越前 杣山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

越前 杣山(492.1m)山行記録

2017年4月9日(日) 晴れ

鈍よりした空の下、2台の車が今庄ICを降り花はす公園駐車場に着く。近くで村祭りがあるのだろう法被姿の子ども達が車の荷台に乗り移動している。長閑な山里の風景だ。

  国指定城跡跡 杣山城跡案内図と書かれた案内板がある。これを見たのが悪かった。今日はリーダだが低山で整備された道だし、分岐には標識がある。①花はす温泉の後ろから散策路に入る。②少し進み標識を確かめ左から登山道に取り付く③山頂からは西御殿経由で姫穴コースに進む。この3点を押さえれば楽勝だと地図を持たず来た。
 長々とこんな事を書くのは出だしから間違ってしまったのだ。案内板の蛇行しながらも上へ上へと描かれた絵図をみて折角押さえたポイント①がとんでしまい真っ直ぐ進んでしまった。①の先行き止まり」の標識も目に入らず呼び戻されるまで気が付かなかった。何の為の3点押さえだったのか「トホホ」だ。 

気を取り直して①温泉の裏手から手入れされた人工林の散策路に入る。左には屋根から落ちた雪が消えずに少し残り又、路端にはカタクリがかたい蕾を解こうと待ち構えている。右からはせせらぎの音もする。
 やがて②山腹に取り付く標識があり、標識通り左に進むとすぐに丸太階段の急登となる。「もう終わりか」と見上げても終わりがないように続く階段にはへきえきするが周りにはショウジョウバカマ、スミレ、イワウチワ、イワナシ、タムシバ、サクラ(種類?)アブラチャン、クロモジ等沢山の花が次々に現れる。
 階段の登りが終わると暫くは緩やかな登りになる。霧の中に立つ木の枝が曲線を描いた墨絵のように見える。

 そしてその先に待っていたのはイワウチワの群生地、岩と苔と斜面いっぱいに咲き乱れるイワウチワの花のコラボだ。可憐なイワウチワの花が水滴を受け止めている姿が可愛く健気にうつる。

   
 杣山荘前の案内板   最初杉林の中の路を行く。 
     
岩場に群生するイワウチワ(イワタバコ科)    イワウチワ(イワタバコ科)  

  岩場に来ると道が狭く厳しくなり前方に鉄の梯子が見えてくる。岩壁に10段に満たない梯子が上下2か所かけられている。これを登ると犬戻駒返につく。犬も馬も通ることが出来ず引き返したと石の説明碑に書かれていて、登ってきたコース名にもなっている。
 ここからはなだらかに進み、堀切を渡ると杣山城跡のある山頂に着く。3等三角点がある。お父さんと幼稚園児くらいに見受うられる先客が食事中だった。我々もここで昼食とする。

 今にも降り出しそうな空に眺望もなく早々と下山とする。

   
険しい稜線の鉄梯子    山頂の本丸広場で 

 ③西丸経由の標識をしっかりチェックして堀切にかかった細道を渡りなだらかに下っていくと岩場に着く。袿掛岩で杣山城主瓜生保が金ケ崎で戦死した際、奥方や待女が飛び降りて自害したそうだ。岩の後ろ側を覗き込んでいた瀧井さんに「どうお?」と尋ねたが自害できるほどの絶壁ではないようだ。
 小さな石仏がたっている。さらに下ると左側が少し高くなっている西丸御殿跡があり、そこを通って先に進む。

 殿池・姫穴コース分岐標識を見て左に下る。急な下り道を経て殿池に着く。城中唯一の水場で夏場でも枯れないらしいがとても飲料水には見えない。ほどなく急な岩場路になり、鉄杭に鎖がつけられているが倒れているのもあって頼りなく、気を付けながらUターンするように下ると姫穴に着く。岩に数人入れそうな穴がポッカリと空いて、黄緑の苔っぽい草が生えているのでヒカリゴケかと思ったが違った。杣山攻防戦の際新田義貞の奥方匂当内待がこの穴に一時身を隠したことから名づけられたそうだ。上から覗き込んだだけでは断崖絶壁にしかみえなく格好の隠れ場所に思える。

 この岩壁をシャワーの様に落ちる小さな滝、白い肌の岩、緑の苔、ショウジョウバカマの濃いピンク、思いもよらなく力強くも美しい景色に出会えた。この先はへつり路になっていて、ロープが所々に渡してあるがこれも又あてにできなく慎重に進む。

     
姫穴と周りの岩壁    姫穴 
     
水が落ちる岩壁に咲くショウジョウバカマ(ユリ科)    ショウジョウバカマ(ユリ科) 
     
 急な岩壁沿いの路   急な岩壁沿いの路 

 ここを過ぎると広い道にでてキャンプ場に着くが使われていないようだ。日本国中この様なところが至る所にある気がする。

 枯草の中に薄赤紫のヤマエンゴサクが咲く広い平らな場所にでた。城主の居館跡だそうだ。左に文珠堂コースとの合流標識を見て、動物除けの電線柵を跨ぐと県道に出る。

 
ホクリクネコノメソウ(トウダイグサ科)    ヤマエンゴサク(ケシ科) 

駐車場に戻り、木ノ芽峠に向かうべく今庄365スキー場に車を走らせるがスキー場の中の道が通行止めになっている。ここから歩くのは時間的に無理があるので、諦めて敦賀に車を走らせ魚市場による。中に入るとすごい呼び込みをしていて女性組は目を合わすのも怖く、早々に売り場を1周して男性組を待つ。その後しっかりお土産を買った男性組が戻り、ここで解散とする。

 大阪まで渋滞もなくスムーズに帰れた。滋賀へも順調だったようだ。久しぶりの車山行、そのうえ遠出となり清水さん、南井さんご苦労様でした。 (文 村上) 

 「遺構や伝説の数々に負けずに咲く沢山の花、生憎の天気で私たちも見ることが出来なかったがギフ蝶の乱舞、この山城を駆け巡り戦い散った南北朝の勇士達に見てもらいたいなぁ」とフッと思った。 (文 村上)


コースタイム

池田 7:00
千里中央 7:20
吹田IC 8:10
菩提寺IC 8:40/9:00 所要時間 3:40
多賀SA 8:45/9:00 杣山荘(120m)~山頂~杣山荘
今庄IC 10:10 歩行時間 3:05
杣山荘(120m) 10:20/10:40 休憩時間(訓練を含む) 0:35
犬戻し駒戻し(415m) 11:40 測定機器 スマホ
杣山山頂(420.5m) 12:05/12:40 ソフト Geographca
殿池 12:55 測定点数 270
姫穴 13:15 歩行距離 4.5km
広場 13:40 累積登高 467m
県道、第2登山口 13:50 累積下降 467m
杣山荘 14:05/14:20
今庄365スキー場 14:40/14:45
敦賀さかな街 15:15/15:45
敦賀IC 15:50
中国豊中IC 17:30
蛍池駅 17:35
池田 17:50


 
杣山トラック地図 

参加者 村上、清水、白柳、瀧井、深尾、南井 計6名

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