丹波 弥十郎ヶ嶽山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

丹波 弥十郎ヶ嶽(715.0m)

 10月の例会を鈴鹿にするか、それともしばらく行ってない大阪近辺にするか、代表も悩んだ末らしい。結局、まだ会としては行ってない三田市と丹波た篠山市の境界にある弥十郎ヶ岳(715.0)にすることになった。
 人名を冠した山は日本国中、割と珍しい。名の由来はいくつかあるらしい。
 弥十郎ヶ嶽とは今の三角点ピークのみでなく、周りのいくつものピークをまとめたものとも言われている。(「兵庫丹波の山」慶佐次盛一 ナカニシヤ 平成4) 東の支峰を含めて山様は大きい。南の三田市や猪名川町からは稜線すら望めないが、北側の篠山盆地からは高く、東西に伸びた障壁となっている。


 1022() 晴れ
 国道、173号と372号が交差する安田(小野新)のローソンに滋賀、三田そして川西からの3台の車が予定の時刻より10分早く集合した。このコンビニは日本で最も流行っているコンビニらしい。

 早速、372号を4km行った、辻の大仙寺へ向かう。旧道の篠山街道との交差点を10m行ってから左に入るのが正しいが、交差点から左後ろに戻るように篠山街道をに入ってしまい、その後の狭いところで、対向車に出会い、5分ほどロスする。

 大仙寺は弥十郎ヶ嶽の北麓にあり、広い駐車場を調えている。

 ここから室町時代のこの地の豪族波々伯部(ははかべ))氏の支城、南山城跡へ登り、さらに稜線を真っ直ぐたどって弥十郎ヶ嶽へ出発だ。ところが、駐車場から左上に向かう路は墓地へ向かう路で、寺への階段にいた男性が、路を教えてくれた。今車で上がってきた参道を下まで戻り、左の田んぼ脇に城跡への細い路がついている。その入口に城址の説明板がある

 ここから城跡までは、普通の山路だ。登って行くと廓(曲輪)の跡、本郭跡敵の横への移動を防ぐための竪堀など今流行りの山城用語の標識が立っている。標高360mの小ピークあたりが本廓だ。

 
大仙寺 駐車場は中段右   南山城跡への入口 真ん中に入口がある 大仙寺は画面右上 
   
南山城跡の説明     
 
廓跡    南山城と波々伯部氏の関係の説明 

 本廓から真っ直ぐ南へ稜線をたどる。ブッシュのない、雑木林の中の路が続く。なぜかこの路は国道地理院の地図にもなく、YAMAPなどのNET案内にもほとんど掲載されていない。しかし地元の人はよく使っているように思えた。

 ピーク573mより150m手前で小休憩する。

 次いでピーク640mの登りもさしたる苦労もなく、登る。弥十郎の本ピークとの間のコルから薬師原・畑市方面から来る路が合流する。頂上まであと300m~150mなどと言いながら、森を抜けて、山頂に出た。

 西側が木立がなく、眺めも効いた。篠山盆地を挟んで連なる西岳、三岳、小金ヶ岳の多紀アルプスは立派だ。手前に、八上富士とも呼ばれる高城山(462m)も上から覗くことができたが、1990年に後川から来た時に比べて、松などの樹木が大きくなり、視界が随分と狭くなっていた。ここで昼食。時間もたっぷりあるのでのんびりとする。

 記念写真を撮って、帰路に着く。

 
中間地点ね標高520mでの小休憩         きれいな登山路
   
弥十郎ヶ嶽山頂     

 元来た路を戻るが、100m行ったところで、急に道が細くなり、踏まれ方が少ないのに気付く。先程登ってきた路は左に降っていたのに気付ず真っ直ぐ東へ進んでしまったミスだった。この細い路は急な東稜線を下り、辻川に向かうものだ。元の路に戻り、640mピーク手前のコルから左に路を取って山腹を下る。

 すると大きな洞窟のまえを通る。入口の直径4m、奥行き4m位だろうか。雨宿りには十分な大きさだ。

 路はジグザグを切ってさらにドンドン下る。途中、谷筋と巻道の分岐があり、ここは安全を取って、左の巻道を取る。稜線から標高差にして200m下ると、路はゆるやかになり、吹越峠まで続く。

 
洞窟   苔に覆われた岩
   
稜線から谷への急な下り ロープが張られている      
   
アケボノソウ(リンドウ科)     貯水池近くの路を示す標識 

 風吹峠から下は、平凡な山路で気楽に下る。やがて貯水池に着き、右側の道をさらに行くと、今収穫期の丹波黒豆の畑や稲刈りの済んだ田んぼに出た。畦には秋の七草よろしく、ツリフネソウ、ススキ、ツリガネニンジン、アキノタムラソウそしてヒヨドリバナなどが彩り豊かに咲いていた。

 池から約35分で出発池の大仙寺に戻った。

  丹波篠山市は古くは都に近い田舎として、多くの寺社、祭礼、食材がある他、極めて特異的に巨木が多い。日本一のモミの他、杉、カツラ、ハダカガヤなどが点在している。集合池の安田にはの巨木があり、弥十郎ヶ嶽麓の辻には大きな四本杉がある。

辻の四本杉 幹回り約9m  10月21日下見時

 寺社では奈良時代創建の波々伯部(ほうかべ 氏族名稱はははかべ)神社が古く、7月の八坂祭りには、豪華に飾られた8台の山車が出て巡行.宮入りする。畑市の西光寺も行基上人が建てたと言う古い寺で、いくつもの仏像が重要文化財に指定されている。

 今回、弥十郎ヶ嶽下山後、安田から1km東の住吉神社へ行き、近代の代表的作庭か家、重森三玲(みれい)の庭、「住之江の庭」を鑑賞した。新しい感覚の枯山水庭園に感嘆することしきりだった。  (文 清水)

     
 住吉神社の庭 (重森三玲改修)   住吉神社 住之江の庭(重森三玲作) 渚と波を表現 


コースタイム(ジオグラフィカ記録) (大阪方面からの往復)

JR川西池田駅 7:40 所要時間 4:40
小野新・安田ローソン 8:50/9:00 歩行時間 3:50
大仙寺 駐車場(249m) 9:10/9:20 休憩時間 0:50
南山城跡(253m) 9:50 測定機器 スマホ
尾根 P573より150m手前(520m) 1:25/10:30 ソフト ジオグラフィカ
P640m 11:00 測定点数 219
分岐(650m) 11:05 歩行距離 6.72km
弥十郎ヶ嶽(715.0m) 11:15/12:05 累積登高 594m
分岐(650m) 12:10 累積下降 594m
洞窟(580m) 12:25
巻き路(450m) 12:50
吹越峠(410m) 13:00
貯水池(284m) 13:30
国道372号線(239m) 13:45
近道(245m9 13:50
大仙寺駐車場 14:00/14:15
福住 住吉神社 14:30/14:50
小野新・安田 15:00
池田 16:00

 二の谷山トラック地図

参加者    会員5名(梅川、清水、白柳、塚本、南井)

山行記録トップへ

「山があるクラブ・Ⅱ」 HOME