尾瀬山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

尾瀬(至仏山(2228m)他)山行記録
1.全コース 大清水~三平峠~尾瀬沼(泊)~見晴~三条ノ滝~尾瀬ヶ原~山の鼻(泊)~至仏山~鳩待峠

尾瀬はどの季節も美しい。雪解けの頃、水芭蕉が顔を出し、川の水が流れるようになるといろんな花が次から次へと咲きだし、夏にはニッコウキスゲで湿原一面が橙黄色になる。赤トンボが群れ飛ぶようになるとツタウルシが紅葉し、草紅葉の秋となり、枯葉が舞い散るとやがて静寂な冬がやってくる。そんな尾瀬が好きで冬以外の季節には何度も訪れたが至仏山にはまだ登っていなかった。いつかスキーで行きたいと思いながらもいつのまにか年月は過ぎ去っていった。花の綺麗な時期の至仏山にも登ってみたいと思っていたことと、大江川湿原がニッコウキスゲの橙黄色に埋め尽くされているのを見たいと思い、今回の山行に参加した。

 716日(土)曇りのち晴れ
 参加メンバーはそれぞれの交通手段で高崎駅に集まり、清水さんの車で赤城高原サービスエリアに行き、車で来られた清水信三さんと合流、2台の車で出発する。
 高速を沼田で降り、片品村へ向かう。途中、道沿いにある吹割の滝を見学する。日本のナイアガラの滝と言われているが、今日は水量が少なめで迫力に欠ける。 2台の車は戸倉へ行き、戸倉第二駐車場に一台を預け、もう一台で大清水まで入る。一般車は規制があり大清水までしか入れない。大清水から一ノ瀬まで歩いている人達も見かけたが、私達は昨年から導入された低公害車ディーゼル車を利用する。一ノ瀬まで歩けば一時間ほどかかるところを
10分位で着くので楽をさせてもらった。
 一ノ瀬休憩所に着き、身支度を整え、今から一時間半も頑張って歩けば、はるかな尾瀬が待っていると思うと夜行バスでの睡眠不足にもかかわらず気持ちも足取りも軽く樹林帯を登る。岩清水が流れていたので喉を潤す。おいしい水で山の湧水は何よりのご馳走だといつも思ってしまう。ゆるゆる登って三平峠に着く。「尾瀬国立公園 三平峠」と書いた大きな標識の前にベンチが二つあるが針葉樹に囲まれた展望のない峠である。初めて尾瀬に来た時はまだ学生だったが大清水から三平峠まで歩くのも随分しんどかったなあと思い出す。
 下りになり、尾瀬沼の一部が見えたと思ったらほどなく尾瀬沼山荘が視界に入り、沼の畔の明るい三平下に着いた。広場になっていてベンチがたくさんあり昼食休憩している人達が多い。尾瀬沼山荘では生ビール・かき氷・カレーライスなど何でも売っていて街中のようである。
 沼の周囲を左回りに歩いていく。沼の周りの樹々は成長して
40年前に初めて沼を見た感じとはずいぶん印象が違った。幅の広い木道が敷かれ、沼の向こうに燧ケ岳を眺めながら歩く。足元のお化けのように大きくなった水芭蕉の葉を見て美しい花の時期を思い浮かべる。随分と変わってしまうものだ。

