みちのく山脈 三石山(個人B)山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

みちのく山脈 三ツ石山(みついしさん 1446m)

10月4日(水) 晴れ

 この夏から続く猛烈な暑さに辟易して、ひと息早い秋をと言うことで、みちのく山脈主稜の紅葉を訪ねることを思い立った。その中でも裏岩手山の三ツ石山周辺が、素晴らしい紅葉に染まることを知ったのは、わりに最近のことだった。 それほど昔からとは思えないが地元岩手県はもちろん、東北地方ではよく知られたことらしい。空港の上部壁の大きなディスプレイや旅行誌の見返しには岩手山をバックにして高原状の山肌が一面真っ赤なに染まっている写真が載せられている。

 10月4日 (水)晴れ

 前日八幡平での軽い歩きをして、三ツ石山の登山のベース、松川温泉の松川荘に泊まる。 

 旅館は2軒しかないが、地熱発電所があり、道が混み合って分かりにくい。登山口も源太ヶ岳コース、三ツ石山荘コース、そして松川大橋:・三ツ石山荘コースそれぞれにあってややこしい。明るいうちに確かめておこうと、宿の女将によく聞いて、実地に見ておいた。

 旅館の朝食は7時かららしいが、頑張ってくれて7時10分前に用意してくれた。出発は7時15分。15kmのロングコースで写真さつえいも多いと思われるので、せわしい時刻となった。

 登山者用の駐車場は3ヶ所ほどあり、40-50台は駐車できる。シーズンということで駐車場案内員が2名いた。トイレも1ヶ所ある。平日にも関わらずすでに7、8割埋まっていた。そして次々に車が到着していた。

 八幡平樹海ラインの屈曲点の脇に登山口がある。標識も付けられている。以降ずっと地元との人たちによって手入れされた路で、大深山主稜線まで迷ったり、悪路で苦労するようなことはない。順調に路ははかどり、標高が1150mを越えるあたりから勾配が増してくる。すぐに塩ピバイブから水が吹き出している水場に着く。冷たく、うまい。標高1200mを超えたところだ。

 
松川温泉松川荘   八幡平樹海ラインの急な曲がりの脇の源太ヶ岳への登山口

 33年前に私が泊まった頃とは違って、きれいな小屋となっていると言う大深山荘への巻き路の分岐を過ぎてさらに行くと、森から抜け出て右前に源太ヶ岳の斜面が見通せるようになる。約標高差150m’ジグザグに路が付いている。この登りが今日前半の山だが、疲れも出る前なので着実に登り、源太ヶ岳の東の先端に着く。

 左手には大深岳から一旦下がり、その後小畚(こもっこ)山が立ち上がり、その後三ツ石山までさしたる起伏もなく続いているみちのく山脈の主稜線が目の前に現れる。その左には岩手山がそびえている。右側には八幡平から源太森へと水平に伸びる稜線が特徴的だ。

 小畚山の北斜面と大深岳への稜線は橙色に染まっていて、紅葉が始まっていることが分かった。手前の湯の沢へ落ち込む源太ヶ岳や小畚山山の斜面は白く笹原が光り、まばらに生えているオオシラビソの点描が見事なアクセントになっている。

 源太ヶ岳からの大深山荘への分岐点、そして大深岳へは楽に通り過ぎる。

 
源太ヶ岳を北に巻く実との分岐    オヤマノリンドウ 
 
源太ヶ岳(1545m)の山頂 この日の最高地点    源太ヶ岳から小畚山、三ツ石山などの主稜線を望む
奥は烏帽子岳、秋田駒ヶ岳 
 
 北の八幡平方面の展望 八幡平山頂、源太森が望める   大深岳(1541m)山頂

 大深ヶ岳からは木立はなく、路も展望もよく紅葉の稜線を多数写真撮影しながら進む。ナナカマドはほとんどなく、ミネカエデが紅葉の主体となっている。真っ赤とは言えないまでも、かなり赤い色に染まったところもある。

