富士周辺 毛無山(個人)山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

富士周辺 毛無山(1945.4m)

324()晴れ

 富士山を最も近く、また形よく見られる山として、2年ほど前から注目していたのが、毛無山だ。名前からして、山頂は無木立でよい展望が得られるに違いなぃ富士が白く、また空いている時期として、3月末となった。

 前日の三ツ峠山に引き続いての登山となる。昨日は楽だったが、今日はかなりハードになる登山の後に帰路長距離を車で走ることが控えている。

 ホテルでのバイキングの朝食は美味しかった。昼食が半量でもよいくらい十分に食べた。

 折角なので河口湖からの富士の絶景も撮影しようと、昨日当たりをつけていた河口湖大橋の手前、産屋ヶ崎神社の湖岸遊歩道に出た。すでに三脚を立てて写真を撮っている男性がいた。空気も澄んで、思った以上にきれいな富士山を撮ることができた。

 ここから毛無山方面に向かう。

 昨日は、国道139号を通ったが、今朝は空いている、県道71号、鳴沢富士宮線を走る。より富士に近い樹海の中をひとり走る感じだ。
 途中、大室山展望台というのが右側にあって、一瞬、毛無山、雨ヶ岳とその後ろに真っ白な南アルプスの白根三山がきれいに見えた。通り過ぎてから思い直して2km程行って戻り、写真を撮る。


 
河口湖畔、産屋ヶ崎から見た朝の富士山     
   
県道富士宮鳴沢線の大室山脇の展望台からの毛無山、雨ヶ岳
そして竜ヶ岳と
   同 南アルプスの塩見岳、そして白根三山

しばらく行き、朝霧高原近くで右に曲がり、国道139号を突っ切ると東京農業大学の農場そして広いふもとっぱらキャンプ場があり、行き止りで、左に曲がると登山口の有料駐車場だ。料金は500円だった。自家用車が34台停まっていた。。

 用意を整えて早速、出発する。林道を行き、右に曲がるところで、左手の細い登山路に入る。

すぐに道標があって毛無山への路は右の山手、真っ直ぐ谷沿いに行けば地蔵峠方面となっている。ここで、細かい字で書いてあることを、しっかり読んでおくべきだったが、地図も地理もわかっているので、毛無山へ向かって傾斜を増す路を登って行った。

   
登山口の優良駐車場    登山口の神社
   
地蔵峠方面と毛無山山頂方面の分岐点にある注意板    最初の休憩地3合目(1120m) 

ここからは木の根を足がかりにするような路が続く。地図を見て分るように、傾斜を緩めることなく、9号目までジグザグも切らずに登ってゆく。すぐに60歳代の男性に追いつく。また下から声がして、男2、女2の若者パーティが追いついてくる。若いだけあって身が軽い。

 1合目、2合目と白い木の標識が立てられていて、行程のいい目安となるが、若者たちはすぐに2合目で小休憩している。「休みませんか。」と言われたが、もう少し歩きたかったので「3合目まで行きます。」と答えてさらに行った。3合目で休んでいると、今度は彼らが通り越した。こんなことを繰り返して、互いに登る。

 路は杉林そして広葉樹の混ざる林の中で、途中、富士も裾野も見えることはない。

   
途中の見晴らしはこの程度    6合目

 次いで6合目、8合目で休んで、稜線の9合目の手前、標高850m付近で富士山がきれいに望める展望所があり、写真を撮る。満足できる景色となった。


 9合目に出るとようやく傾斜が緩くなり、積雪も10cmあるがなんなく三角点と標柱のある山頂に着いた。

 山頂は富士に向かって切り開かれていて、富士も裾野もよく見える。これほどの近さで、これほどの高さから見る富士は実に迫ってくる感じだ。

 同時に山頂に着いた若者らと昼食となった。ガスで湯を沸かして作ったビーフンのスープが美味しかった。

 そして少し遅れて着いた、中高年の人達はすぐにもと来た路を降って行った。

     
富士山展望所(1850m)からの見晴らし   富士山展望所(1850m)からの見晴らし 
   
稜線の9合目からは緩やかな路となる    毛無山山頂(三角点 1945.2m) 
     
山頂からの富士山    

 最後に山頂を後にするが、この後も登ってくる単独行の人も見かけた。

 稜線の路がいいのと、雪にトレースがついているので気楽にズンズン行ってしまい、9号目の道標と降り口を見逃して、地蔵峠側に15分くらい来すぎていることに気がついた。戻れば路は短いが、折角だから、地蔵峠も回る周回コースにするのも面白い気がした。路もそれほど悪くはない。

