比良山系八淵ノ滝山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

比良山系 八淵ノ滝山行記録

 8つの淵が連なり、『日本の滝百選』にも選ばれている名瀑。それぞれ違った表情を持つ8つの滝と、それを取り囲むようにして山ツツジやシャクナゲ、イワカガミなどの樹木が生い茂っている。ガリバー青少年旅行村から登山道を500mほど上がった所に滝の登り口があり、ここから大摺鉢までの約1kmの登山道には、野鳥や植物の観察ができるフィールドが広がっている。魚止の淵方面のコースと大摺鉢より上流のコースは、急坂・滑りやすい岩場・鎖場があり危険で、十分な装備と自覚ある行動が必要と注意が呼びかけられている。

      ※1魚止の淵方面(魚止、障子、唐戸)のコースと、大摺鉢より上流(小摺、屏風、貴船、七遍返し)のコースは、岩場が崩落し大変危険です。滑落死亡事故も多発しております。登山初心者の方は大摺鉢以外のコースはご遠慮いただきますようお願いします。

      ※2武奈ヶ岳へ登山される方は、大摺鉢で渡渉し、看板に従って広谷方向へ向かって下さい。貴船ヶ淵、七遍返し淵を経由するルートは岩場が崩落し大変危険ですので通行しないでください。(高島市の観光案内より引用)

10月25日(日)晴れ
 
当初、滝コースは考えていなかったが、現場での判断の結果、このコースを選び、慎重に登った。晴天続き(10日以上)だったが、水は多く、渡渉するところは結構濡れており、滑りやすく梅雨シーズンや雨の後は更に十分な注意が必要である。

     JR近江高島駅(904)-(バス)-ガリバー旅行村(930940出発)-魚止の淵(1009)-障子ヶ滝(10301035)-大摺鉢(1043)-貴船の滝(11001105)-北比良峠(12401335、昼食)-イン谷旧リフト前(1520)-イン谷出合バス停(15251525バス出発)-JR比良駅到着(1535歩行時間; 5時間45分(休憩時間約1時間20分を含む)

    JR近江高島駅に集合、6人がバスに乗りこむ。鹿ケ谷では6月の例会『リトル比良』で下山した停車場を通過し、25分ほどでガリバー旅行村に着く。
 車道を進み、キャンプサイトで身支度を整え出発する。しばらく歩き、本格的な登山道に入る。
 ここで、滝沿いの道の危険を知らせる立看板が出ている。当初、滝道を避けた計画であったが、かえって挑戦意欲をそそられる。魚止の淵への分岐で相談し、滝への道を選び、渓流に下る。

 
八淵ノ滝の案内地図 


 結構急な道を下りしばらく行くと、魚止の淵に出る。水量も多く、滝の勢いはなかなかであった。魚止の淵を過ぎ、障子ヶ淵~唐戸の淵が
1回目の注意箇所だ。特に障子の滝の渓流渡りから、絶壁のクサリと梯子は緊張する。岩も濡れており滑りに気を使う。子供3人ずれの父親が注意を促しながら前を行く。唐戸の淵を見下ろしながら狭い道を進む、大摺鉢に着く。大きな岩が広い河原一帯に散らばっている。絶好の休憩場所である。
 渓流を渡ると、武奈ヶ岳や巻道への道になる。ここで長めの休憩を取る。写真撮影にも適した淵で、一旦は渓流を渡った先が好ポイントだ。

     
滝コースのへつり路    魚止ノ滝 
   
大摺鉢 刻まれた文字は右から八徳と読む    



 ここから先のコースを皆で相談し、巻道をやめ、
2回目の注意箇所、屏風ヶ淵~貴船ヶ淵に行くことにする。上の※2の注意看板が出てくる。あたりの雰囲気は、紅葉が始まり、陽だまりとも相まって秋の渓流を満喫できる。クサリや梯子の世話になりながら慎重に進む。貴船ヶ淵で小休止し、七編返し淵に向う。注意箇所を過ぎたとはいえ、クサリや梯子は出てくる。ところによっては踏み跡がわかりにくく、テープを探しながら渓流沿いの道を更に歩く。

   
屏風ノ滝    貴船ノ滝 
   
貴船ノ滝脇を登る    貴船ノ滝 



 次郎坊への分岐を分け、更に進み沢から離れ尾根に取り付く。杉林が出てくる。結構長い尾根歩きが続く。足下に紅葉を見ながら進むとシャクナゲの多い尾根筋になる。花芽は少なく、来年は少ない年かもしれない。方向を変えながら細尾根を進み、最後に稜線を登りきる。直登の歩きにくい道だ。ここを突っ切ると、北比良峠から八雲ヶ原への元スキー場ゲレンデのススキの原に出る。右に下った先が八雲ヶ原だが、また戻ってくることを考え、昼食に適した琵琶湖が見える北比良峠に向かう。稜線上は風が強く、昼食の場所に手間取る。北比良峠の手前の紅葉と琵琶湖が見える好場所を見つけ、長い昼食タイムをとる。眼下に琵琶湖、熱いコーヒーと果物で気持ちや体力が回復する。

 ここからの下りは尾根筋でなく、ロープで
V字の谷へ下り、沢を下る。このコースは久しぶりだったが、もろい下り坂は更に切り込まれ、所々で枯葉が厚く積もり、その下を水が流れるといった様子で随分と荒れたように感じた。以前より歩きにくくなっており、思ったより時間がかかった。その先は、大きな岩がごろごろした涸れた沢になり、1時間以上このような沢を下ることになる。登りも下りもなかなかにハードな歩きとなってしまった。最近の地図ではこの沢の道は破線になっている。

     
旧スキー場から武奈ヶ岳方面を望む    北比良峠から琵琶湖を見下ろす 
     
北比良峠のガレを下る     



 沢を何度か渡り、
1時間半ほど歩く。やっとのことで山腹に取り付き、しばらく進むと神璽ノ滝の滝への道が出てくる。しばらく行くと、釈迦岳からの道と合流する。最後に旧比良リフトの山麓駅に出る。
 バスの時間に間に合わせるように、早足、小走りでイン谷口出合に出る。先行の
Fさんがバスの運転手さんに声をかけ、その後続く5人が次々とバスに乗りこんだ。2分以上発車を遅らせることになったが、ありがたかった。比良駅に向かい、電車が遅れたこともあって、電車組の2人も無事に乗り込むことができた。私は、間違って志賀駅の駐車場に車を止めたため、Yさんの車で同乗者2名とともに志賀駅まで送ってもらった。帰りの道もスムースであった。

      紅葉とクサリと梯子の緊張した登山、充実した山行であった。(南井)

 
八淵ノ滝山行トラック地図

参加者    会員6名(南井、白柳、瀧井、深尾、村上、山蔦)

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