濃越国境野伏ヶ岳の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

野伏ヶ岳(1674.3m) 

2013年3月16日(土)~17日(日)
 野伏ヶ岳(のぶせがたけ)は、岐阜県郡上市白鳥町と福井県大野市の境にある、標高1,674 mの山。両白山地の山で、日本三百名山及び岐阜百山に選定されている。野伏ヶ岳の東側には、石徹白川(いとしろ)川があり、その支流の推高(しったか)谷と小白山(こしろみ)谷の源流の山である。一般的な登山道がなく、豪雪地帯であり、春先の残雪期に登られる山である。岐阜県郡上
市上在所にある白山中居神社から、石徹白川の大進橋を西に渡ると、野伏ヶ岳方面への林道がある。この林道終点の標高1,050m付近までは、杉の植林地となっている。林道終点の先は和田ノ小池や池塘がある以前は和田山牧場だった平坦な場所がある。上部の山腹には、ブナ林が多い。山頂付近は、クマザサに覆われている。山頂には、三等三角点が設置されている。勿論、積雪期のみ登山可能の山ゆえ、三角点は確認できない。(wikipediaより)

3月16日(土)快晴
 午後、大阪からの3人の一行に菩提寺SAで合流、車に乗せてもらい、高鷲ICに向け出発する(14:30)。私の車は、SA近くのいつもの場所に止められず、やむなく、高速道路下のトンネル横の路肩に止めた。久しぶりの顔合わせに、お喋りをしながらの道中だ。あまりに熱が入ったため、翌日の弁当を買う予定だった多賀SAを通過してしまう。仕方なく、養老PAに寄るが気に入ったものがない。最後の長良川SAでやっと手に入る。車は順調に進み、予定時間に宿(カルビラいとしろ)に17:30頃につく。
 夕食後、談話室でまだ使用経験も少ない女性陣対象に清水さんから翌日使用する木製の立山ワカンジキ、(以下ワカン)について着用の方法などのレクチャーがあった。マンサクの木で作った輪は亜麻仁油で磨かれ褐色に染まってきれいだ。古来の紐一本で結ぶ方法の紹介もあったが意外に合理的で、しっかり結べるので面白い。
 入浴を済ませ、明日の時間を簡単に確認した後、早々に就眠した。私は、疲れていたせいかすぐに眠ってしまった。

3月17日(日)快晴
 6時前に起床、澄み切った空を背景に、朝日に赤く染まった野伏ヶ岳を写真におさめる。
 7:15前には宿を出、数km先の登山口、白山中居神社に行く。辺りにはすでに駐車スペースがなく、橋の先の路肩に駐車スペースを見つけ駐車する。今日はたくさんの登山客が来ているようだ。
 いつもよりは準備に時間がかかり、8時前の出発となる。すぐに雪道となる。雪はしまっており、つぼ足で進む。1時間くらい、杉林の中の林道を進む。途中、余り気をつけなかったせいか、ショートカットの稜線への分岐を過ぎてしまった。戻るのもシャクで、少し行った所でトレースを見つけ、林道からはずれる。
 急斜面を登り、10分程で稜線に出た。ここからはしばらくで、和田牧場跡に出る。正面にこれから登る野伏ヶ岳が、目にも鮮やかな白い姿を見せてくれる。やや右には、三ノ峰から別山の稜線が見える。牧場跡のくぼ地に、昨日に設営されたであろう数張りのテントが見え、若い人(高校生?、大学生?)がいて賑やかそうだ。

     
 宿から見た野伏ヶ岳の朝焼け    白山中居神社近くの林道から出発 積雪1-1.5mほど
     
 長い曲がりくねった林道を行く    和田牧場跡から見上げる野伏ヶ岳 ここからの標高差約600m

   しばし休憩の後、平坦なところをしばらく進む。雪山訓練の若い一行を横目に、ダイレクト尾根の稜線へのブナ林の急坂を登る。時々深い雪に足をとられながらも、やっとのことで稜線上に出た。ここでも、団体の一行に出会う。山スキーのメッカであるが、スキーを担ぐ人が少ない。見通しの良い尾根上には、急坂の向こうに山頂が見える。結構な勾配だ。11時過ぎ、清水さんの一声で昼食タイムになる。山頂でのお昼願望もむなしく、早い昼食になった。おいしいコーヒーを味わい、ここからはワカンを装着する。
 