   
片品川の名瀑、吹割ノ滝 落差7m、幅30mの滝     
   
岩清水 冷たく美味しい    尾瀬の入口、三平峠 


 長蔵小屋に着く。小屋の前にはヒメサユリの花が咲き、イワツバメが巣を作っていて飛び交っている。尾瀬を開拓した平野長蔵氏が建てた山小屋は歴史を感じさせる落ち着いた風格のある建物である。荷を置き、大江川湿原散策に出かける。期待していたニッコウキスゲは鹿の食害により驚くほど少なくなっていたのでがっかりしたが、沼山峠に続く木道をしばらく歩いていくと少しかたまって咲いているところもあり綺麗だと思ったが、初めて訪れた時の感動とは比べ物にならなかった。それでもコバギボウシ、ノアザミ、キンコウカ、サワラン、トキソウ、モジズリ、メタカラコウ、マルバダケブキなど咲き競っていて名前を挙げていくと報告文の1ページはすぐに埋まってしまいそうだ。名前を思い出せなかったり、名前を知らない花もたくさんあり、せめて頭にオゼが付く花でも見分けられるようになりたいと思った。
 オゼミズギクというウサギギクによく似た花を今回初めて知った。ウサギギクと比べると葉が短めで花びらも細く光沢が少なく地味な感じがした。オゼヌマアザミはノアザミよりガクが長く淡紫色の花が複数個ついていた。オゼソウは尾瀬では至仏山だけに見られるそうで尾瀬に詳しい清水信三さんもまだ見たことがないと言うので明後日が楽しみである。
 木道を適当なところで引き返すと
3本並んだカラマツの向こうに尾瀬沼が見え、小さな人影も絵になる風景である。平野氏代々の墓があるヤナギランの丘に上がってみる。尾瀬沼と長藏小屋を望めるちょうどいい位置にあり小屋を見守っているのであろうか。親子三代にわたって自然保護活動を続け、尾瀬の美しい自然を守り抜いた苦労が偲ばれる。
 長藏小屋無料休憩所の横にビューポイントがあると聞き、行ってみる。木陰にあるベンチに座ると、沼の向こう正面に燧ケ岳が見え、右奥には大江川湿原が広がっている。沼に映った燧ケ岳、葦の間に揺れる水面のさざ波状の動きに癒される。
 小屋に戻り入浴と夕食を済ます。石鹸は使えないが湯船に浸かれるのは嬉しい。湯は2杯までと注意書きがあったが、シャワーは自由に使えて気持ち良く汗を流すことができた。夕食後ビジターセンターのスライド上映会に参加する。夜行バスで来たので睡魔が襲ってきて困ったが、尾瀬の自然について知識を深められた有意義な時間であった。

 
長蔵小屋前のヒメサユリ 福島県、山形県に多いユリ  長蔵小屋の長い廊下と障子 
大江湿原のニッコウキスゲ  トキソウ(ラン科) 花の色がトキ色
オゼヌマアザミ(キク科)  オゼミズギク(キク科) 
カキラン(ラン科)  名前は花色が柿色に由来  

 

717日(日)曇り一時雨のち晴れ
 朝食前に無料休憩所横のビューポイントに再度行ってみる。朝陽が射し始め、今日の天気も悪くはなさそうである。早朝の散歩は気持ちよく朝食も美味しく食べられる。

 
朝の尾瀬沼と燧ヶ岳  出発前、長蔵小屋前で 

 今日は沼尻を経て尾瀬ヶ原を横断し山ノ鼻まで行く予定である。三条の滝が初めての人もいるので滝見物にも行く。滝への往復以外はたいした登り下りもなく木道歩きが殆どだが、かなりの距離を歩くことになる。

 大江川湿原から沼の北岸を燧ケ岳の山裾を縫うように歩いていく。燧ケ岳に通じる長英新道の分岐を過ぎると浅見湿原に出る。静かな入り江のような湿原で古い色地図にはアヤメの大群落があると書いてあったが今はもうなくなったのか見ることができなかった。道はエゾマツ、コメツガなど針葉樹の林の中に入り、この木は何だろう?と立ち止まって幹や葉を観察しながら歩いていく。景色が開けたら燧ケ岳直下の沼尻湿原である。ミツガシワやナガバノモウセンゴケなどが見られた。休憩舎は火事で焼けたそうでトイレとベンチがある。燧ケ岳がすぐ近くに大きく見える。沼を
2/3周くらいしただろうか?
 ここで沼から離れこじんまりした白砂湿原を横切り、白砂乗越のぬかるんだ岩場の坂道を登った後は下りで、沢を渡り、ブナ林の道になってくると見晴十字路に出る。途中にあった見晴新道登山口は土砂崩れで閉鎖されていたが
3日前に再開されたばかりと説明書きがあった。
 尾瀬の銀座通りと言われている見晴十字路は
6軒の山小屋が隣立し、少し奥まった林の中にキャンプ場もある。弥四郎小屋の前に湧出している清水で淹れたスターバックスのコーヒーと原田のラスクで贅沢なティータイムをしてちょうど片づけ始めた時に雨が降り出し、慌てて小屋に入り、雨具を身に着けた。
 
 元温泉小屋まで行き、荷物を預かってもらい、三条の滝を見に下って行く。途中に平滑の滝の展望台があった。上から眺めると幅の広い一枚岩の滑滝でジャブジャブ歩いたら気持ちよさそうである。そこからどんどん急降下し、階段を下ると三条の滝の瀧見台に出た。今日の滝は水量が多く豪快である。尾瀬ヶ原の水が全部集まってここに流れて落ちているのだ。来た道を登り返し、もう一度平滑の滝を見て元温泉小屋まで戻り木陰で昼食休憩をする。男性陣はこれから先は危険なところはないからと美味しそうにビールを飲んでいる。

