2017年10月8日(日) 晴れ
冠山は、岐阜県揖斐郡揖斐川町(旧、徳山村)と福井県今立郡池田町との境界上の山。凡庸な姿の山の多い奥美濃の中にあっては、怪異なともいうべき風貌が人をひきつける。
山名はその山容が冠と似ているところからつけられたものである。すでに離村してしまったが、山麓の櫨原(はぜはら)には藤島の合戦で敗れた新田義貞が逃れてきて、村人によって殺されたという伝説があり、その墓石も残されている。また塚には、源平の合戦で温見谷(福井県大野市)に陣を敷いた平家方に対して、徳山谷から攻め上った源氏方は、山麓にとどまっているように見せかけ、夜陰に乗じて冠山の頂上に駆け上って優位に立ったため、平家方が一敗地にまみれた、という伝説が伝わっている。
かつては登山道がなく、シタ谷をつめて南面の岩壁を攀じて登頂するしかなかったため最難峰の1つとされてきたが、近年、西の肩を福井県へ越える車道が開設され、冠山峠から県境上に歩道が整備されてからは、誰でも登頂できる山となった。山頂の北の肩には冠平というササの小台地があって気分のいい場所である。山頂からの展望はさえぎるものが全くなく、すこぶるよい。冠山峠から山頂まで約1時間。 (ヤマケイオンラインより)
北陸自動車道賤ヶ岳SAにて9時に待ち合わせ、武生ICより1時間半福井、岐阜県境の冠山峠が登り口となる。道沿いに福井県側、岐阜県側にそれぞれ駐車場があり、約20台ほど駐車できそうだが、7割ほどうまっていた。登り口付近から南東方向に特徴的な形の冠山が見える。
冠峠、福井県側 自転車で登ってきたパーティもいる | 冠峠と冠山 | |
瀧井さん家族 |
歩きはじめからしばらくして早速の「抱っこ!」、普段から森にはよく行くのだが、山頂を目指して歩くという習慣は無く、寄り道しながらやりたいことするという彼には、集団での山行は少々他のメンバーの迷惑になることもあり、背負子の出番となる。何しろ珍しいのと、楽なのとで彼も気に入っているようだった。重いけど。まあ、テント泊と思えば、これぐらいの荷物はありうるなと考えつつも、この山にこんな重い荷物の人はだれもいないだろうなとも思いながら歩く。
行程は累積高低差450メートル、片道1時間半程度に道のりなので、景色の変化を楽しみつつ、時折見える山頂を楽しみながら進むと、左手に冠平、右手に山頂へと続く岩壁が見える。
1111mピークを越えると冠平から頂上への稜線が見えてくる |
ここで赤飯おにぎりを食べてから最後の登りに臨む。岩は少し濡れていて怖い。ロープはあるにはあるが、頼りなさげなトラロープでこれに体重を乗せることは躊躇われる。最初のロープの場所で、右から左に移動する部分にやや気を使った。基本的にロープを使わず三点支持を心掛け慎重に登る。ホールドはたくさんあるが、やや小さかったりでどうも不安なところが2カ所ほどあった。
この辺で息子が自分は岩登りに自信があるから背負子から降ろすように騒ぎ出すが、もちろん断った。(キミには少し早そうです。)
冠平 東へほぼ平坦な稜線が続く | ||
東の展望 左は姥ヶ岳、右は能郷白山 | ||
オヤマリンドウ | 子供を岩場を背負い登る |
岩場を抜けると、灌木の間の溝状の道をのぼって、山頂付近に到達すると展望が一気に開いた。道は左右に分かれ、前は絶壁、左には山頂が、右には冠山峠方向を望む展望場所に続く。まずは皆の待つ山頂方向へ進む。山頂は岩がちでそれほど広くはない、10人も人がいればいっぱいになりそうだ。
先に到着していた皆は、それぞれ景色を楽しんだり、コーヒーを沸かしてくれたりしていた。
背負子を降し、我が家族も皆でしばし360度の絶景を楽しむ。南方向に徳山ダムが見える。峠の向こう側の金草山の他は、なんという山かよくわからないが、緑の山の向こうにまた緑の山で、こんな山の連なりをみるといつもなが心を動かされるものがある。そういえば高校のときに鈴鹿の山からこんな景色をみて、山はいいなと思った記憶がよみがえる。
