飛騨 籾糠山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

飛騨 籾糠山(もみぬかやま 1744.2m)山行記録

2016年10月10日(日) 曇り後晴れ
 5時30分前には起床した。テントではほとんど寒さはなかった。テントをたたみ車に積み込む。昨日の野菜の残り、果物、鍋で朝食を済ませる。後始末を済ませ出発は7:15になった。
 24㎞先の天生峠に向かう。途中の道はガスがかかり、上のほうでは視界が悪くなった。峠には大きな駐車場があり、登山口では自然保護員が陣取っている。ちょうど1時間の行程だった。
 身支度を済ませ、一人当たり協力金500円を支払い、天生湿原の案内パンフを受け取り、緩やかな登山道を進む。入口は植物の持ち込みを防ぐ準備が怠りなくされていた。あたりはガスがかかり、肌寒い。足元に花はなく、赤い実がついた蔓状の植物、ツルリンドウが這っている。早々にキノコが出てくる。穏やかな登りを進む。紅葉にはまだのようである。左手の斜面に沿った形でさらに進み、沢に下り登り返してしばらくで天生湿原口に着く。
 動物除けのゲートを開け、左手の木道東回りを進む。湿原は、茶~橙に枯れている。時折、ナナカマドの赤い葉や実が目を引く。緑のコケが鮮やかである。花の時期であればあれば、ニッコウキスゲ、ヒメシャクナゲ、ホロムイソウ、ミズバショウ、モウセンゴケ、リュウキンカ、ワタスゲが楽しめる。ガスがかかり、結構雰囲気が出ている。幻想的ですらある。西回りと合流し湿原はしばらくで終わる。

   
朝のひらせ温泉キャンプ場    天生峠駐車場 
     
天生湿原     

 湿地を抜け、渓流を抜けるとカラ谷分岐に着く。ブナ探勝路と書かれ、その下にミズバショウ群生地、ブナの巨木と書かれている。ブナ探勝路の方向に進む。枯れた沢を横切ると、ガスがかかった中にブナの巨木が立ち並ぶ、1人では抱えきれない見上げるような大木が林立する。
 そしてしばらくでミズバショウ群生地と書いた表示が出てくる分岐が出てくる。案内通り進み、3分ほどで湿原に着く。今の時期、枯草の何の変哲もない湿地である。看板に最盛期の花の写真が掲示されている。5月の雪解けの時期だそうだ。
 分岐に戻り本道に入る。相変わらず見上げる大木が続く。そのうち、トチノキの巨木が現れる。特徴的な葉っぱで、幹回りは一段と太い。ガスのかかった幻想的な気配である。しばらくで急な登りにでるが、道はすべて整備され、丸太で階段状になっている。登りきれば、大木や低木の樹林帯が続く。おなじみのナメコも出てくるが、多くは名前を知らない、初めて見るキノコが出てくる。

   
カツラの巨木    ブナの巨木 
     
3コース(ブナ探勝路、カラ谷(カツラ門)、木平探勝路)
の分岐 
  倒木に生えたナメコ 

 籾糠分岐(1620m)に近ずくと針葉樹林帯に変わり始める、オオシラビソの原生林の始まりだ。5~6分で分岐に出る。小休止をとる。このあたりから、ガスが薄くなり、空も明るく見える。オオシラビソの原生林は続く。しばらくは緩やかな道だが、急坂になる。緑のオオシラビソに白い幹のダケカンバが少し混じる。最後に急な坂が出てくる。
 山頂間近で木々の間から光が拡散する。雲が途切れ、日光が輝きを増し、梢から漏れ出ている。素晴らしい一瞬だった。しばらくシャッターを押し続ける。登り切った先が山頂になる。狭い空間で、山頂表示もこじんまりとしていて、撮影の邪魔になってしまう。
 山頂からの眺望は、南南東から北東にかけ展望が広がっている。その反対は猿ヶ馬場山がすぐ目の前に見え、白山は陰になっている。東方向は、一面の雲海でその上に山の上部が出ている。南南東から、御嶽山、次に乗鞍岳、さらに東にかけ、穂高連峰、笠ヶ岳、槍ヶ岳、薬師岳、立山そして劔岳と北アルプスが続く。空は晴れ渡り、眺望を楽しむことができた。
 