 
三条ノ滝 落差80mの豪壮な滝 元温泉小屋前で昼食 

 これから先は尾瀬ヶ原歩き、見晴十字路まで戻らず只見川に架かる尾瀬ヶ原橋を渡って、東電小屋を通り過ぎ、ヨッピの吊橋を渡ると広々とした尾瀬ヶ原の風景が目の前に広がる。尾瀬の貴婦人がどこかに居るとのことで探しながら歩いていたら中田代のちょうど真ん中辺りに立ち姿の美しい一本の白樺の木を見つけた。その後も数人の貴婦人が居たように思ったが最初に見た白樺が一番美しかった。広々とした湿原に真っすぐ続く木道歩き、右方に景鶴山、前方には至仏山と青空、どこまでも歩き続けていたいと思いながら、前方左に見えるこんもりした牛首を目当てに足を進める。牛首にはベンチがあったので休憩する。カラスが飛んできてのんびりとしている。トンボもゆったりと羽を休めている。ここでは時間がとてもゆっくり流れている感じがした。上田代では池塘と浮島がたくさん見られ、水面には燧ケ岳が逆さに映っている。ちょうど未の刻なのか、ヒツジグサの花がたくさん咲いていた。ミツガシワは花が咲いていなかったが深緑色の三つ葉が開き過ぎずに揃って上を向いているのが何とも可愛らしい。尾瀬の宝石と言われるオゼコウホネを一つ見つけたがまだ蕾だった。池塘を周回した後、元の木道に戻る。かなりの距離を歩き続けてお腹も空いて疲れが出てきたころ林が見えてきて山ノ鼻の尾瀬ロッジに着いた。

 
ヒツジクサ  白樺 
 
日本で最も小さいハッチョウトンボ  上田代の池塘と燧ヶ岳 

 宿泊手続き後はすぐに夕食の時間になり、イワナの塩焼きと地元の野菜をたっぷり使った盛りだくさんの料理とビールを美味しくいただいた。夕食後、見本園入口付近を散策する。ここではオゼコウホネの花が咲いているのを見ることができた。入浴時間が決まっているので見本園一周はできなかったが今回一番見たかった好きな花を最後に見ることができて嬉しかった。昨日も今日も入浴でき、三連休にもかかわらず、ゆったりと布団を敷ける一部屋を与えられ窮屈な思いをしなくてよかった。明日の至仏山を楽しみに眠りにつく。

 
朝の山の鼻 至仏山は霧の中  オゼコウホネ 尾瀬と北海道のみに生育
花芯が赤い 普通のコウホネは花芯も黄色 

 718日(月)晴れ
 見本園の前を通り過ぎ真っすぐ進むと至仏山登山口がある。植生保護と登山者の安全のため山ノ鼻から山頂までは上りのみの片側通行となっている。頂上までほぼ直登で階段が続く。急坂なのでどんどん高度を稼げる。樹林帯を抜けたところで一息つき、振り返ると尾瀬ヶ原を俯瞰できる。たくさんの池塘が鈍く光り、川沿いの拠水林も高い所から見ると帯状になっているのがよく分かる。
 階段はどこまで続くのか、階段歩きは脚をたくさん持ち上げなければならないので好きではないがこれも植生保護と安全のため仕方がないかと思う。蛇紋岩の山なので階段が途切れたところはツルツルして滑りやすく足の真上に体の重心を乗せるようにして慎重に足を置き、鎖が付いているところはそれを頼りにして登る。靴底のビブラムが減って丸くなっているので転倒してまた怪我をしたくない思いが強い。昨年登った谷川岳も蛇紋岩で滑りやすかった。

