南アルプス 白根三山他(北岳(3193m)、間ノ岳(3190m)、農鳥岳(3026m)、アサヨ峰(2799m)、甲斐駒ヶ岳(2967m))山行記録
1.広河原~北岳(泊)~間ノ岳~農鳥岳~大門沢(泊)~奈良田温泉~広河原~北沢峠(泊)
8月5日(金)~7日(日) 白根三山
8月5日 北沢峠~二股~肩ノ小屋(泊)
8月6日 肩ノ小屋~北岳~中白根山~間ノ岳~西農鳥岳~農鳥岳~大門沢小屋(泊)
8月7日 大門沢小屋~奈良田温泉~(バス)~広河原~バス~北沢峠・こもれび山荘(泊)
8月5日(金)
JR守山駅(8月4日(木)、21:30出発)-
仙流荘横の駐車場(1:00着、仮眠、6:05バス)-北沢峠(6:55着、7:20発)-広河原(7:55、8:05発)-大樺沢コース-二俣(10:40~11:20、昼食)~合流点(13:20~13:30)-小太郎尾根分岐-肩ノ小屋(14:13着、泊)
準備を整え、8時すぎ、いよいよ出発。天気は晴れ。つり橋を渡って山荘の横から山道に入る。谷の奥の北岳はガスで見えなかった。山小屋の荷揚げをしているらしく、ヘリが行き来する。コースは傾斜の穏やかな大樺沢をいくこととした。沢沿いの道を進む。しばらくは林の中を歩き、再び沢に出て2時間ほどで、雪渓が見え始める。そのまま進み右股と左股の分かれる二股に着く。左股は”八本歯のコル”を経由する。我々は肩ノ小屋を目指す右股コースになる。このあたり、一面お花畑が広がり、涸沢が目の前にある。皆は思い思いに休んでいる。早朝の出発、お腹もすき、昼食にする。ミヤマハナシノブ、他たくさんの花が見られる。その中を、クモマベニヒカゲが飛んでいる。ミネラルを求め、人の手に止まる。数も多い。
40分ほど休憩をし、右俣を登る、急登でつづら折りの道だ。道沿いは、緑が多く花がさいており、蝶が飛び交っている。少し歩くと樹林に入り、下にはトウゲブキの大きな群落だ。1時間すこし歩きつづけたあたりから軽く雨が降り始め、雨具を着る。初日から雨になり、この先の長い行程を思うと気が滅入る。こんなことなら来なければよかったか?小太郎尾根分岐を過ぎ、稜線に出たあたりから雨が弱くなり、雨具を脱いだが、いつ降るか不安な天気だ。先を急ぐ。遠くまでは見えないが、稜線から北側の斜面が見下ろせる。風がやや強いが、気持ち良い風だ。そのまま肩の小屋に到着、14時過ぎ。2号館?だかの2階、混雑しており、まあ、こんなものなのかもしれない。
長野県側のバスターミナル、仙流荘 | 美しい紫の花をつけるミヤマハナシノブ(ハナシノブ科) | |
大樺沢 | 高山蝶のひとつクモマベニヒカゲ(タテハチョウ科) | |
森林帯 | 小太郎尾根 |
しばらくして、小屋から出て歓談していると天気が回復、鳳凰三山やそれに至る縦走路、仙丈ヶ岳などが現れる。小屋から見下ろす大樺沢、道中には見られなかった花が小屋の石垣からテント場に向かう両脇に花壇としてしつらえてある。咲き方も見事だ。登山客はその後も続々と到着し、小屋周辺は賑やかである。北岳も青空に映えるようになる。明日はきっと良い天気になりそうだ。
その後、夕食、しばらく外で過ごした後、小屋に入った。狭い寝床だったが、以外にもわりと寝られた。夜に星空でも見ようとトイレに行く。天の川は良く見え、時折流れ星がながれるような状況だったが、勝手に期待した、息を飲むような満点の星空とは程遠いものだった。後から思えば、この日の雨が降っている間が、全行程中2番目に辛かった(気持ち的に)。1番辛い道のりはこの後に待っていたのだが・・・。3番目以降は特にこれといってあげるほどマイナスの記憶に残るようなものではない。
黄色いイワオウギ(マメ科) | キンロバイ(バラ科) |
8月6日