 地蔵峠は手前に富士川側へ下る路が合わさるイノシシノ頭というコルがあり、これを越えてから富士の裾野の登山口へ向かう路が分かれる複雑な地理となっている。路は薄くなってきたが、23人の新しい足跡が続いていた。


 富士川側には武田氏の時代からから徳川初期にかけて多量の金を産出した中山金山跡があるが今回は寄らない。


 地蔵峠の裾野へ降る路はいきなり、ロープを頼りに降りないと、急斜面を谷底まで持って行かれるような難所だった。何度も急な斜面を細くそして傾いた路を注意深く降り続ける。途中下山路脇に金鉱石を焼いて砕いたとのだろう、焙焼炉跡を見ることができた。

     
毛無山から地蔵峠への路   毛無山から地蔵峠への路
 
地蔵峠 西側、富士川方面降り口 裾野方面お降り口の手前200m   地蔵峠 東側、富士裾野方面降り口 
   
最初の沢の落ち口の小滝    岩場外でも滑りやすいトラバースが多い
     
金鉱石の焙焼炉跡     

何度か谷底の渡渉をする。少ないながら赤テープを見失わないように、対岸に渡る。

標高1130mのところで、斜面が無くなり、崖となっているところから下を覗くと、古いロープが複数、勝手に付けられている。その先にも何本か途中で終わったすり切れたロープがある。とにかく崖の底に、ロープに助けてもらって降りる。しかし赤テープが見つからず、この崖の底から抜ける場所というか方向が分からない。

まさか大岩の重畳する谷底に降りることはないと思いながら10分近く目をこらして行先を探した。ついに崩れたガレ場に生えた背の低い薮に色あせてピンクになった小さなテープを見つけた時は、ホッとした。テープからは今までの路の方向を延長した方向にすり上がったところに路があるやしいと判断できた。要するに、まっすぐついていた路が斜面ごと崩れ落ちて流されていたのだ。崩壊は決して新しいものでなく、ガレ場になっていて、灌木や背の高い枯れ草があり、すぐには崩壊地と理解できなかった訳だ。

その判断通りに崩れ、滑り易い崩壊壁を登ると、真っ直ぐ先へと続く細い路が見つかった。

 渡渉も交え降り続けて、登り時、見た毛無山と地蔵峠の分岐点に着いた。細かい字で書かれた表示を読むと、この先、崩壊により危険な個所ありと書かれている。初めての山では、なめることなく登るときにしっかり読んでおくべきことと反省した。

   
標高1200m付近の斜面崩壊地 左上が地蔵峠方面 そこから2本
ぼどの古ロープが垂れ下がっている 反対側の出口を見つけるの
苦労した 
  比丘尼の滝 落差30m程 


 ここからは気楽に登山口駐車場へ降る。するとひとり車を発車させようとする人がいだ。彼と一緒になったもう2人が「地蔵峠経由で降りてきた」と言う。「これから山口県まで800kmを車で帰ります。」とはまたすごいことと感心した。
 こちらも400kmを走っている帰るものの、もし眠くなれば、途中で休み休み行き、明日の朝にまで着けばいいと気楽に構えている。いや構えようとしている。

 新富士ICから静岡SA、浜松SAそして岡崎SAによって夕食と小休憩をとり、岡崎からはノンストップで2130分に帰宅した。長い一日だった。(文 清水)

川口湖 ホテル 7:40 歩行距離 7.36km
県道17号 大室山下展望台 累積登高 1193m
毛無山登山口駐車場 8:55/9:00 累積下降 1193m
毛無山、地蔵峠分岐(920m) 9:15 山行所要時間 7:10
3合目(1190m) 9:50/9:55 実歩行時間 6:15
6合目(1548m) 10:50/10:55 全休憩時間 0:55
8合目(1136m) 11:35/11:40 測定点 280点
9合目(1910m) 12:10 使用ソフト ジオグラフィカ
毛無山山頂(1945m)) 12:25/12:55
9合目(1910m) 13:05
地蔵峠(1740m) 14:05/14:10
金鉱石焙焼炉跡 14:25
崖崩壊地(1130m) 15:15/15:20
毛無山、地蔵峠分岐(920m) 15:55
毛無山登山口駐車場(868m) 16:10/16:20
国道139号富士宮道路
新富士IC 17:10
第2東名、伊勢湾岸、新名神
静岡SA、浜松SA、岡崎SA
川西IC 21:30


 
毛無山トラック地図

参加者    会員1名(清水)

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