 
至仏山の登山口 登りのみの一方通行 標高差818m  至仏山中腹から尾瀬ヶ原を見下ろす  手前の池塘群
は上田代 バックの燧ヶ岳の頂上は雲に隠れている

 登るにつれ次から次へといろんなお花が咲いているのに気づく。昨日も湿原で見たニッコウキスゲやアザミ、同じ花でもこちらは標高が高いためか色鮮やかで生き生きしているように見える。茶色い蛇紋岩、青空、色とりどりの高山植物がようこそようこそと笑顔で出迎えてくれているように思われる。青空に向かって天まで続いているかのように思える階段の傾斜が緩やかになってくると高天原のお花畑である。タカネナデシコの鮮やかなピンク色が一番先に目に入ってくる。地面に張り付くように咲いているイブキジャコウソウの薄紫も綺麗で、よく見るとその中にホソバヒナウスユキソウもたくさん咲いていたが最盛期は過ぎたようで元気がない。階段両側の岩場にいろんな花が咲き乱れ、階段の下からもジョウシュウアズマギクやヨツバシオガマが顔をのぞかせている。ここから少し回り込むように一登りすると岩だらけの山頂に着く。

 
高天原 黄褐色の蛇紋岩地帯 お花畑となっている    イブキジャコウソウ(シソ科) 
 
ホソバヒナウスユキソウ(キク科) 至仏山と谷川岳に
生育するエーデルワイス 
  至仏山山頂 花が多く人気の山 


 大勢の人で賑わっていて、山頂標の上の展望盤を見て山座同定をしたかったが次から次に山頂写真を撮る人達がいたので邪魔になりゆっくり見ることができなかった。北方には平ヶ岳、南方には上州武尊山が小至仏山の向こうに見えた。越後の山には少し雪が見られた。燧ケ岳は雲に覆われていたが一瞬雲がドーナツのように穴を開けて山頂を見せてくれた。小至仏山へは一旦下って一つピークを越えていくが、西側は深くガレていて高度感がある。
 岩の斜面にはハクサンシャクナゲやコメツツジ、稜線上の道にはイブキジャコウソウ、ホソバイワツメクサ、タカネナデシコ、ヨツバシオガマ、マルバシモツケ、ホソバヒナウスユキソウなど、ここもお花畑が綺麗だが、オゼソウは見当たらない。
 どこにあるのだろう?小至仏山から岩は少なくなり急坂に階段がつけられている。「オゼソウがある!」と声がしたので足元を見まわすと薄黄緑色の土筆のような花が目立たないように咲いていた。地味な花だが尾瀬では至仏山にしかない特産種で、出会えてラッキーだった。


 笠ヶ岳への分岐を過ぎると湿原にカキツバタの群生が見られる小山沢田代に着いた。ワタスゲの花がまだ少しだけ残っていた。アヤメ平や日光連山、ドーム状の日光白根山も見えている。ベンチには先着が居たが一度腰を下ろしたら長居をしたくなるような心地よい場所である。ここからはあまり変化のない樹林帯を徐々に暑さを感じながら下って、人の多い鳩待峠へと出た。乗り合いタクシーで戸倉まで行く。清水兄弟が戸倉第二駐車場に預けた車で大清水に行き、もう一台の車と共に戸倉まで戻ってきて、皆で白沢温泉「望郷の湯」に立ち寄り、汗を流し身綺麗になって上毛高原駅で解散した。

 三連休を利用しての尾瀬山行は混雑を予想していたが、意外に人が少なく静かな尾瀬を満喫できた。初めて訪れた時に見た景色とは多少違っていたが、私の思っていたはるかな尾瀬と遠い空は変わらずにありました。心の中にある尾瀬の思い出の頁がまた一枚増えました。 (文 岡村)
  (写真 清水、岡村、村上) 


2.山の鼻~至仏山~鳩待峠

2016年7月18日(土) 晴れ
 尾瀬ロッジ2階の窓から見える空は淡い雲色に青い絵具を1滴落とした様な小さな場所から朝の光が射し込でいる。天気は良さそうだ。
 朝食前の散歩に出る。尾瀬、山の鼻の朝は空気も心地よく、次の目的地へと出立している人も何人かいるが、殆どの人がまったりとしていて時間もゆっくりと動いている。

 朝食は「少し多いかなぁ」と思ったが美味しいのと今日1日の行動を考えて全部いただく。

 昨日、散策した尾瀬植物研究見本園の中の木道を奥に真直ぐ進むと至仏山登山口がある。植生保護の為と登山者安全の為、登り専用と看板がたてられている。山頂へはほぼ直登で急な木の階段の登りからはじまる。植林帯の中を木道、木の階段、石畳と整備された道をどんどんと進み高度をあげる。

