久島へ出かけてきた。1995年5月下旬初めて屋久島へ行った時、花は2~4分の開花で大したことはなかったが、その後50年ぶりの大開花であったと聞いた。
それから初めての当たり年とすれば19年振りとなるので30年振りというのは数字が合わずおかしな話なのだが。

 天候の都合で、フライトの予約を当初の9日(火)~11日(水)から3日後にずらして12日(木)~14日(土)の山小屋2泊3日の旅となった。天気も恵まれ、期待通りの景色を得ることができた。山頂、山腹のヤクシマシャクナゲの全株が花を付けるという素晴らしいものでこうしたことは例年はなかった。似た風景は台湾の雪山(セツザン、昔の次高山、3887m)山頂部でも見たことはあったが屋久島の方が花の密度こそ劣るもののずっと面積は広い。

6月12日(木) 曇り後快晴
 今回カメラもいつものキヤノン5Dの他に昔持ち歩いていたブローニーサイズの銀塩フィルムを使うペンタックス6x7も欲張って持ってきたため、荷は20キロはゆうに越えていた。1995年に来たときペンタ6x7で撮った写真がどう見ても、フルサイズECDのデジカメの写真を超えていたので、ペンタ6x7を10数年振りに使ってみようと思ったったのだが、昔通りに使いこなせる自信はない。カメラ関係がなければ6、7キロは軽くなるのだが、たとえ歩くのが遅くなっても今回のシャクナゲの大開花を捉えたいという気が勝った。
 家を出る時になって小雨が降り出し、バス停まで両手に三脚と傘を持って歩くこととなった。伊丹空港でも少し降っていた。
 鹿児島空港では曇り、そして屋久島へ着く時もやはり雲が島の山々の頂を隠していた。
 予約していたレンタカーで早速出発し安房のスーパーマーケットでいつものように弁当や茶、そしてこれがないと山での到着点である山小屋での楽しみがないと性懲りなくビールも2本仕込む。

 淀川登山口には安房からヤクスギランド、紀元杉、そして川上杉をパスして約1時間、予定通り着く。すでに車が11台止まって、道路には鹿が散歩していた。天気も回復して暑く、木陰で昼の弁当を摂ってから出発する。
 ハイノキや杉の生える路の小さな登り、下りを繰り返し、最後にずっと下ると淀川小屋だ。ここで初めて花之江河湿原や投石平まで行って帰る登山者に会った。
 淀川の清流を越えて花之江河湿原へ向う。路にはシャクナゲの白い花が散り敷いていたりして、花の時期に遅れたかと不安がよぎる。高盤岳展望所までは一途な登りだ。この展望所から見たシャクナゲはほとんど花びらを落として蕊だけになっている。このあたりシャクナゲ以上にユズリハが多く、一面を鮮やかな黄緑色に染めていた。
 ここからわずかな距離で小花之江河だ。風格ある姿の杉とシャクナゲが、湿原を取り巻いている。日本最南端の高層湿原と言われている。ここにもそしてさらに下った花之江河でも休憩している登山客に会った。やはりみな花之江河湿原や投石平まで行った人達だった。
このあたりは咲き出しが遅いのかシャクナゲはきれいなピンクのものが多かった。三脚も据えて久し振りにペンタ6x7のシャッターを切る。バシャンと大きな音で、撮っている本人もびっくりする。

 ここから石塚小屋へ向う。1.2キロ程度ながら、路は悪く、1米以上掘れこんでいたり、木の根だらけだったりして、長い「十キロ峠」 を越えて小屋の手前の水場に着くまで40分ばかりかかった。水場から5分で、シャクナゲの林の中にあるコンクリートブロック造りの小屋に着いた。6mx4mほど、床は2段、16人程度収容可能なもので、建てつけもよく、扉もぴったりしていて清潔だった。
 この夜はひとりこの小屋を借りきりで過ごす。満月に近い夜空が明るかった。

