奥秩父 甲武信ヶ岳(2476)~国師ヶ岳(2592)、北奥千丈岳(2601)個人山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

奥秩父 甲武信ヶ岳(1647.2m)~国師ヶ岳(2592)、北奥千丈岳(2601) 個人山行
2014年6月12日(木)~15日(日)

6月13日(金)
 JR山梨市南口から朝1番の西沢渓谷行きバスに乗る。乗客は15名程だろうか。乾徳山登山口で数名を降ろしてバスは西沢渓谷入口に着く。

 バス停から真っ直ぐに進むと車両侵入禁止ゲートがある。そこを左側から入り、渓谷沿いに遊歩道を奥に進む。右にナレイの滝をみて、ナレイ沢橋を渡り、登り気味に進むとトイレと登山届けポストのある広場に着く。登山届を投函し、さらに進み近丸新道を見送って進むと西沢山荘手前に徳ちゃん新道登山口がある。植林帯(カラマツ?)を緩やかに登り始めるとやがて急登となってくる。明るい森の中に小鳥とセミの鳴き声が心地良い。セミの鳴き声は猛暑をイメージして嫌いだが此処のセミは種類が違うのか鳴き声が優しい。2センチ程の小さな抜け殻を見つける。

 左にギザギザの岩稜の鶏冠尾根が見える。困難な登山を想像させる尾根だ。程なくシャクナゲの木が現れ始め、さらに高度を上げるとシャクナゲのトンネルとなるが落下した花が無残に地面を敷き詰め花期は終わっている。サラサドウダン、ヤマツツジが咲いている。

痩せ尾根の急登を慎重に登っていると鹿の死骸が道脇に横たわっている。ビックリして直視出来なかったが、未だ体毛も少し残っていて他の動物の食料になった様子はない。「石に躓いってこけたぁ?まさか私じゃあるまいし」等と思いながら登っていると1869m地点の近丸新道と合流する。ここから戸渡尾根になる。

 さらに樹林の中を進むと前方に木賊山が望める様になるが未だ遠い。何度かシャクナゲのトンネルをくぐり抜けるとやっと花の残っている場所にくる。少し遅い感はあるがアズマシャクナゲの花が沢山咲いている。2111m地点を過ぎると木の根っこがボコボコの急登が続き歩きにくい。

「アッ!クモイコザクラが咲いている」足元ばかり気にして歩いていると見過ごしやすいが偶然に目が向いてラッキーだった。あれは捩木?見事に捩れている。やがてガレ場に着き視界がパッと広がる。富士山は頭を雲の中に隠してしまっているが眼下に広瀬湖等展望が広がる。下山して来る人から「天気が急変して雷もなるようだ」と情報を得るが走って登る体力もないので黙々歩くより仕方がない。

     
 サラサドウダンの花    アズマシャクナゲ(ツツジ科)関西のホンシャ
クナゲは7片に対し5片
     
 クモイコザクラ    徳ちゃん新道から広瀬湖を見下ろす

残雪が少しある道を緩やかに下り奥秩父主稜線縦走路に乗る。分岐の西は雁坂峠方面で私達は木賊山へと緩やかな登りを進む。山頂標識がなければ通り過ぎてしまいそうな位になだらかな山頂に着く。三角点がある。そこから下るとガレ場に着き、三角錐だがふっくら感の甲武信ヶ岳が正面にデンと現れる。奥は三宝山か。青い小屋の屋根が見えると、もう甲武信小屋に着く。小屋に入り暫くすると雨が降り出す。雨にあわずに済んだ。

 
徳ちゃん新道上部の捩れた大木   甲武信ヶ岳(2476)と右奥の三宝山(2483)

6月14日(土)
 3時30分、「赤富士が見えるかも」の根拠のない情報に踊らされ山頂へ出発する。思ったより外は寒くなく、満月の様な月が出ていて、周りは薄ら明るい。塩山の街明かりが手の届きそうな程に近く見える。

ヘッドライトを頼りに山頂に登ると月明りの為か、はや富士山のシュルエットが見えている。ご来光を見にきた人は以外と少なく、その人達のお目当ては朝焼けに雲が染まる富士山のようだ。私の様に朝焼けが山の雪を赤く染めると思っている人はいないようだ。理由はどうであれ神々しく日は昇った。「今日は雲が少ないので良い写真が取れない」の声が聞こえる中で、ひょっとしたらと諦めきれずに長いあいだ眺めていたが赤富士は夢の話で終わった。