肩ノ小屋(5:15出発)-北岳山頂(5:45着~6:05)-八本歯のコル広河原(7:55、8:05発)-北岳山荘(7:10~7:20発)-中白峰山(7:55~8:05)-間ノ岳(9:05~9:20)-農鳥小屋(10:15~10:25)-西農鳥岳(11:10~11:45、昼食)-農鳥岳(12:25~12:45)-下降点分岐(13:12)-大門沢小屋(15:45、泊)
行動時間:10時間30分
基本的に岩の道で、それなりに集中していかないといけないが、こういう道は好きだ。反対側から登ってくる人もいる。向こう側から来る方がキツそうだ。北岳山荘から来るひとらしい。昨日は相当混んでいたとのこと。まあ、どこも同じようなものか。登りと下り、所々で花が楽しめる。シコタンソウ、イワギキョウ、少し時期遅れのミヤマダイコンソウ、敷き詰めたような、 そのうち花も少なくなって、7時10分に北岳山荘に到着する。なかなかにきれいな山荘だ。お土産になるようなものが無いか見てみると、良い感じのTシャツを発見、いい記念になった。小屋を出てしばらくすると、イブキジャコウソウ、イワギキョウの花、鳥のイワヒバリ、クモマベニヒカゲの好アングルと楽しみが出てくる。
肩の小屋の夜明け | 富士山 | |
肩の小屋の夜明け 右遠方に富士山 | 西へ伸びる影北岳 | |
北岳山頂で | 間ノ岳までの長い海抜3000mの稜線 | |
トウヤクリンドウ(リンドウ科) | シコタンソウ(ユキノシタ科) |
8時前、稜線上に大きく立ちはだかるピークにたどり着くと、中白峰山3055mとある。これが間ノ岳?、わりとすぐに着いたなとおもったが、全然違った。間ノ岳は、この先の大きい山塊だ、膨大な岩の塊。更に1時間で間ノ岳山頂だ。9時過ぎ、中白峰山からちょうど1時間、この間3000mの稜線歩きが続いた。富士山はあまりはっきりしないが、思う存分の眺望が楽しめる。このあと下りも結構長く、緑の無い岩ばかりの道で、アップダウンが続く。ずっと見えている農鳥小屋につくまで、1時間弱、かかった。
ここでコーラを買う。あまり美味しくない。もっと我慢してから買えばよかった。500円と高額である。持っていくには重いので、残りは捨てた。次は西農鳥岳のやや尖った山容が目の前に立ちはだかる。
11時10分、西農鳥岳に到着する。ここで昼食、持参のレギュラーコーヒをふるまう。さすがに今回のコーヒーは美味しい。持ってきてよかった。どうやら向こうに平坦に見える山容の奥が本当の農鳥岳の山頂らしい。すこし雲がかかってきており、また、午後から雨になったりしたら嫌だな思いつつ、出発。40分で到着した。今回の目的の縦走のメインはこれで終わり?意外にいけるものだと思ったのは慢心だった。
間ノ岳側から北岳と甲斐駒ヶ岳を見る | 間ノ岳山頂にて | |
間ノ岳から北岳と甲斐駒ヶ岳を見る | 間ノ岳から西農鳥岳(右手前)と農鳥岳(左奥)を望む | |
農鳥岳の稜線 |
長めの休憩を取り、13時15分前に今日の宿、大門沢小屋に向け出発する。山頂と、急坂を下った平坦なあたりで、広河原から出発してきた、ランナーが多くなる。大会ではなく、格好のコースだとか。小さなリュック、水だけが入っているのだろう。あっという間に見えなくなる。このあたりからガスで先が見通せない。一人だったら相当怖い。下降点の鉄の標識があり、本格的な下りが始まる。実は、この下りが、今回のもっとも辛いところだった。かなりの急傾斜で、景色もとくに見るものは無く、ひたすら森の中の山道を下る。
途中から足が痛くなり、気力も使い果たした気分だった。とにかく辛い下りがひたすら続いた記憶しか残っていない。カメラもリュックに入れたきり、出す気にもなれなかった。一つだけ覚えているのは、道沿いにきれいなベニテングダケ(おそらく)が生えていたこと。自分はキノコがわりと好きで、花より綺麗というか面白いというか、興味がある。この下りの思い出はこのキノコだけが救いだ。やっとのことで15時45分に大門沢小屋にたどり着いた。人だかりである。水は豊富、冷たい水でのどを潤す。