 小畚山(1467m)山頂は360度の展望が得られ、岩手山、烏帽子岳、秋田駒ヶ岳、森吉山などを望めた。

 
大深岳付近から源太ヶ岳を望む 右に松川温泉の噴気   大深岳付近から小畚山と三ツ石山を見る 紅葉が進んでいる
 
小畚山の北斜面   小畚山のの登りから見た大深岳から源太ヶ岳への稜線
 
大深岳~小畚山の稜線   小畚山の山頂

 ここから途中に1448mピークや三ツ沼を経て三ツ石山へ向かう。遠くに見えた三ツ石山山頂のメサのような岩頭が徐々に近づいてクローズアップされてくるのが面白い。そのメサを囲む紅葉の岡も視界きいっぱいに広がってくる。メサの大岩は近づくと西を向いた象アザラシの頭によく似ている。

 岩の写真を撮り終えてから、岩の上に登り、ひと休みする。ここからも周りの一面の紅葉を撮影する。

 今年は暑さが長引いたので、例年の時期より、1週間近く遅らしたつもりだったが、もう数日後の方がよかったかもしれない。土地の人たちは、紅葉はこれ以上赤くなることなく、このまま褐色になってしまうだろうと言っていた。とにかく今年の酷暑は紅葉にも変調をもたらしたようだ。

 
小畚山から三ツ石山への稜線    小畚山~三ツ石山への稜線から岩手山を望む 
 
三ツ石山の北面    山頂の岩がまるで西部劇のメサのようだ 
 
三井山山頂のおおきな岩塊    三ツ石山山頂から見た北方の展望 源太ヶ岳、そしてその
奥に源太森が見える 
 
三ツ石山山頂から岩手山を望む 岩手県の宣伝によく使われる
景色 
   三ツ石山から三ツ石山荘へ下る

 三ツ石山からは三ツ石山荘へ真っ直ぐ下る。山荘は三ツ石山と大松倉山のコルに建っている。広く立派なものだ。そばに小さな湿原がある。1990年7月に岩手山から八幡平にひとりでテント背負って縦走した時より見た小屋はずっと小さく、崩れかけていた。

 
三ツ石山荘へ下る

  三ツ石山荘からは松川温泉へ真っ直ぐ下る。

 行程の3分の2はほとんど傾斜がなく、少しも下って行かない。かえって路に水が溜まりやすく、黒いぬかるみを切なく通ることになる。残り3分の1で下り始め、特に松川温泉直前から急な丸太の階段を嫌々下りて、松川荘の脇に出た。この下りの2時間が最も疲れた。

 
松川温泉の下り到着店、そして三ツ石山荘への登山口 


 1990年の逆向きの縦走では、何にも感じなかったが、今回は紅葉の時期だったためか、主稜線が実に美しく、楽しいものだと認識し直した。

 この後、翌日の岩手山登山のため、岩手山焼走り国際交流村のキャビンへ向かったが。翌5日は曇りと雨、荒れ模様ということで、県北部の一戸町の世界遺産、縄文遺跡群の見学に切り替えざるを得なくなってしまった。  (文 清水)

コースタイム

松川温泉松川荘830m 7:15 出発~帰着までの時間 8:30
登山口870m 7:30 歩行時間 7:40
1000m 7:55/8:00 休憩時間 0:50
1146mピーク 8:30 歩行距離 14.64km
水場1205m 8:40/8:45 累積登高、下降 1132m
1400m 9:25/9:30 測定点数 457
源太ヶ岳1545m 10:05 測定計器 スマホ
大深山荘方面分岐1530m 10:20 ソフト ジオグラフィカ
大深山1541.4m 10:30
コル1335m 11:05
1410m 11:05/11:10
小畚山1467m 11:45
1466mピーク 12:10
1410m 12:45/12:50
三ツ石山1466m 13:05/13:20
三ツ石山荘1281m 13:50/14:00
松川大橋方面分岐1175m 14:55
松川温泉松川荘830m 15:45


三石山トラック地図


参加者    会員1名(清水)

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