冠山山頂から西北西の金草山を望む | 冠山山頂から西北西の金草山を望む 下に岐阜県側の林道と冠峠が見える |
|
南側の展望 雷倉 花房山 権現山 ・・・五蛇池山、貝月山、伊吹山(最後方)、蕎麦粒山 下に徳山湖 | ||
冠山(1256.6m)山頂で | 山頂でのコーヒータイム |
コーヒータイム、記念撮影を終え皆が先に出発し、こちらもそろそろと思っていたら、小さい人から、おしっこがしたいとの訴えがあり、人気のない展望場所へ移動し、申し訳なく思いながらも絶景を堪能しつつ用を足させていただきました。すみません。
さて、山は下りの方が慎重に行く必要があるので、気持ちを引き締めて出発。先ほどの岩場に差し掛かる、登りではあまり気にならなかった一番下のロープの一段上の岩場で少々手こずった、どうもよい感じの足場が見つからない、登りの方に先に行ってもらいルートを再確認、更に岩の上部の灌木との境付近からとのアドバイスをもらい降りる。後で奥さんに聞いたところ、そこはそんなに気にならなかったとのこと。登りのときに気を使ったロープ場は、注意しつつ問題なくてクリア。ほっと一安心。あとはぼちぼち歩く。
ときおり息子が大きな声で「おーい」と叫ぶと、先をいく皆が「お―い」と返事をしてくれて、楽しく元気な気分になる。帰りはガスが少し出てきて、振り返っても山頂が見えない場所が多かった。計画の予定時間からそれほど遅れることなく、15時過ぎに下山、車に戻る。
今日はこの後、九頭竜国民休養地まで移動し、キャンプ予定。暗くなるまでに着きたいと皆が思いつつ、冠山峠を後にした。(その後、無事にキャンプ場につき、美味しい芋煮と、息子との初めてのキャンプを堪能しました。食事やら何やら皆にまかせっきりでしたが・・・。)昭和な雰囲気の施設がこの記録を書きながら既に懐かしく思い出されます。(文 瀧井)
九頭竜国民休養村キャンプ場で芋煮会 | ;レシピは山形流でサトイモの他牛肉や他の根菜類 | |
ランプが気に入って離さない |
コースタイム
2017.10.8-9越美国境冠山、能郷白山山行コースタイム | |||
10.8冠山 | |||
冠峠(1040m) | 10:40/11:00 | 歩行時間 | 2:55 |
1156m | 11:25 | 休憩時間 | 0:50 |
1156mの200m先 | 11:30/11:50 | 測定機器 | スマホ |
1111m | 12:00 | ソフト | Geographica |
冠平 | 12:25/12:30 | 測定点数 | 365 |
冠山山頂(1256.6m) | 12:45/13:10 | 歩行距離 | 4.95km |
冠平 | 13:40 | 累積登高 | 456m |
1111m | 14:00 | 累積下降 | 456m |
1156m | 14:30 | ||
冠峠(1040m) | 14:45/15:05 | ||
車走行距離km | |||
川西 0km | 5:35 | 0 | |
池田 | 6:00 | ||
梅田 | 6:30/6:45 | ||
豊中IC | 7:00 | 35 | |
菩提寺PA | 7:45/7:50 | 123 | |
多賀SA | |||
賤ヶ岳SA | 8:45/8:55 | ||
武生IC | 9:40 | 233 | |
冠峠(1040m) | 10:40/15:05 | 276 | |
池田町稲荷 | 16:50 | ||
福井市美山町 | 16:00 | ||
九頭竜国民休養地キャンプ場 | 16:50 | 355 |
冠山トラック地図 |
参加者 会員4名(清水、白柳、瀧井、南井)、会員外3名瀧井夫人、同子息、中井 計7名
山行記録トップへ
「山があるクラブ・Ⅱ」 HOME