東、裏六甲山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

東、裏六甲山

12月14日(日) 晴れ
 久しぶりに訪れた宝塚の阪急バス停は有馬方面へのバスを待つハイカーでごった返している。ヘルメットをくくり付けた大きなリュックが沢山ある。主のクライマー達は蓬莱峡の屏風岩に行くのだろうか。
 私達も暫く全員が揃うのを待ちながら並ぶが、超満員になりそうなバスを避けて急遽タクシーに乗る。

知るべ岩バス停近くの小広場でタクシーを降りて、各々が順番に自己紹介をしていると、私達が乗る予定のバスがすし詰め状態で車道をはしっていく。乗り物酔いをする私はバスに乗らなくてすんだことに再び安堵する。

今日は初参加の2人を含め総勢10名の大所帯で出発する。

 緩やかな曲線を描く綺麗な道を進む。橋かと思ったが大多川と座頭谷の合流点に続く堰堤らしい。座頭谷右岸の低木の中を進みはじめると、踏み跡が枝分かれしていて迷いやすくなる。
 やがて露出した山肌を見せる稜線や規則的に積まれた石の堰堤が次々と現れる。この堰堤は鎧積堰堤で目地に落水が当たらないように工夫されて造られているらしい。
さらに進むと兵庫県砂防発祥の地と書かれた看板が設置されている。説明文はカメラに収めたので家でゆっくり読む事にする。

さらに進むと、知識のない私でも興味をそそられる4段目だけがコンクリートの堰堤が現れる。家に戻ってから調べると1段目は現地の石を集めて加工せず積んだ自然石積、2、3段目は鎧積み、最後の4段目は阪神震災後に造ったコンクリート堰堤と知る。明治~大正~昭和~平成の土木技術が積み重なった珍しい(?)堰堤だ。

     
知るべ岩を出発する    座頭谷の4段堰堤 まさに明治~大正~昭和~平成
の土木技術の積み重ね
 

堰堤の左横の階段を上って下ると広い河原が広がりいきなり明るくなる。堰きとめられた土石の広い河原の中を遡り進むとやがて花崗岩の風化が進んで出来た荒涼とした景色の中に自然の芸術作品が現れる。「人の顔」、「天を衝く細いロウソク」、「日本のグランドキャニオン」等々と賑やかな声が渓谷に響きわたる。手で触ればボロボロと落ちそうな山肌の、この景色を見るとこの地に多くの堰堤が造られ兵庫県砂防発祥地となった事が納得できる。

     
座頭谷右俣左岸の岩塔群    座頭谷右俣左岸の岩塔群 
     
座頭谷右俣左岸の岩塔群    座頭谷右俣右岸の岩塔群 

今日1番の見どころを過ぎ、草木の茂る細い谷を詰めると右手急斜面に凵型の構造物が滑り台の様に見える。きれいに石が敷き詰められている。降った雨水を集めて逃がし斜面の崩壊を防いでいるのだろうか。
 その急斜面を100m余り、ジグザクに登ると六甲ハニー牧場の手前広場に出る。ここで小休止をとって車道にでる。車道の南は船坂峠から大平山をへて大谷乗り越に続く六甲全山縦走路が通っている。私達は車に気を付けながらの棚越新道を歩く。

 やがて大谷乗り越で六甲全山縦走路と交わり、山道に入る。そこから少し登った平らな所で昼食とする。誰が落としたのか急斜面をミカンがコロコロと転がっていく。どこまでも転がって行くと思ったが、うまく木に止まり回収できたようだ。そのミカンと温かいスープを御馳走になり、出発する。

歩きだすと休憩で冷えた身体も温まり、ここからは塩尾寺まで良く整備された六甲全山縦走路を進む。ヒョロヒョロと伸びた酔馬木等の幹の曲線が面白い。

宝塚市最高峰の岩原山の分岐標識がある。当初、下山予定していた赤子谷へ通じる道だ。清水さんが事前に下見をしてくださり、谷が荒れているので取り止めたコースだが何時か歩いてみたい。

   
馬酔木(アセビ)の林の中を行く    展望所で 

譲葉山東西二つのピークの間を縦走路は抜け、さらに進み展望台に寄ると秀麗な甲山を正面に大阪湾から大阪平野が俯瞰できる。ノッポビルの阿倍野ハルカスも見えるが少し霞んでいる。集合写真を撮る。
 行者山、岩倉山等の分岐標識を見ながらドンドン進むと左手に砂山権現の赤い鳥居が見えるので寄り道をするが、すぐに縦走路に戻り少しえぐれた急な路を下る。やがて塩尾寺に着く。トイレを借りたかったがハイカーは借りることが出来ないと知り宝塚駅へと急ぐ。

   
展望所から大阪市のビル群を見る 右端があべのハルカス 地上60階、高さ300m、日本で最も高いビル 
     
塩尾寺へ下る道
ハイカーや雨水によって掘り込まれている 
  塩尾寺 聖徳太子創建と伝わる古い寺 
     
塩尾寺の下から宝塚市街を見おろす 赤い屋根が
宝塚歌劇場
 
   

武庫川に架かる宝来橋のたもとで解散後、市橋さん御夫婦は宝塚温泉入浴で寄り道、他の人達は川向うのJR電車、阪急電車で各々が帰路に着く。

 寒波襲来の予報に軽アイゼンを各自携帯し、南井さんと清水さんには休憩時の風除けにツエルトまで準備して戴き有難うございました。幸いに陽がある所は温かく快適にあるけました。
 又、1週間前に肉離れをおこしたのに参加されて完歩されたYさんには頭が下がります。 (村上)

参加者    会員6名(清水、市橋、岡村、白柳、南井、村上)、体験参加2名(瀧井、山蔦)、外2名(市橋夫人、先砥)、計10名

コースタイム

阪急宝塚駅(集合、出発)(50m) 9:10 所要時間(出発~解散) 4:45
知るべ岩(160m) 9:20/9:30 徒歩 3:25
座頭谷 休憩 1:20
左俣(320m) 9:45/9:50
ハニーハウス(460m) 10:45/10:55 歩行距離 11.54km
大谷越(510m) 11:30 累積登高 645m
昼食(530m) 11:35/12:20 累積下降 778m
岩原山分岐(530m) 12:35
東西譲葉山コル 12:50
展望所 13:00/13:05
岩倉山(488m) 13:07
砂山権現(430m) 13:15/13:20
塩尾寺(350m) 13:25/13:30
甲子園大学(160m) 13:55
宝来橋(解散)(50m) 14:15
阪急宝塚駅(50m) 14:20



 
東、裏六甲山 座頭谷~大谷越~譲葉山~塩尾寺トラック地図 

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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