 
 甲武信ヶ岳のご来光   甲武信ヶ岳山頂で
 
 山頂から見る朝焼けの冨士山   山頂から見る冨士山 

 国師ケ岳に向けて出発する。急なガレ場を下り樹林帯に入ると展望がなくなる。梓山への分岐、水師、富士見とアップダウンを繰り返しながら倒木までが苔むしている幽玄な樹林帯の中を気持ちよく歩く。やがて南側が崩壊した見晴らしの良い両門ノ頭に出る。時間もタップリあるので、外輪まで見える富士山を愛でながら大きな石の上で朝食タイムをとり贅沢な時間をゆっくりと過ごす。

 アップダウンをまた繰り返す。東梓、2224m、を経ていよいよ国師のタルへドッドッと下る。ここから国師ケ岳までは何段構えにもなった頭を越えながら急な斜面を登る事になる。

国師ケ岳方面からの単独の縦走者と出会い始める。3人目は女性で「誰にも会わず不安だった」と言うので「すぐ前を2人、行った」と教えると勢いよく下って行った。そういえば少し前から道を塞ぐ倒木の数が増えて踏み跡の薄い所もある。次に3人のグループ、次も3人のグループ、へばり気味の私達に「国師ケ岳まで、もう少しですよ」と声をかけてくれる。だがそれから2つも頭を越えたのに未だ着かないので国師ケ岳手前で大休憩をとり昼食とする。奥秩父縦走路が見える。五丈石のある金峰山は山座同定がしやすく、そこを中心にすれば他山の見当がつけやすい。少し奥まった所に何かあるので見に行くと天狗尾根分岐の小さな標識がある。昨日、西沢渓谷行きのバスを待っていた時、石塔尾根~天狗尾根~国師ケ岳を歩くと言っていた人がいたことを思い出す。「踏み跡はあるの?」と聞くと「う~ん」と返してきたが彼は無事ここを通過しただろうか。

 方角を90度変えて進むと国師ガ岳山頂だ。山頂は大きな岩の広場で富士山の眺望場のようだ。三脚を立てたカメラマンがシャッターチャンスを狙っているが山頂は厚い雲に覆われている。ここから大弛峠までは街着スタイルをふくむ多くの人で賑々しい。

分岐から奥秩父最高点の北奥千丈岳へ寄ると、南アルプスの甲斐駒ヶ岳は辛うじて見えているが他は雲がかかり見えない。北の八ヶ岳は全山きれいに見えている。

分岐まで戻り前国師ガ岳へと進む。ここからの道は随分と残雪がある。やがて木の階段が続くようになる。夢の庭園に着くが岩場は多くの人で座る場所もないのでスルーしてドンドン下ると、大弛小屋から大弛峠に出る。

   
奥秩父山地の最高峰、北奥千丈ヶ岳(2601)    北奥千丈ヶ岳から西の金峰山(2599)と朝日岳(2579)
金峰山山頂の五丈岩も見える

車の通れる日本一標高の高い峠の看板を掲げている大弛峠は国師ケ岳から、金峰山から、自転車で、バイクで、と色んな人が集まり賑わっているが、東側の山の斜面を見上げると枯立木が目立っているのが気になる。

今年6月から運行されている乗合タクシーで柳平に出て、そこから路線バスに乗り換えると塩山駅に着く。塩山温泉街で入浴をして、駅前でほうとうを食べる。某テレビ局朝ドラの影響か店に入って来る人が皆ほうとうを注文している。程なく注文切れになっていた。 少し味は濃いが登山後の塩分補給に丁度よくて美味しかった。

JR塩山から甲府に戻り予約した夜行バスに乗ると明日の朝、梅田に着く予定だ。 (村上)

参加者 会員2名(村上、白柳)

コースタイム
イム

6月12日(木)~13日(金) 6月14日(土)~15日(日)
大阪 /22:00 甲武信小屋 3:30
(夜行バス) 甲武信ヶ岳 3:45/4:45
梓山分岐 5:05
甲府南口 水師 6:05
甲府駅(JR)山梨市駅 富士見 6:45
山梨市バス停 /9:12 両門ノ頭 7:25/8:20
西沢渓谷バス停 10;10/10:15 東梓 8:40
広場 10:20/10:40 国師のタル 9:16
徳ちゃん新道登山口 10:50 天狗尾根分岐 11:30/11:50
近丸新道出合 13:30/13:40 国師ヶ岳 12:15/12:30
雁坂峠分岐 15:55/16:05 北奥千丈岳分岐 12:40
木賊山 16:05/16:10 北奥千丈岳 12:50/13:05
甲武信小屋 16:25 分岐 13:15
前国師
      大弛峠  13:55/ 
      (乗合タクシー)   
      柳平  
      (路線バス)   
      塩山   
        (JR)  
      甲府  /22:10 
      (夜行バス)   
         
      大阪  7:15 


 
         甲武信岳~国師ヶ岳、北奥千丈岳トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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