 3日目で疲れが溜まっているのか、朝食を食べ過ぎたのか胃腸がグジグジしておかしい。右手を広げて胃の辺りを温める。温まると良くなる。手を離して暫くすると又おかしくなる。手当とは良く言ったものだと感心しながら山頂まで手を当てたり離したりを繰り返して登る。

森林限界地まで登ると辺りが開けて昨日歩いた尾瀬ヶ原が一望できる。尾瀬ロッジの赤い屋根、拠水林の緑の帯、黄緑の尾瀬ヶ原を真直ぐ貫く木道、銀色の水面を見せる沼は数の多さに改めて驚かされる。燧ヶ岳山頂はまだ雲のカーテンを閉じたままで目を覚ましていない。
 キンコウカの咲く休憩場で休んだ後に蛇紋岩の大岩、小岩の上を滑らないように足場を見つけて登る。鎖場も数カ所ある。しんどくなった時は後ろを振り返り、尾瀬ヶ原の景色に癒しを求めて又頑張って登る。

 背後からの日差しが強くなり、岩場からしみ出る水を集めて飲むと甘露の味がして生き返る。未だ至仏山山頂は見えないが、青い空に向かって進む様に目の前の斜面を登ると高天原に着き至仏山山頂も目の前に現れる。ここから山頂までは緩やかな斜面に一面のお花畑が広がる。シブツアサツキ、ミヤマウイキヨウ、ホソバナウスユキソウ、ミネウスユキソウ、ヨツバシオガマ、イブキジャコウソウ、タカネナデシコ、タテヤマリンドウ、シュロソウ、名前の特定できない花、ジョウシュウアズマギクは花期が少し過ぎたようで木の階段の下で涼む様に咲いている。10年前に登った時より咲いている花の数が多い気がする。

 至仏山山頂に着く。山頂は鳩待峠からピストンの人も含めて大勢の人で賑わっている。360度の展望がある。日光白根山、武尊岳、燧ヶ岳も全容を見せている。その中でも清水さん、岡村さんが山スキーで登ったと言う平ヶ岳~景鶴山~東電小屋迄の稜線が気になる。雪のある時期にせめて景鶴山まで行きたいと熱い思いで稜線を目で追う。

 
至仏山山頂から北方の平ヶ岳(2141m)を見る
積雪期のみ尾瀬からアクセス可能 

 昼食の後は鳩待峠へと下る。10年前はバスと電車の時間が気になり掛け下りたが沢山の花が咲いていた記憶が残っていて、もう一度ゆっくりと訪ねたかったコースだ。山頂からは大岩小岩の狭い道を縫うように少し下り頭を1つ越えて、さらに下って小至仏山へと登り返す。
 正面に笠ケ岳、武尊山が見えて道脇にはタカネバラ、コメツツジ、サラサベニドウダン、マルバシモツケ、タカネトウチソウ、ハクサンイチゲ、イワツメクサ、シャクナゲの花ものんびり屋さんが所々に咲いている。10年前はこんなに大きな岩の間をすり抜けたり、足を伸ばして下ったりの記憶がないが若かったからでしょうか。
 大きな岩の山頂、小至仏山は狭く数人で滞るので立ち止まる事無く通過する。ここからは岩は少なくなるが砂礫の道になる。飽きることなく花に見とれて歩いていると足を滑らせて転んでしまった。無意識に手に持っていたカメラを壊さないように上に持ち上げていた。

長い木の階段をくだっていると後ろを歩いている清水信三さんの「オゼソウがある」の声に急いで階段をひき返す。実物を見るのは初めてだ。緑の葉から長く伸びた軸に小さな黄緑の花をまぶすようにつけているが目立たない花だ。氷河期の残存種で絶滅傾向にあるらしい。この花を今回は探したいと思っていたので又1つ願いが叶った。

   
至仏山を下る 蛇紋岩の険しい尾根で意外に時間
がかかる 
  右手前は笠ヶ岳、正面奥は武尊山(2158m) 
     
タカネナデシコ、ヨツバシオガマ、マルバシモツケなど    至仏山にしか自生してないオゼソウ(ユリ科) 

どんどん下るとヒオウギアヤメの群生している場所が見える。その隣にある休憩所テラスは人で隙間なく埋まっている。尾瀬ヶ原、燧ヶ岳を眺めるビューポイントだ。テラスの側に小さな沼があったはずだが・・・・・。枯れたのだろうかと思ったが沼があった痕跡がない。10年前ここを掛け下りた時に熱くて水を求めたのか、それともアヤメとテラスに沼が有れば絵になると思ったのか想像を加えて記憶した可能性が強い。今回はしっかりと沼を外して記憶の上書きをする。