   
淀川登山口    淀川小屋の側を流れる淀川の清流 
   
小花之江河湿原 日本の高層湿原の最南端    石塚小屋の内部 

6月13日(金) 晴れ
 朝4時に起床して、朝食を摂り、出発する。シャクナゲの林の向うの東の空からきれいな赤い朝陽が上がってきたが、幹や枝が邪魔をして写真にならない。
 花之江河湿原に戻り、ここから投石平へ向う。掘れこんだ路にはきれいな水が流れ絶えることがない。木の階段、ロープが懸けられた岩場などをたどるとすぐに黒味岳への分岐点に着く。ここから黒味岳の山裾をまいて行くとやがて流れが広がった斜瀑が現れる。その左の岩場の狭い溝をロープに助けられながら滝の上に登るとシャクナゲがきれいに咲いている。水もあって休憩にいいところだが、そこから石の間を登ると大きな石がいくつも現れている投石平だ。右前の投石岳の中腹で北には宮之浦岳、そして振り返ると黒味岳がすぐ近くにそびえる好展望台となっている。投石平の石の脇は満開のシャクナゲが群生し、投石岳の山腹もまた一面シャクナゲの白い花、花また花に埋め尽くされている。いつもは2割程度の株に蕾や花が着いているだけなのに、このようにどの株も花を着けているとは全く驚きだ。
 投石岳の西面、安房岳西面そして安房岳と翁岳の間にある小楊子川の源頭などまた同じ景色が続く。小さな湿原を形作っている小楊子川の源頭はこれも私の好きなポイントで、宮之浦岳を見上げつついつも昼食にするところだ。今回も早めの一回目の昼食とした。
 ここから宮之浦岳直下のコルを経て、宮之浦岳へ一気に登る。右に立つ地蔵さんのような、あるいは今風にはロボットのアシモ君のような岩はいつ見ても不思議な造形だ。背後の翁岳山頂の大岩も特徴的で、この高さを見て、宮之浦岳の頂上へどれほど近づいたかを測りながら笹中の路を登る。きれいに花を着けている大きなシャクナゲの株を過ぎるて標柱の立つ山頂に着く。先に登った人、後から登ってきた人など皆うれしそうだ。この山頂は今回で5度目だが
幸い全て好天だった。
 ここから永田岳やその右に連なるネマチⅣ峰の岩の険しい山頂を撮影して一休みする。

 宮之浦岳山頂から永田岳へ向うため焼野分岐へ下りかけると宮之浦岳の南西斜面もシャクナゲが一面に咲いている景色が目に入り、ここでもう一度三脚を据えてペンタ6x7で撮影する。

   
石投岳西斜面のシャクナゲ    小楊子川源頭 ヤクシカが来ていた 
   
宮之浦岳南斜面に立つ巨石 何に似ている?    宮之浦岳の笹とシャクナゲと巨岩の斜面 
 
宮之浦岳山頂(1936)直前のシャクナゲ    宮之浦岳南西斜面のシャクナゲ群生 

 縄文杉や新高塚小屋方面に路を分ける焼野分岐、そしてさらに笹原の中の路を下り、永田岳の手前のコルに出て、そこで湯を沸かし二度目の昼食としてラーメンを作った。
 ここからも肩まで標高差150メートルを休みなしに登る。山の肩に荷をおいて岩場を登り、山頂に着いた。宮之浦岳、そして左に大障子岳へいたる岩の屏風がひろがっていた。今日はこれで登りはないと一息ついた。
 頂上周辺は、丸い花崗岩の大岩と笹の斜面にシャクナゲが点在する気持ちいい所だ。ここから今夜の宿、鹿ノ沢小屋へ降る。

   
永田岳(左)と ネマチⅣ峰を望む    永田岳の頂上ドーム(1886)

 西へ下り、さらに左の谷を巻いて支稜に出る。そしてすこし下がったところがローソク岩の展望所だ。実をいうと1995年のときこのローソク岩周辺のシャクナゲが大変な密度で蕾を着けていたので、今回ここの花を最も期待していたのだが、株の数も減り、花はほとんどが終わっていて大いに失望するしかなかった。その代わり投石平から宮之浦岳にかけて、まさに予想外の花の咲きぶりがそれ十分に補ってくれたのでまずは気をよくして小屋への悪い道を下った。

 小屋は永田岳山頂よりも標高差、330米ほど下った谷筋の杉やシャクナゲの林の中にある。一昨年6月に続いての3度目の泊まりだ。
 ビールも飲んでからそろそろ夕食を作ろうかというとき下の花山歩道から一人やってきた。
 聞けば八ヶ岳赤岳鉱泉のマネジャーをしている清田氏とのこと。赤岳鉱泉と言えば最近テレビのBS山番組等でアイスクライミング設備設置が有名でそれは彼が作ったとのことである。
 花山歩道は一昨年村上さん、岡村さんらと一緒に下った路で、下の方の沢筋でヤマビルに襲われたところだ。彼もヤマビルには靴を這い上がろうとしているところを見つけ対処して実害はなかったそうだが、屋久島では西の花山歩道と東の楠川歩道が多いようなので、注意した方がいい。
 暇な6月、2週間は屋久島の山歩き、そしてその後2週間はネパ―ルのカトマンズなどを訪れるとか。とにかく若いときから自転車で世界中走り回ったとか。いろいろ面白い話を聞きました。  