夕食は、Webに出ていた如く、ヤマメの甘露煮にのみ、その辺の山菜が少し添えられていた程度の極悪の食事、今時こんな食事を出す小屋が残っていたとは驚きだった。その上、小屋は混雑しており、通常の半分のスペース、常にとなりの人と接触し、快適とは程遠い。まあ、寝られなくても、また不愉快でも、とりあえず横になっていれば、多少は回復するらしい。朝まで一睡もできないことはなく、どんな状態でも普通、1~2時間は寝られる。まあ、そういう山小屋だ。空いているときに行けばまた違うと思うが。
大門沢、奈良田方面下り口 |
8月7日
大門沢小屋(6:30、出発)-大岩(6:55着、7:20発)-沢(7:55、8:05発)-林道登山口(発電所2.2㎞、奈良田4.3㎞)(9:10)-第一発電所(9:45)-奈良田温泉(10:15、13:30バス)- 広河原(14:10、15:00発バス)- 北沢峠(15:25着)~こもれび荘
行動時間:3時間45分
今日はゆっくりで良いということで、5時にタマゴかけごはん程度の粗食の朝ごはんを食べ、人気の少なくなったお布団でしばらく横たわり、6時30分に出発する。この日はずっと下り、昨日の辛さからカメラは初めからリュックの中へ入れ込む。この日もほとんど写真なし。昨日の下りで気力の消耗が激しい。
下りは、沢沿いの林道を進む。大岩と表示のあるポイントを過ぎ、道は柔らかい森の中を通っている。昨日とは全然違う印象である。結構怖い丸太の橋がある。半分折れた橋、崩れた橋、慎重に渡る。(そういえば、この丸太の橋は、昨日もあった、あの状態で落ちたらどうなるか、いろいろ考えた。)林道がある登山口には2時間40分ほどかかった。結構な歩きになった。
登山口から奈良田までは4.3㎞、舗装道路の嫌な歩きが待っていた。救いは途中、チョウが結構いることだ。スミナガシは綺麗な個体だった。キチョウ、ジャコウアゲハ、スジグロシロチョウ、ミドリヒョウモン、ウラナミシジミなどなど。発電所までおりると、温泉まであと少しらしい。前日の消耗でだらだら下ったが、いま思うと、よい道のりだった。
10時15分ころ奈良田温泉到着、古民家を綺麗に直した天井の高い平家の建物で、とてもよい場所だった。温泉はぬるめでとても良かった。1時間ほどゆっくりお湯につかり、風呂上りに山梨名物ほうとうをいただく。最高に美味しかった。この温泉はまた行きたい。ここでかなり回復した。
13時30分のバスで広河原へ戻ると、甲府駅行のバスには200人以上が並んでいて、バスロータリーは大変なことになっていた。反対方向の北沢峠へ戻るバスに乗り、こもれび荘に到着。この日の宿は、一人で布団も使え、食事、サービス、いろいろ快適でとても良かった。まあ、不便な山の中にある本当の山小屋と比べるのもどうかと思う。
シックで美しいスミナガシ | 奈良田温泉 |
こもれび山荘4:30~4:40長衛小屋~登山口4:43~5:35(2306m)5:50~7:00栗沢山7:10~
南井さんは甲斐駒ケ岳へ、瀧井さんと私はアサヨ峰へ登りますが歩くテンポが違うので別々に山頂を目指します。 3人の中で私が1番にこもれび山荘を出発しました。小屋前の北沢峠からスーパ林道を歩き仙水峠標識を左に進むと沢山のヘッドランプの明りがこちらに向かってきます。仙丈ヶ岳に登るのでしょうか。
仙水峠への分岐をとった頃には空も白み始めました。
標高2306mに着いたのでしょうか、斜面が緩やかになりました。朝食を摂らずに出発したので休憩とエネルギー補給をここでします。変化は少ないが気持ちの良い美しい樹林帯をひたすら登ります。途中、樹林の開けた場所から仙丈ヶ岳が見えますが栗沢山、アサヨ峰に着けば360度の展望が待っているはずなのでチラッと見て通り過します。