 笠ケ岳分岐を見てオオヤマ沢田代の湿原を過ぎ、さらに下ると大岩がありやがて樹林帯に入っていく。樹林帯からのなだらかな単調な道が長く続いた後、鳩待峠に着く。

鳩待峠に到着 バスや乗合タクシーが頻繁に出ている 

 バス停は少し下の駐車場にあり乗り合いタクシーで戸倉まで行く。清水さんお二人が戸倉に駐車した車で大清水小屋手前の駐車場の車を回収して下さる間に風呂の用意をして待つ。2台の車が戻った所で白沢温泉に案内していただき入浴後、さらに上毛高原駅まで送っていただき解散とする。

 清水信吉さん、清水信三さんには車を出して頂き感謝します。お陰さまで周回コースが楽しめました。又、信三さんには高崎ハラダのラスクをお土産に頂き有難うございました。孫達と美味しくいただきました。夏が来れば思い出す遥かな尾瀬・・・・となりました。(文 村上) (写真 清水、岡村、村上) 


コースタイム

7月16日 7月17日
JR高崎駅 7:15 長蔵小屋 1660m 6:10 山の鼻 尾瀬ロッジ 1410m 6:35
高崎IC 7:30 浅湖湿原 6:30 1590m 7:15/7:20
赤城高原SA 7:50:00/8:30 沼尻 1660m 7:10/7:20 1720m 7:50/8:00
沼田IC 8:40 段小屋坂 1530m 8:20 1870m 8:35/8:40
吹割ノ滝 9:05/9:30 イヨドマリ沢 8:30/8:35 高天原 2050m 9:25/9:35
戸倉第二駐車場 9:55/10:05 見晴新道入口 8:50 至仏山 2228m 10:10/10:50
大清水第二駐車場 1180m 10:15/10:20 見晴 1420m 9:10/9:50 小至仏山 2162m 11:40/11:50
大清水小屋 10:35/11:00 元温泉小屋休憩所 1420m 10:35/10:45 オヤマ沢田代 2030m 12:20/12:30
一ノ瀬 1410m 11:10/11:15 平滑ノ滝展望所 1350m 11:00/11:05 1790m 13:05/13:10
1600m 休憩 11:40/11:45 三条ノ滝展望所 1220m 11:40/12:05 鳩待峠 1592m 13:40/13:50
岩清水 1758m 11:55/12:00 平滑ノ滝展望所 1350m 12:35 戸倉第二駐車場 14:15/14:20
三平峠 12:50/12:55 元温泉小屋休憩所 1420m 12:50/13:40 大清水第二駐車場 1180m 14:30
尾瀬沼山荘 13:10/13:15 分岐 14:00 戸倉第二駐車場 14:45
長蔵小屋 13:50/14:20 東電小屋 1410m 14:25/14:30 白沢望郷ノ湯 15:30/16:20
ヤナギランの丘 14:40/14:50 ヨッピ川吊橋 14:50/14:55 沼田IC 16:30
長蔵小屋 1660m 15:00 牛首分岐 14:40/14:50 月夜野IC 16:35
山の鼻 尾瀬ロッジ 1410m 16:30 上毛高原駅 16:45
研究見本園散歩
尾瀬ロッジ 16:55
所要時間(徒歩、小屋での休憩0:30を除く) 3:15 所要時間(徒歩、小屋での休憩0:30を除く) 10:20 所要時間(徒歩) 7:05
歩行時間 2:50 歩行時間 7:35 歩行時間 5:30
休憩時間(小屋での休憩0:30を除く) 0:25 休憩時間 2:45 休憩時間 1:35
歩行距離 8.5km 歩行距離 21:6km 歩行距離 8.4km
累積登高 465m 累積登高 599m 累積登高 982m
累積下降 186m 累積下降 832m 累積下降 792m
16日~18日合計
所要時間 20:40
歩行時間 15:55
休憩時間(小屋での休憩0:30を除く) 4:45
歩行距離 38.5km
累積登高 2046m
累積下降 1810m


尾瀬トラック地図 

参加者    会員5名(清水信吉、岡村、白柳、村上、山岡) 会員外1名(清水信三) 計6名

山行記録トップへ

「山があるクラブ・Ⅱ」 HOME