金剛山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

金剛山(1,125m) 

2018年4月22日(日)
 実に19年ぶりの金剛山になった。(注 会としては2012年7月以来です。) 
 コースは寺谷の谷を登り、山頂周辺を散策後、細尾谷から下山した。下山は沢中の道であり、昨年の台風の影響が見られた。山頂広場ではイベントが開催されたこともあって、子供連れの家族も目立ち賑わっていた。
1つの目標であった、サイゴクサバノオは残念ながら確認できなかった。代わりにトオゴクサバノオを見ることができた。カタクリ、エドヒガンザクラ、タムシバ、カタバミ、スミレ、シロバナネコノメソウなど多くの花と、サクラの枝にとまったヒガラを見ることができ、6月下旬を思わせる気温の中、気持ちの良い汗をかいた。後日、リーダーが金剛山を再訪し、苦労の末にサイゴクサバノオを確認した。

  守山駅から、待ち合わせの河内長野駅まで2回乗り換えた。到着はバス時間の30分前、1時間45分足らずで、結構早く着いた。
 金剛山登山口に行くバス停には長い列ができていたが、予定のバスは次発で、余裕をもって坐ることができた。人気の山らしく、乗れない登山客のため、臨時のバスが出た。登山口のある金剛山ロープウエイ駅百ヶ辻バス停
までは40分の所要時間である。駅を出発してしばらくで、田舎の雰囲気になる。
 百ヶ辻バス停周辺にはいくつか駐車場があり、いずれも車でいっぱいだった。支度を整え出発する。
 舗装道を川に沿って歩く。杉林の林道はひんやりとして気持ちが良い。
 文殊尾根への登山口をやり過ごし、寺谷コースの階段状の急な坂を登り始める。たくさんだった登山客もそれぞれ違った登山道に分散し、程よい具合になった。スギ林の結構急な道を進む。スギや広葉樹の落葉の道を進むと、ヤマルリソウが現れる。その後、多くはないがミヤマカタバミやシロバナネコノメソウも足元に出てくる。花をつけたミヤコカンアオイは撮影に欠かせない。

 やがて谷筋の道に出て、時々は日あたりの良い場所が現れる。比較的平らなところでは、シロバナネコノメソウやコガネネコノメソウの群生があり、白と黄色が入り混じる。ニリンソウも楽しめる。めいめいが花を確認、写真を撮りながらおしゃべりが続く。登りだしてすぐに下山してきた人が言っていたヒトリシズカも見つかった。
スマホで花を確認しながらサイゴクサバノオを探すが、見つからない。そんな中で、黄色のトウゴクサバノオが見つかる。

   
ヤマルリソウ(ムラサキ科)    トウゴクサバノオ(キンポウゲ科) 
   
モミジガサ(キク科) シドケとも言いおいしい山菜    

      谷筋の道は雰囲気が良く、水もそこそこ流れて、気持ちの良い歩きが続く。他の登山客もほぼ同じようなペースで歩き、絶えることなく続く。子供も多いが、高齢者が何と言っても中心だ。花を見ながらゆったりとしたペースで登山を楽しんでいる。その後も今にも開きそうなクリンソウ、明るい谷筋ではイチリンソウの群落、タチツボスミレのウス紫も綺麗だ。シロバナネコノメソウの群落がある寺谷940m地点で腰を下ろす。御菓子をいただきながら汗をぬぐう。日あたりの良い、イチリンソウが咲いた、沢沿いの休憩にピッタリの場所だった。

   
シロバナネコノメソウ(ネコノメソウ科)     タチツボスミレ(スミレ科)
 
ニリンソウ(キンポウゲ科)    イチリンソウ(キンポウゲ科)  

 5分の休憩の後、最後の急坂を登りきれば文殊岩とロープウエイに別れる稜線に出る。クマザサがあたり一面になった場所だが、落葉広葉樹林帯で明るい。まずは左手の文殊岩屋に立ち寄り、お詣りをする。その後、少し先に進み、稜線上の道に出て、戻るような格好で右手に登る。すぐに尾根筋を離れ、やや細いササの中の道を迂回する格好で進む。目の前にタムシバの大きな木が現れ、足元にカタクリの群生地に出る。適期は少し過ぎているようだが、まだまだ十分に鑑賞できる。腹這いになって撮影する。

 撮影終了後、ササの道を少し登って尾根筋の道に出る。北向きの道を20分弱進めば山頂広場一帯である。サクラが残った転法輪寺に参拝する。登山記帳場が設けられ、手続きをする人も多い。登山回数がまとめられた掲示板も設置されている。回数ごとにかなり詳しく記載されている。MAX10,000回で、その数累積1000人近くになっている。以前は1日何回も登り、都度、登録できたらしい。現在は1/日だそうだ。何事にも凝りだすと、どうにも止まらないっといったところだろうか。池のそばのイチリンソウ群落にも注目だ。

