丹波 金山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

丹波 金山(540m)山行記録)

2018年3月11日(土)晴れ
 東日本大震災より7年目になる本日3月11日、朝からテレビの報道を見ながら穏やかな本日 歩けることに感謝しつつ集合場所JR三田駅北側ロータリーへ向かう。
 9:30 メンバー6名が揃い 清水さんの車に乗車、R176号を北上する。

 約45分で柏原市と篠山市との境界トンネル(鐘か坂トンネル)手前の篠山市追入の登山口に到着する。

 10:20 春本番の陽気で 皆さん出発前に衣服調節し身軽になって出発。登山口よりすぐにケヤキ?の大木が現れる。10分ほどで 赤坂観音堂に到着、メンバーのお一人が鐘を打つ。軽やかな音色だ。
 さらに100mほど進むと石造りの鳥居が建っている。
 登山口より30分ほどで眼下に篠山市大山宮を見渡せる展望が得られる場所に出た。

   
登山道のケヤキの巨樹    山の麓、大山宮(大山荘)の展望 

 一部植林帯もあるが大半は自然林の気持ちの良い登山道。
 11:00 登山口より40分で妙法山園林寺跡に到着。石段の上段は朽ち 割れた瓦が散乱している。
園林寺はかつて日蓮宗の寺院で金山城の出曲輪のひとつでもあったようだ。

 金山城馬場跡の標識が立つ平地を抜け 直進すると金山城跡のある山頂に着いた。山頂はこれまで経験したことがないくらいの登山者、我々も含め30名位は居ただろうか・・。

 11:10 昼食には少々早いが 各々景色の良い所で山座同定しながらの昼食をした。

   
園林寺跡    金山山頂(金山城本丸跡)で。 
     
北北西の展望 手前左は向山山群の譲葉山(594m)、
中央に黒井城跡の城山が見える。福知山市の三岳
や大江山は霞んで写真では見分け難い。 
  東北東の展望 左から三尾山、黒頭峰(620m)、夏栗山。
夏栗山の右遠方の尖峰は三岳(多紀連山)。

 11:50 昼食後は山頂西側の『鬼の架け橋まで70m』の標識に従って下山。奇岩として有名な鬼の架け橋横に出る。架け橋の下からは鐘が坂トンネルから柏原市に下るR176号が見える。
 この鬼の架け橋は歌川広重の六十余州名所図会版の『丹波 鏡坂』でも刷られている。
 南井さんは勇敢にも橋の上でハイポーズ!

 
鬼の吊り橋 両側の高さ10mほどの岩をまたいでいる。
下の国道176号から橋下の孔が見える 

 鬼の架け橋より山頂直下の分岐までトラバースし 園林寺跡より大乗寺への分岐へ。荒れた林道をジャケツイバラ・タラの芽・テングチョウ等を観察しながら大乗寺へと下っていった。

 大乗寺からは田畑の畦の春の野草フキノトウ・セリ・ノカンゾウを摘みながらの歩行で前進できず。

     
大乗寺への下りの林道。棘だらけのジャケツイバラ
が一面に生える荒れた山肌が続く。 
  大乗寺。堂塔、山門等が整った立派な寺。
 

 旧道 大乗寺入口に合流後 追手神社で日本一のモミの巨樹、樹齢700年の「千年モミ」や「夫婦イチョウ」と石垣上一面に群生したユキワリイチゲを観察する。その後 大山宮ののどかな田園風景の中を散策しながら この地区では当り前のように暮らしの中で自生している山野草(アズマイチゲ・キクザキイチゲ、セリバオウレン・セツブンソウ)を観察した。セツブンソウは盛りを過ぎてしまっていた。

 14:00 追入登山口へ戻った。

   
大山宮追入(おいれ)神社の千年モミ。日本一のモミの
巨木。幹周囲8.3m、樹高34m。 
  ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)。 花も葉も地味な早春
の花。神社の石の垣根上にびっしり群生している。 
     
アズマイチゲ(キンポウゲ科) この時期の花はなぜか
キンポウゲ科の花が多い。
  キクザキイチゲ(キンポウゲ科) 花色は紫や白。
アズマイチゲに似ているが葉の切れ込みが複雑。 
     
セリバオウレン(キンポウゲ科)  花弁は細く、葉もセリ
の葉に似て切れ込みが多い。
  セツブンソウ(キンポウゲ科) 名のように最も早く咲く
早春の花。 
     
追入の集落と金山。     

 まだ時間が早かったので 清水さんのご好意で帰路にこの金山城跡と春日町の黒井城跡とならんで織田・明智の丹波攻めの三大戦跡である八上城跡のある高城山登山口にも立ち寄って頂いた。次回篠山の山とセットで企画したいです。

 15:20 
JR新三田駅帰着。遠方よりご参加頂いた南井さん、三田の山岡さんと別れ解散。

 新米会員の拙い案内でしたが 皆様のお陰で楽しい山行きが出来ましたことを御礼申し上げます。 (文 梅川)

 
 参加者 会員6名(梅川、清水、白柳。南井、村上、山岡)

 金山城跡について

 金山城は明智光秀による丹波攻めの際に八上城を攻略するための陣地として築かれました。多紀郡(現篠山市)と氷上郡(現丹波市)の境に位置する金山(標高540m)の山頂付近には曲輪が築かれ、主郭部には石垣が一部残っています。
 天正三年(1575)、織田信長の命を受けた明智光秀によって 荻野(赤井)氏の居城であった黒井城攻めが行われました。当初、八上城の波多野氏は明智側につきましたが 天正4年荻野氏側に寝返り、背後を突かれた明智軍は敗走しました。
 天正5年 再び明智軍は丹波に攻め入り 天正6年3月に八上城を包囲し 激戦の末天正7年6月に八上城は落城。黒井城も同年8月に落城しました。

 光秀が金山城を築いたのは八上城を包囲した後のことで 氷上郡を見渡せる金山に陣城を築いたのは黒井城からの支援を絶つためであったと考えられています。金山城跡は丹波攻めの様相を今に伝える遺跡として大変貴重な城跡です。篠山市教育委員会の『金山城跡案内板』よりー


コースタイム

三田駅 9:15/9:30
追入 駐車場 10:14/10:20
分岐 1045/10:50
大乗寺への林道分岐 10:55
園林寺跡 11:00 所要時間
分岐 11:05 追入~山頂~追入 5:10
山頂、本丸跡 昼食 11:10/11:50 歩行時間 2:25
分岐 12:00 休憩時間(草花鑑賞) 1:15
園林寺跡 12:05 測定機器 スマホ
大乗寺への林道分岐 12:10 ソフト ジオグラフィカ
大乗寺 12:35/12:40 測定点数 346
大乗寺登山口 12:40 歩行距離 6:01km
旧道大常寺入口 13:00 累積登高 378m
追入神社 13:05/13:20 累積下降 378m
大山宮 13:30/13:40
追入 駐車場 13:59/14:05
八上 高城山登山口 14:40/14:45
新三田駅 15:20/15:25
猪名川町 道の駅猪名川 15:55/16:05
川西能勢口駅 16:40


 
2018.03.11 丹波 金山トラック地図 

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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