京都北山 小野村割岳山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

京都北山 小野村割岳(931.7m)山行記録

2017年5月28日(日) 晴れ

2012年4月に芦生側から佐々里峠へ入り、そこから赤崎中尾根の芦生杉の巨木めぐりから速いもので5年経ってしまった。今回は赤崎中尾根から先、東へと続く尾根の杉の巨木群をたずねようとするものだ。コースは下之町~早稲谷~小野村割岳~P911~赤崎中尾根分岐・雷杉~佐々里峠。

 予定の時間より5分遅れで出町柳駅へ着き、バス停のそばで待つ滋賀県勢と合流する。
 少し近道と岩倉円通寺脇を抜ける鞍馬街道に入ると、道は狭く、勾配もきつくとても車向きとは言えない。以後はやめる方がいいと思った。
 鞍馬、そして花背峠を過ぎて山村都市交流の森でひと休憩する。
 下之町はまとまった集落もない。静かな心安らぐ里だ。
 車を停めて早稲谷川に沿った林道を登る。季節とあって赤や白のクリンソウが何株か咲いている。左に農家が一軒そしてチェーンのゲートがあり、一般車はこれ以上は入れない。このゲートから50m先の右には農業用水を貯めるコンクリート製のダムがある。
 この貯水池は翠色のきれいな水面を見せていた。するとバシャと音がして青い点が水面上を一直線に走った。カワセミだった。水面に突き出した棒に戻りまたダイビンクして水面を飛び去ること3回、小魚も多く、絶好の漁場らしい。カメラを構えたが、望遠レンズ出ないのが残念だった。

   
早稲谷林道脇に咲くクリンソウ(サクラソウ科)    早稲谷を入ったところにある農家 正面にダムが見える 
     
ダム上の貯水池 東山魁夷の絵のよう    池を餌場にするカワセミ(翡翠) 


 単調な林道を進む。タニウツギの花が満開だ。
 3kmほど行くとまたゲートがあり、道は東に曲がり、少し先で道は流されていた。これを越えてさらに行くと左側にチャートの露頭が見られる。京都北山ではよく見られる岩肌だが、大きく層が整ってきれいだ。昔の海の放散虫などが堆積してできた、珪石主体の硬い岩だ。
 その先で林道は左右に分岐する。ここは左の細い方を取るが「キャー、イャダー」との奇声が後ろでする。何かと思って戻ると山ヒルがズボんに取り付いていたらしい。ヒルのことは少し気にしていたが、こんなさして濡れてはいない林道で出るなど思いもよらなかった。今回の山行後、自宅に帰り、ヒルに血を吸われたことを見つけたメンバーもいたので、十分に注意が必要だ。
 林道の終点は小さな広場になっていて、その先に右から小沢が流れている。右には今回初の杉の巨木が立っていた。
 ここからは対岸の尾根を真っ直ぐ登る。わずかな踏み跡らしいものがあるが、手がかりも乏しい、急登で、転がり落ちないように、潅木の枝先などを探して登る。直ぐに傾斜も緩んでくるが、広場から右へ少し行って尾根わ斜行して登る踏み跡らしいものが見つかった。こちらが正解らしい。
 尾根を行くと黒く焼けた、朽ちた杉の株の群れが続く。焦げもない株も元気に生えているので、数十年前の山火事の跡らしい。尾根筋なので落雷による山火事だろうか。
  山火事跡から直ぐに小野村谷岳の山頂に到着する。昼食にする。

 
林道脇のチャートの露頭    タニウツギ(スイカズラ科) 
   
 林道終点の広場 小沢を越して左正面の尾根を急登
小沢を右へ少し行ってから尾根に取り付いた方がベター
  広場の右に立つ杉の巨木 
   
山火事跡の杉の巨木 中は焦げているが火事後さらに
成長したのか表面は正常 
  頂上間近の登り 
   
小野村割岳山頂    山頂での昼食 

 小野村割岳からはアップダウンの少ない尾根歩きとなる。全体としては小野村割岳(931.7m)が最も高く、佐々里峠(730m)までは緩やかな下りなので、楽な歩きだ。
ただ尾根は意外と広く、道標もなく、狭い路と言うより、尾根を好きなように歩くので、大きな尾根の分岐では間違った尾根に進んでしまうので注意が必要だ。我々もP911のり次の小ピークで南尾根に入りこんでしまい、気がついて元に戻るのに15分かかった。(地図参照)

 何株もの巨杉を見たり、写真わ撮ったりしながら楽しく進むと、今回最も大きな杉があり、ひとりの杉の写真撮影が目的の男性に会う。京都市北区の人とか。佐々里峠から、ここまでの往復とか。今回の山行で会ったたった一人の登山者だ。
 やがて広場があり、大きな杉が右(尾根の北側)にそして左側には孔の空いた杉が立っていた。雷杉だった。大きな杉をずっと見続けてきたので、株としては少し小振りに見えた。黒く焦げた幹の中は人も入り込める。赤崎中尾根への分岐でもある。ここも東からやって来ると方向が分かりにくい場所だ。

 ここから佐々里峠までは巨木もほとんどなく、平凡とも言える山道をどんどん進む。バイクの音が聞こえて直ぐに佐々里峠に出た。

 下之町の車を停めたところまで送ってくれるというカメラマン氏の好意に甘えて、清水が車に乗せてもらう。下之町まで5km歩いたら1時間以上かかるので本当に助かった。

 帰路、京都市内では交通量も多く、時間もかかったが、無事滋賀県勢を京都駅前でおろし
解散した。(文 清水)

 
樹皮も健全で元気な巨杉    直径3m以上の杉の大株 別の蔓が取り付いている 
 
雷杉の近くの巨杉    雷杉 


コースタイム

川西 6:20
池田 6:40
千里中央 7:00/7:05
吹田IC 7:15
京都南IC 7:35 所要時間 5:40
出町柳駅 7:55 下之町(470m)~小野村割岳(931.7m)
京都交流の森(花背) 8:45/8:55 ~雷杉~佐々里峠
下之町(470m) 9:05/9:15 南尾根への誤進入 0:15を含む
林道終点 11:00/11:05 歩行時間 4:40
小野村割岳(931.7m) 11:30/12:20 休憩時間(訓練を含む) 1:00
P911 12:50 測定機器 Garmin 38EX
南尾根分岐 13:00 ソフト カシミール3D
南尾根 13:10 測定点数 1246
南尾根分岐 13:15 歩行距離 11.3km
赤崎中尾根分岐、雷杉 14:00/14:05 累積登高 875m
灰谷分岐 14:40 累積下降 588m
佐々里峠(730m) 14:55/15:00
下之町 15:10/15:15 5:00
佐々里峠 15:20
京都交流の森(花背) 15:45/15:50
鞍馬 16:30
京都駅 17:15
京都南IC 17:40
中国豊中IC 18:10
池田 18:20
川西 18:45



 
小野村割岳トラック地図 

参加者 清水、白柳、瀧井、南井、村上 計5名

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