   
文殊岩屋    カタクリ(ユリ科)
 
カタクリ(ユリ科)    転法輪寺前で サクラがきれい 
   
金剛山最高峰のある葛木神社 三角点は後ろの
神域にあり、立ち入り禁止 
  正午に撮影、発信されるNET用写真カメラの前に
転法輪寺北の広場に多くの人が集まる 

 山頂広場はちょうど12:00、イベントの会場の一つでNETの写真撮影の時間だった。山頂からは、春霞の中で市街地が眺望できる。広場にはこれから咲く金剛ザクラがどんと居座っている。お昼の間に、何輪かが開花した。薄黄緑のサクラだそうで、山頂広場の名物になっている。その周りで、お昼時間を過ごす人がいっぱいである。我々のグループも楽しいひと時を過ごした。皆が持参した果物やおやつを楽しんだ。
 ゆっくりとお昼を過ごした後、最高点のある葛木神社に向かう。ヒガラがサクラの枝でせわしげだ。

 もう一つのイベント会場のある「ちはや園地」に向かう。35分ほどの行程になる。ロープウエイ駅横の散策道を歩く。表示に書いてあるほどの花には出会えなかった。ミツバツツジが美しい。新緑も眩い。やっと着いた「ちはや園地」は期待外れで、展望所から早々に戻ることにした。新緑の山の景色を眺め、帰りはシャクナゲやカタクリ、スミレなど花の多い道を戻      る。「ちはや星と自然のミュージアム」横の散策路、「らくらくの道」からカタクリの道を行く。表示板には花の見どころが書いてある。写真を撮りながら、花を楽しみながらあれやこれやと賑やかに歩く。

 散策路も終わりの展望台のところから少し下れば、ゴンドラ駅の先の元来た道に戻る。
 下りは細尾谷を下る。表示はないが、しっかりとした踏み跡がある。しばらく進むと、谷筋に出て、もう一つの支尾根風の道が合流する。こちらはあまり歩いた様子はなく、途中でここに下る分岐を気をつけていたが結局分からなかった。この谷筋からは、沢の中の道である。そこそこ水が流れ、ごろごろ岩を踏みながらの下りになる。昨年の台風の影響で沢が荒れ、通行禁止の表示板が残ったままになっている。こちらの谷筋を選んだ理由の一つは、登りでは見つからなかったサイゴクサバノオのためだった。しかし、沢傍も切り立って、花があるような所ではない。写真を撮るようなところもなく、おかげで快調に下ることができる。とはいえ、沢中の道、気を抜けない。足元の濡れも気になるところである。谷分岐から、舗装道の登山口まで
40分ほどであったが、沢の中の道で長く感じた。
 登山口には、滝があって良い雰囲気が出ている。登りに使った文殊尾根への道を通り過ぎ、
15分ほどでバス停に戻った。あまり待つことなくバスに乗車でき、河内長野駅に戻ることができた。参加者それぞれは、途中の駅で別れを告げた。私もその後、乗り継ぎがうまくいき、早めに帰ることができた。花に出会えた充実の登山だった。

リーダーを務めてくれたOさんが後日、改めて金剛山を訪問、サイゴクサバノオを見つけた。Oさんの撮影した写真を掲載する。(文 南井)

     
カトラ谷のサイゴクサバノオ(キンポウゲ科)
 4月30日 
  カトラ谷のニリンソウ(キンポウゲ科)大群落
 4月30日  

 参加者:会員 岡村、清水、白柳、南井、村上、山岡 計6名


コースタイム

南海河内長野駅 8:53/9:00
金剛山ロープウェー駅バス停百ヶ辻 9:40/9:50
寺谷、伏見峠分岐 10:07
寺谷940m地点 11:00:/11:05
文殊岩屋 11:25 所要時間 5:45
カタクリ群生地 11:38
転法輪寺 11:55 歩行時間
広場 12:00/12:48 休憩時間(草花鑑賞) 0:50
葛木神社、(最高点1125m) 13:05 測定機器 スマホ
ロープウェー山頂駅 13:35 ソフト ジオグラフィカ
ちはや園地 13:40 測定点数 552
香楠荘 13:53 歩行距離 9.06km
ラクラク路、カタクリ群生地、 14:05 累積登高 660m
ロープウェー山頂駅駅 14:00 累積下降 660m
細尾谷入口 14:40
細織谷1030m地点 14:45
840m地点(伏見峠への細い路あり) 15:10
伏見峠への林道分岐点 15:20
文殊尾根路分岐 15:25
金剛山ロープウェー駅バス停百ヶ辻 15:35


 
 金剛山トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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