やがて森林限界を越えてハイマツの岩稜帯に変わり頭が見えてきます。「いよいよ山頂かなぁ」と思いましたが、頭を巻きながら乗り越えると前方に栗沢山山頂がありました。気を取り直し、急なゴロゴロした岩の斜面をひと踏ん張りして登ると山頂に着きました。晴天の誰もいない静かな山頂です。北側には摩利支天をしたがえた白い山容のダイナミックな甲斐駒ケ岳、東にはたおやかな仙丈ヶ岳、南には腰を少しひねり背伸びしたようなピラミッド型の北岳、目下は昨日バスで通った野呂川沿いの南アルプス林道が俯瞰出来ます。目指すアサヨ峰の早川尾根は東に伸びていて、頭が3つ程見えますが1番高いところが山頂で山頂標柱と人が1人見えます。おそらく瀧井さんでしょう。
ここより岩稜の縦走が始まります。岩にある消えかかったペンキ印やハイマツに吊るされたピンクのリボンを見落とさないように進みます。大きな岩を乗り越えたり、ハイマツの中を縫ったりと進んでいると後ろから賑やかな声が聞こえてきます。5~6人グループの若者がルートを探してあっちだ、こっちだと言っているようです。この後、ロープもクサリもない高い岩の壁に進路を塞がれます。注意深く探すと手足のかかる所があり難なく壁を越す事が出来ます。見た目より簡単に登れましたが下りは大丈夫だろうかと少し心配です。アサヨ峰が近くなると山頂眺望を堪能した瀧井さんがもう戻ってきるのにあいました。
山頂に着きました。栗沢山から見えなかった富士山は唯一雲がかかっていますが見えます。八ヶ岳はギザギザ頭から麓の高原へ長い稜線を伸ばしています。北アルプスも見えます。槍ヶ岳やオベルスクは山座同定を容易にしてくれるので有りがたいです。
甲斐駒ヶ岳とその側峰、摩利支天 花崗岩質の砂が白い | アサヨ峰から鳳凰三山と富士山を見る | |
アサヨ峰から北岳、間ノ岳、塩見岳を望む | アサヨ峰から甲斐駒ヶ岳とその側峰、摩利支天を望む |
景色を暫く楽しんだ後、こもれび山荘の朝食弁当を食べていると○○学校テニス部と書かれたテイシャツを着た高校生が到着しました。声だけがズーッと聞こえていたグループです。ソロの人も2人着き山頂が急に賑やかになりました。高校生達は記念写真を撮ると賑やかな声と共に戻って行きました。私は去りがたく最後まで一人残り静かな景色をさらに満喫しました。下山は一度通っているのでトントンと軽く進み心配した岩壁も簡単に下って栗沢山に戻りました。栗沢山で最後の眺望を楽しみ下山は仙水峠へと分岐を取ります。穴の中へ落ちていくような岩の急坂を下ります。樹林帯に入るまでは日差しが強く暑くてたまりませんでした。登ってくる人も何人かいましたが皆、汗だくで顔を赤くしています。暑いし、急登だし気の毒な気がしました。仙水峠に着きました。ケルンの日陰を選んで座り込み休憩をとります。甲斐駒ヶ岳から下山してくる人を見ながら座っていると南井さんが下山してきました。
一緒にゴロゴロ岩の仙水谷を下り、仙水小屋横の水場でポッカから戻ったばかりのご主人に声をかけて冷たくて美味しい水を頂き、長衛小屋、こもれび山荘へと戻りました。瀧井さんが登山靴を干して余裕でこもれび山荘のテラスでコーヒー(?)を飲んでいました。私達も高地余暇を暫く楽しみ、荷物を整理してバスで戸台口へ、さらに車に乗り換えてさくら温泉で温泉と食事をして守山駅に戻り解散しました。
南井さん、行きは夜中の運転、帰りはお疲れの中の運転を有難うございました。(文 村上)、(写真 村上、瀧井)
8月8日(月)
こもれび山荘(4:50発)-二合目(5:27)-不動岩-双児山(6:09~6:16)-駒津峰(6:50~7:00)-六方石-八合目-甲斐駒ヶ岳山頂(8:00~8:35)-隣のピーク(8:38~8:43)-八合目(9:14)-駒津峰(9:35~9:46)-仙水峠(10:37~10:46)-こもれび山荘(11:46)
