紅葉の栗駒山の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

紅葉の栗駒山

2012年10月8日(月)−9日(火)

 今回の山行は会の例会として企画したものの、皆の都合がつかず、日程も変更して個人山行となった。レンタカーそして泊まりはテントと当日の午後の予約の宿という勝手気ままな一人旅である。
 東北一の紅葉の地、栗駒山の他、八甲田山や焼石連峰の駒ヶ岳に登ることができた。
 花巻空港〜栗駒山〜津軽半島、竜飛崎、金木〜夏油温泉〜駒ヶ岳〜気仙沼〜花巻空港の行程である。車で1400kmを走った。

 10月8日(月) 晴れ
 飛行機の窓から穂高岳が見え、気になる涸沢カールの紅葉も遠目にもいいように思えた。他では飯豊山の稜線がきれいに紅葉していた。
 花巻空港でレンタカーを借り、東北道道に入り、,北上・江釣子ICで高速を出て、ネットで調べたおいた近くのアウトドア店に寄り、ガスボンベを買い入れた。再び高速で一関IC経由、国道342号を走って栗駒山へ向う。標高も上がりブナ林の中にはいると名水「ぶなの恵み」があり、ここで10Lポリタンクに冷たい水を満たした。
 須川温泉の手前5km位から渋滞が始まった。東北一の紅葉の名所で、3連休の最終日とあって、県内や宮城県の車が押しかけていて、温泉の駐車場が一杯になっているためである。1時間半余りのろのろ走ってやっと須川温泉の駐車場に着いた。須川高原温泉旅館は赤い屋根白壁の2階建て建屋が10棟近くある。1995年6月に宮城側から登り、この温泉に降りてきた時よりずっと大きくなっている。
 駐車場に接してビジターセンターがあり、その後の小高い丘のテントサイトには板敷きの台が6基あって、この上に泥で汚れることなくテントを張れる。近くの管理舎のおじさんに1泊の料金200円を払いながら聞くと、今年の紅葉は2週間遅れ、しかもこの日の朝霜か降り、色が今ひとつと言う。
 早めの夕食として、その後須川高原温泉旅館の脇の登山道を登って付近の夕景色を見て周ってみた。夕陽に赤く染まった西の空に鳥海山がそのきれいな三角形のシルエットを見せていた。
 テントに戻ってからは早めに就寝した。
 夜22時過ぎ起きて外を見ると東の空にスバルが見えた。そしてその左下には明るい星が光っていた。恒星とは違うので木星かなと思って帰ってから確認するとやはりそうであった。天の川が天球を東から、西へと渡っていて、白鳥座の大十字、そして明るい琴座のベガ(織女()とそれより暗い鷲座のアルタイル(彦星)を見ることができた。このカメラでスバルや木星等を撮った。こんな時は小さくとも持ってきた三脚が役に立つ。

   
             須川高原温泉旅館と栗駒山             すばる(昴)星 ISO1600、(200mmF5.6レンズ、開放10秒露出)

 10月9日(火) 晴れ
 寒さを感じて時々シュラフの口を絞ったり、重ね着したりしてうつらうつらしながらサブザックに付けた温度計を見ると3℃、寒いはずだ。冬用のシュラフとしたのでカイロを持参しなかったのは楽観的過ぎた。
、3時過ぎ、外を見ると東の空にこの日下弦の月が明るい。そしてその右下にシリウスが輝いている。月の右にはおなじみのオリオン座が左に傾いてた。
 4時半に起床して早い朝食を取り、まだ薄暗い5時20分にテントを出て、昨日散策した登山道を栗駒山山頂へ向う。ヘッドランプを消しても歩ける程度の明るさとなり、東の空が朱色になっている。しかしご来光はかなり南側になっていて栗駒山から東へ伸びた稜線に隠れて見えそうにない。さらに行くと湯気を吐いている岩場があり、その向うに湿原、名残ヶ原が広がっていいる。この原の木道を通り過ぎるとゼッタ沢に沿った登りとなるが、傾斜は緩い。途中大きな噴気孔の跡が見えたりして、やがて青白色の水をたたえる昭和湖に着く。昭和19年に爆発してできた火口湖である。栗駒山は宮城側は緑の円錐型の穏やかな山に見えるが、岩手側は活火山としての姿を今も見せている。湖の対岸は土剥きだしの斜面や岩場となっている。、
 この先路の左に頂上から須川温泉へと広がる斜面の紅葉が鮮やかになってくる。このコース、須川コースも帰路の産沼コースも背丈を越える喬木というものはなく、林の中を歩くこともない。樹木は精々背丈程度の潅木ばかりである。