 
籾糠分岐    頂上手前でガスが晴れ、光彩が射す 
     
ガスの上に来たアルプスの峰々が見える    籾糠山山頂で 


 昼食、リンゴやブドウの果物、コーヒーを楽しみ、一時間ほどを過ごした。帰りは籾糠分岐まで30分、右手の木平方向に進む。急な坂の階段を下る。このあたり相変わらずガスがかかる。木々も巨木である。ブナが多い。
 下り切ったところで、カラ谷登山道と木平探勝路の木平分岐になるが、当初の予定の木平探勝路(ほぼ直進)を間違って、左手に曲り、カラ谷登山道にはいった。左手が沢筋で沿った形の下山道になる。
 沢沿いの道は、サワグルミが多く、こちらもずいぶんと大きな木である。数も多い。苔むした木々は相変わらずで、やがてカツラの巨木群に出る。この時期、色づき始めたカツラの葉の根本付近に分泌腺があり、ここから甘い香りの樹液が出る。あたりは甘い香りがたち込め、香りの道と呼ばれている。巨木で苔むし、かなりの古木である。
 しばらくでカツラ門に出る。巨木2本の間が門のようで以前はこの間を路が通っていたが今は落枝の危険を防止するため、縄張りして迂回するようになっている。保護観察員から先の甘い香りの話と、昔はカツラの木は普通の人は切ることができないやんごとなき木だったとの話を聞いた。別れを告げ、さらに先を進む。カツラの木はなおも続く。ブナの木も結構出てくる。紅葉にはまだまだ時間がかかりそうである。
 やがて、大きなカツラが現れると朝別れたカラ谷分岐に出る。ここからは同じ道を戻り、天生湿原口から、木道西回りを戻る。30分弱で、駐車場のある峠に戻った。駐車場脇にある靴の洗い場で泥を落とし、テントで出ていたお土産(物産)を購入した。
 
 白川郷に戻り、途中の城山から合掌造りを一望し、混雑した道をやっとのことでICに入り帰宅の途についた。途中、ひるがの高原SAで長い長い渋滞、その後は何とか進むことができた。不順な天気の続く10月の毎日であったが、遠征は幸いにも雨にあうこともなく、山頂では晴れ間が出てまずまずの恵まれた北陸遠征であった。(南井) (写真 清水)

   
カラ谷、カツラの門 この巨木2本(門)の間の道は今は
閉鎖され回り道する
  白川郷合掌造り集落を展望台から見下ろす 

コースタイム

ひらせ温泉キャンプ場 7:15
白川郷荻町 7:30
天生峠 8:05/8:15 所要時間 5:25
天生湿原北分岐 8:45 歩行時間 4:10
木道東回り 休憩時間 1:15
湿原南分岐 8:55 歩行距離 9.85m
カラ谷分岐 9:00 累積登高 1,042m
ブナ探勝路 累積下降 1,042m
ミズバショウ群生地 9:15
籾糠分岐 10:20
籾糠山 10:50/11:50
籾糠分岐 12:10
木平分岐 12:20
カラ谷登山道
カツラ巨木群、カツラ門 12:45/12:50
カラ谷分岐 13:00
湿原南分岐 13:05/13:15
木道西回り
天生湿原北分岐 13:20
天生峠 13:40/14:05
白川郷展望台 14:35/14:40
白川郷荻町 14:50
白川郷IC 15:15
ひるがの高原SA 16:00
関SA 18:05/18:20
養老SA 19:10/20:00
中国豊中IC 21:50
蛍池駅 22:00


 
籾糠山トラック地図 

参加者    会員6名(南井、岡村、清水、白柳、村上、和田) その他1名(花岡) 計7名


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