歩行時間:5時間32分 (行動時間 6時間56分)
小屋がお薦めの仙水峠経由でなく、双児山のルートをたどることにした。針葉樹林帯のやや薄暗い中をつづら折りに進む。しばらくで傾斜が強くなる。先行する単独の2名を追い抜き進む。早朝とはいえ、汗が出る。見通しのきかない樹林帯を抜け、不動岩と呼ばれる岩場にさしかかる。この急な岩場を登りきれば素晴らしい眺望が待っている。
さらに進めば双児山である。振り返れば、仙丈ヶ岳、更に横には中央アルプスが続く。一方、アサヨ峰から鳳凰三山の山並みが眺望できる。前にはどっしりと甲斐駒ヶ岳が迫ってくる。大きな岩場を下り、進んでいくと鳳凰三山の横に富士山が姿を見せる。思った以上に下りがあり、また登り返すと駒津峰だ。仙水峠からの登山客で賑やかである。ここから六方石までは狭い岩場の稜線で、思うように進めない。見通しは良く、眺望で気を紛らわす。壁の岩場で、団体客を振り抜け、やっと渋滞から解放される。六方石で直登の道を分け、右を巻くように進む。最後のがれきの道も厳しく、景色を振り返りながらのつらい登りだ。
駒津峰から1時間で山頂に着いた。遮るものがない素晴らしい眺望が開ける。仙丈ヶ岳から塩見岳に続く縦走路、北岳~間ノ岳、鳳凰三山~アサヨ峰、八ヶ岳連峰、中央アルプス、北アルプス、隣の鋸岳の鋭鋒等々、見飽きることがない。肝心の富士山であるが、山頂に少し雲がかかりだす。2人が行ったアサヨ峰に望遠を向け山頂を眺めるが、人がいるのかいないのかわからない。しばらくしてまた望遠で見るが変化はない。同じ時間帯に村上さんが山頂にいたことが後で分かったが、岩の陰に隠れていたのか確認できずに終わった。
山頂で35分と長めの滞在の後、元来た道を戻り、隣のピークに立ち寄る。石碑群、駒嶽神社と書かれた石碑、大國主命の石柱ほかたくさんの石碑が立ち並ぶ。帰りは順調、30分ほどで八合目、更に20分で駒津峰に出る。ここからは、急坂を仙水峠に下る。思ったよりも長く、50分ほどかかった。時々見える栗沢山とアサヨ峰、何人かに道を譲ってもらう。
峠で村上さんに出会う。アサヨ峰から余裕ができ、こちら方向に変更したとのことであった。仙水峠は広範囲に渡って大きな岩塊で埋め尽くされている。氷河時代に形成された「岩塊斜面」で、岩石に入り込んだ水の凍結と融解で大量の巨礫を生み出したことが原因である。仙丈ヶ岳を背景に写真を撮り、大きな岩で歩きにくい岩場を通り、なだらかな道を進む。シラビソとコメツガの針葉樹林帯を進み、沢に下って行くと、仙水小屋に出る。小屋の人に断り、冷たい水を飲む。最高に美味しい水だった。多少のアップダウンを繰り返し、突堤を過ぎ、丸太橋を渡れば長衛小屋、テント群が現れる。ここから一歩きでこもれび山荘である。
縦走を一緒した瀧井さんは先に帰っており、小屋の前のベンチで休んでいた。小屋のお湯でポタージュを作り、3人そろって昼食にした。臨時のバスがあり、早めに仙流荘バス停に戻ることができた。帰りは高遠温泉さくらの湯に入り、そばを食べた後、車で滋賀県に戻った。天気に恵まれた南アルプス遠征であった。4日間、3つの百名山、1つの二百名山を登った。新たに農鳥岳を加え、238の三百名山を達成した。(文
南井)、(写真 南井、村上)
双児山からの展望 左から鳳凰三山(奥)、アサヨ峰(手前) 、栗沢山(手前)、北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳(右奥) | |
甲斐駒ヶ岳山頂の祠 | |
甲斐駒ヶ岳山頂からの展望 富士山、鳳凰三山、 アサヨ峰、北岳や間ノ岳も見える |
甲斐駒ヶ岳山頂からの展望 北岳そして仙丈ヶ岳 |
仙水峠 | 仙水峠の岩屑 |
参加者 会員3名(南井、瀧井、村上)
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