   
                 昭和湖                        稜線手前の登山路から見た山頂下の斜面の紅葉

 さしたることなくハイマツの中の路を登りきり、県境稜線に出る。天狗平という標識が立っている。西へ稜線をたどると秣岳へ行けるが、ここは東に栗駒山山頂へ向う。ハウチワカエデ、ナナカマドそしてドウダンツツジの紅葉がきれいな稜線だ。西から北への展望が開け、真西に鳥海山も見える。写真を撮りながら山頂に着いた。
 この山頂は1995年6月、そして2002年4月の山スキー以来、三度目となる。

   
       山頂付近から西方の展望、右上に鳥海山              山頂から宮城県側の斜面を見下ろす

 少し遅れて宮城側いわかがみ平から数名が登ってきた。宮城側の斜面には笹原が広がっていて、葉が陽を反射して白く光ってまぶしい。 風がその白い波を揺らしている。
 パンで軽く腹を満たし、産沼コースを下る。右下には丘のような笊森(ザルモリ)と避難小屋が見えた。
 少し下ると一面紅葉の斜面の中を下るようになる。この辺が最も栗駒の紅葉のいいところらしい。確かに赤と言っても、澄んだきれいな赤ではない。霜で多少褐色がかっているように思える。しかし贅沢言わず、心地よく緩やかな路を下る。

   
        産沼コース上部から東北側斜面、右は笊森             産沼コースから見た栗駒山

 須川温泉-栗駒山の標識と産沼の標識のあるところへ着いたが、沼が見えない。右に水平な路があるのでそちらかと思って200mほど行くが、沢や湿はあるものの沼はなく引き返した。なんのことはない、沼は標識よりも須川へ10mほど下がった左にあった。
 産沼から路は西へ向かい、"三途の川"を渡りさらに行って須川コースに合流する。産沼コースは須川コースに比べこの横がけの1.5km分長い。
 須川温泉帰着9時35分、誰よりも早く降りて来た。
 土産物を見たり、テントを乾かしたりしてから出発した。須川湖の先の深さ3mばかり泥炭層の断面が露出した泥炭地とそこに生えるシラタマノキの群生を見るため少し歩いたり、深い峡谷の岩壁や底から蒸気を噴出している子安峡に寄ったりして、湯沢市の須川ICから湯沢道、秋田道をを通って能代東IC経由大館に出て、ビジネスホテルに泊まった。
 東北道そして酸ヶ湯まで行き、そこのキャンプ場に泊まる予定だったが、着くのが17時半近くとなり、暗い中テントを設営するのも嫌で、安易なホテル選択となってしまった。

参加者 清水 

コースタイム

10月8日(月)     9日(火)  
 伊丹空港  08:00/08:45     須川温泉  116  05:25
 花巻空港  0km  10:00/10:25    昭和湖    06:10
 花巻空港IC   10:45    天狗平  06:55
 北上・江釣子IC  11:00    栗駒山頂  07:15/7:45
 北上    11:10/11:20    産沼  08:25/08:40
 北上・江釣子IC  11:30    コース分岐  09:25
 一関  11:40    須川温泉    10:25
 須川温泉 116  14:20    泥炭地  10:35/10:50
 キャンプサイト    14:30    子安峡    10:55
         須川IC     11:15 
       能代東IC    12:00 
         大館  380   16:10

歩行距離 10月9日 須川温泉〜栗駒山頂〜産沼〜須川温泉 9.47km、
累積標高 698m


  
                         栗駒山トラック地図
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。
         
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