北海道 雄阿寒岳山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

北海道 雄阿寒岳(1370.5m)山行記録

2018月16日(月)晴れ時々曇り

摩周温泉の宿を早立ちし、車で阿寒横断道路241号を走り、雄阿寒岳登山口へと向かう。途中の双岳台ではこれから登る雄阿寒岳の雄姿が現れ、少し遠方には雌阿寒岳も姿を現す。

 出がけにパラついていた小雨も止み、天気予報通りに晴れてきそうだ。滝口から小道に入り、登山口の駐車場に車を停めようとしたが、車高が低かったのか、お腹を擦ったので滝見橋近くの道路沿いの広い駐車場まで戻る。朝食を摂り、身支度を整えて歩いて登山口へと向かう。
 阿寒湖の水が流れ出る滝口から湖岸に沿った平坦な道を進む。右手に太郎湖が現れ、さらに進むと次郎湖が見えてくる。樹林帯の中にハクサンシャクナゲやツルアジサイが花を咲かせていた。足元には
5月頃に綺麗な花を咲かすというオオサクラソウの特徴的な葉をたくさん見ることができた。
 登山道は一つなので迷うことはないが、苔むした森の中に倒木が多く、くぐったり、跨いだりでアスレチック気分だ。地面から蒸気が上がっているところがあり不思議に思ったが、ひんやりと気持ちがいい風穴であった。合目と頂上までの距離が標されているので歩く目安となり励みにもなる。

 
双岳台付近から雌阿寒岳(左)と雄阿寒岳(右)を見る    国道240号滝口バス停付近の駐車場で朝食 
     
登山口そばの 阿寒湖 滝口に近い   見事に咲いたツルアジサイ(ユキノシタ科) 
   
山の株は倒木だらけ 潜ったり、跨いだりが続く    ハクサンシャクナゲ(ツツジ科)が満開 

 頂上まで3000mの標識の向こうにエゾシカ2頭発見、カメラを向けても全く動じず、黙々と笹を食べている。このあたりからジグザグの急坂が続く。4合目から5合目間は標高差も距離もかなりあって、5合目の少し手前で小休憩を入れる。その後さらに坂路を登りきってほっとすると明るい小広場5合目に着いた。すぐ後ろから登ってきた地元のガイドさんが、この山の5合目は実際は8合目くらいでほぼ山頂と励ましてくれる。

   
エゾシカ2頭    5合目 

 あと一息と思ったが、意外と時間がかかった。頂上手前の台形のピークが見えたが、山頂はまだ見えない。6合目を過ぎて初めて眼下に阿寒湖の展望が開ける。湖の向こうには雌阿寒岳やフップシ岳も見えている。7合目あたりはハイマツも出てきたが背丈くらいもあり、ハイマツの藪漕ぎをしているようだ。
 
8合目は気象観測所跡地の広場で、左前方にドーム型の山頂が見え、先行したガイドさんらしき姿も小さく見えている。山頂までは一旦下って、登り返さないといけない。まだだいぶん先のように感じる。鞍部まで下ったところが9合目でひょうたん池が見えますか?と標識に書いてあったので先ほど右下方に見えた小さな池がそうなのだろうか?と思う。
 見上げるようなガレの急坂を登り、岩が積み重なった狭い山頂に着いた。二等三角点を確認する。眼下に見える原生林に囲まれたペンケトー、パンケトーの深い青色の湖面は神秘的で今まで見たことのないとても印象的な風景だった。雌阿寒岳の後ろから阿寒富士も顔を出してくれ、またいつか登れる日が来ることを願う。順調な登りだったので展望を楽しみながらの余裕の昼食を済まして下山にかかる。気になっていたひょうたん池は下っていくにつれひょうたんの形に見え、なるほどと思う。

  
6合目付近から見た阿寒湖 左後方に左から阿寒富士、雌阿寒岳とフップシ岳  
     
7合目付近から雄阿寒頂上を望む    8合目からの雄阿寒頂上 
雄阿寒山頂から北~北東を見下ろす 左がパンケトウ、右がペンケトウ 後方は屈斜路カルデラと屈斜路湖  
   
雄阿寒岳頂上で     

 下りは早い。8合目でまであっと言う間に下り、振り返ると山頂で憩う人達の姿が小さく見える。登る時には気づかなかったがイワブクロやコケモモが群生している。
 その後も軽快に下る。ダケカンバ林の樹肌の白さが眩しいくらいの上天気になった。
 
5合目からの急坂は慎重に、その後は倒木を乗り越えたり、くぐったりしてどんどん進む。次郎湖に直接下る標識に一瞬惑わされたが、来た道を戻り、熊にも出会わず、無事登山口に戻った。

     
イワブクロ(タルマエソウ) (ゴマノハグサ科)   雌阿寒岳方面 
   
コヒオドシ(タテハチョウ科)とマルバダケブキ(キク科)     

 昨日「霧の摩周湖」を体験したが、今日は間違いなくすっきり晴れた摩周湖を見られると少し遠回りになるが、弟子屈に戻り、摩周湖へ急いだ。なかなか晴れの摩周湖は見ることができないそうで、村上さんも何回か来ているのに湖が見えたことがないとか。この日は空気も澄んで、素晴らしい摩周湖を見られた。湖の向うにはすり鉢と岩壁を見せる摩周岳はもちろん斜里岳もはっきりすがたを見せていた。
 この後一昨日の朝立ち寄った小清水原生花園に向かい、JRの同駅より国道244号を6km網走側に行ったパーキングスペース付近の花園を散策する。国道を海側に越えた砂丘にはエゾキスゲが丁度その夕べの花を咲き揃えたばかりで新鮮で清楚な黄色の花の原が一面に広がっている。

 網走はすぐそこで、一昨日泊まったホテルでは待ち構えていたのかまた受付のお嬢さんが笑顔で迎えてくれた。夜はまた街でまた北の海の幸を堪能した。(文 岡村)

 
摩周湖のパノラマ 中央やや右は摩周岳 中央やや左は斜里岳 
 
小清水原生花園のエゾキスげ(ユリ科) 夕方咲き出し
翌午後萎む1日花 
エゾキスゲの群生の中で   


コースタイム

国道241号滝口P 6:20/6:30 行動時間 8:50
雄阿寒岳登山口 6:45/6:55 歩行時間 7:10
1合目 休憩時間 1:40
2合目 7:50/7:55
3合目 8:45/8:50 GPS Geographica
4合目 9:10 測定点数 806
5合目手前 9:50/9:55 歩行距離 12.7km
5合目 10:10/10:15 累積登高 1,200m
6合目 10:20/10:30 累積下降 1,200m
8合目 11:00
雄阿寒岳山頂 11:15/11:50
8合目 12:10/12:15
6合目 12:30/12:35
5合目 12:50/12:55
3合目 13:45/13:50
雄阿寒岳登山口 15:10/15:15
国道241号滝口P 15:20


 
雄阿寒岳トラック地図 

参加者 会員4名(清水、岡村、白柳、村上)

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