 
ローソク岩    鹿ノ沢小屋 赤岳鉱泉の清田さんと 

6月14日(土) 曇り後晴れ
 朝4時半に起床。朝食を済まして清田氏より早く5時35分に小屋を出た。
 曇り空で花の色も冴えないので、写真もほとんど撮らず、まっすぐ往路を戻る。食料も減ったので荷は軽くなったはずと思いながら、永田岳や宮之浦岳を登り返す。
 宮之浦岳山頂に着いたころから、晴れ間がのぞくようになり、きれいな花の咲いているところでは撮影も再開しながら投石平、そして花之江河へ向う。
 小楊子川源頭でまた休憩している頃から宮之浦岳へ向う登山客に会うようになる。ガイドに連れられた10名程度の団体とも会った。

 順調に投石平、花之江河そして淀川小屋を通過して淀川登山口へ14時過ぎに着いた。これから登ろうとする客などと話をしながらのんびりした後、車で帰路に着く。安房で県道77号線に面した屋久島グリーンホテルに寄る。きれいなホテルで日帰り入浴して山の汗と埃を落としてすっかり爽快な気分になった。山の帰りの温泉や風呂は本当にありがたい。
 1時間半余りの余裕をもって空港に着いた。

 
宮之浦岳山頂西面のシャクナゲの開花     宮之浦岳東面のシャクナゲと愛子岳(左 1235)

 今回このシャクナゲが凄いということで、屋久島島内の多くの人達が山に登ったようで、そうした人達に何度も会った。それも島外から転入した若い人達が多、屋久島町の人口は増えているとか。今の人は思い切りがよく、定職なんて気にしないのがうらやましい。6回目の訪問となった私も、「移住しませんか」と誘われたが、まさかにそこまで決心する勇気もないのは嗚呼情けない。

 梅雨時ということで登山客は少なく、まして小屋(無人)泊まりの人はほとんどいなかった。
なお宮之浦岳と縄文杉を結ぶルートにある新高塚小屋はシーズンには超満員になることで知られているが、これまで設備が古く汚らしかった高塚小屋が大幅に改築されきれいになったそうで、混雑は緩和されることが期待される。 (清水)

 参加者 会員1名(清水)

6月12日(木) 6月13日(金) 6月14日(土)
伊丹空港 8:00 石塚小屋 5:15 鹿ノ沢小屋 5:35
鹿児島空港 9:15/9:35 花之江河 6:10/5:20 永田岳 7:05/7:10
屋久島空港 10:15 黒味分岐 6:40/6:45 永田岳下コル 7:25
レンタカー店 10:25/10:30 投石平 7:15/7:50 焼野 8:00/8:05
安房 10:45/11:00 小楊子川源頭 9:10/9:4 宮之浦岳 8:40/8:50
淀川登山口 12:00/12:20 宮之浦岳 10:25/11:10 小楊子川源頭
淀川小屋 13:20/13:30 焼野 11:40 投石平 10:45/10:50
高盤岳展望所 14:45/14:55 永田岳下コル 12:20/12:55 黒味分岐 11:10
小花之江河 15:05/15:15 永田岳 13:35/14:10 花之江河 11:20/12:10
花之江河 15:20/16:00 ローソク岩展望所 14:40/15:10 淀川小屋 13:25/13:30
石塚小屋水場 16:40/16:5 鹿ノ沢小屋 15:40 淀川登山口 14:15/14:40
石塚小屋 17:00 安房 15:30/16:00
レンタカー店 16:15/16:20
屋久島空港 16:25/17:55
鹿児島空港 18:30/19:20
            伊丹空港 20:30 
               
歩行距離  6.11km     10.01km       11.68km
累積登り   727m      866m      1189m
累積下り   503m      883      1396m


 
         屋久島宮之浦岳、永田岳トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

山行記録トップへ

「山があるクラブ・Ⅱ」 HOME