好天で雪が緩んでいて、結構歩きづらい。高度を上げるにつれ、視界が広がり、白い山々が見通せるようになる。先を行く人、下りて来る人、いずれもスノーシューやワカンでなくアイゼンを着けた人のほうが多い。スキーで滑り下りてくる人も多くなる。私は、3人を尻目に、一気に山頂に着いた。山頂で待つこと25分あまり、冷えきった体で3人を迎え、コーヒの準備をする。体が温まり、記念撮影、360度のパノラマ写真を済ませる。全て白銀の山々である。目と鼻の先の白山~別山は高く、手前の薙刀(なぎなた)山の東面には緩やかな気持ちいい斜面が広がっている。北アルプスの立山、槍、穂高が峰を連ねさらに乗鞍、御岳、、大日ヶ岳が指呼できる。南から西には荒島岳、経ヶ岳~赤兎~大長山、加賀大日がぐるりと取り巻いている。目の前に広がる素晴らしい眺望に感激する。遠くに秀麗な形の恵那山が独立峰として見える。

     
 野伏ヶ岳山頂から北、白山、別山、、手前は薙刀山    北東の展望 立山、槍、穂高等が望める
手前の左は丸山、右は芦倉山
     
 北東の展望 槍、穂高そして右端は乗鞍    南の展望 遠方中に能郷白山、右の鋭鋒は荒島岳

 山頂に滞在すること55分あまり、十分楽しんだ後、下山を始める。同行の清水さんは、担ぎ上げたスキーで降る。しかし8-9合目間の尾根は狭く急傾斜なため、ターンも楽でない。前回は時間をかけて小さなターンを繰り返して下ったそうだが、ワカンより時間がかかると今回は担いで降り、8合目から滑降に入りスイスイと進み、要所要所で待っていてくれる。
 残りの3人は、急坂に気をつけながら、時に尻スキーを楽しみながら下りる。 雪路を下る要領も心得てきたようだ。稜線分岐まで約40分、下りは登りとは違ったスキー跡をトレースして降り、大周りして先着していた清水さんと合流して、牧場跡に着く。 ここまで山頂から1時間30分。ここで最後の休憩を取り、残ったお菓子や果物を分け合う。
 ここからは10名程の若いパーティの後について、ショートカットコースを直進する。約20分で林道に出、更に2度ほど林道から離れ、踏み跡をたどる。牧場跡から1時間弱で、車に到着する。清水さんは、スキーで林道をたどり我々3人を待っていてくれた。スパッツをはずし、道具を片付け、帰宅の途についた。道端に止めてあった車のほとんどはすでになかった。登山者、恐らく60~70名は大満足の中を引き上げたのであろう。
 帰途途中、高鷲IC~白鳥IC、一宮JCT、八日市~栗東間で渋滞があった。 私は、菩提寺SAで別れ、自宅には20:00前には着いた。
 雲ひとつない素晴らしい快晴の中、十分すぎるほどの雪山経験であった。皆様。お疲れ様でした。 (南井)

     
 ダイレクト尾根下部を滑る  和田牧場から中央、三ノ峰と右、別山

 草池で東海地区の若者達20~30名近くが春山(雪山)訓練で幕営していたが、確かに和田牧場跡や草池辺は冬用のテントを張り、雪山登高や雪上訓練そして幕営技術の訓練に最適な場所と思える。気持ちよく開けていて、アクセスも容易であり、天気さえよければ2泊3日くらいしたい所である。
 また野伏ヶ岳の北隣の薙刀山の東面には木立も少ない緩やかな斜面の台地が発達していて、一日中、山スキーで滑っても飽きない気もする。(清水信)


参加者 会員4
(清水信、白柳、村上、南井)

コースタイム

3月16日(土) 3月17日(日)    まとめ
川西 12:30 カルゥ゙イラいとしろ  7:15       
池田 13:10 白山中居神社、橋(470m)  7:30/7:55    所要時間 7:45
千里中央 13:45 和田牧場跡(1100m)  9:30/9:40    休憩時間 1:50
吹田IC 8:30/8:40 大アセ池西端(1100m)   10:00    歩行時間 5:55
菩提寺PA 14:35 ダイレクト尾根(1200m)  10:25/10:35    歩行距離 14:78km
高鷲IC 16:50 ダイレクト尾根(1380m)昼食 11:05/11:30    累積登高 1492m
カルゥ゙イラいとしろ 17:30 野伏ヶ岳頂上  12:30/13:00  
ダイレクト尾根(1200m)   13:35  
ダイレクト尾根(1140m)    13:55   
大アセ池西端(1100m)     14:05   
和田牧場跡(1100m)   14:25/14:50   
林道(1000m)  15:00   
白山中居神社、橋(470m)  15:40/15:55  
高鷲IC ( 渋滞2個所計25km) 16:30   
菩提寺PA (渋滞1個所2km) 19:15/19:20   
      大津SA(夕食)  19:50/20:20       
      中国豊中IC  21:05       
      池田  21:20       
      川西  22:00       

 
                      野伏ヶ岳トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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