鈴鹿 鎌ヶ岳山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

鈴鹿 鎌ヶ岳(1161m)

4月9日(日) 晴
 3度続けての鈴鹿山系で、今回も日野町河原町のコンビニ、ローソンに820分集合。
 ここから国道477号で鈴鹿スカイラインへ向かう。

 武平峠の駐車場、そして三重県側への小さな駐車場もちょっとした道脇のスペースも車が停められている。さすが人気の山域だ。
 大分降った蒼滝近くで道脇のスペースに車2台を停める。

 915分出発。国道を約1km戻って、左手の駐車場から左の湯の山温泉への道(ゲートは封鎖されている)を下ると本谷の渡渉点に出る。幅2mほどの流れを、石の頭を探して渡る。標高510mここから長石沢の右手を行くとすぐに左長石谷、右長石尾根へのへ分岐標識が立っている。

   
鈴鹿スカイラインの上空にはゴンドラが行き交っている   本谷り徒渉点 
     
長石谷 踏み跡を探しながら石や側面をたどる    イワウチワ(イワウメ科)

 左の長石谷のコースを取る。路は朽葉と小石と泥濘の混じる荒れたものとなる。谷の右へ左へと踏み跡を探しながら典型的な深いV字谷の底をを遡る。

 しばらく進み、岩壁に咲く薄ピンクのイワウチワ(イワウメ科)のな花を見つけ、心を癒される。

 岩の川床をすだれ状に流れ落ちる小滝や起伏ある岩を緑の苔が覆った不思議な景色に感心して進むと、先に行った人達が右手の壁の濃いピンクの花の群にきカメラを向けている。近寄って見ると、今回の山行きの目玉だったイワザクラ(サクラソウ科)だった、この岩場には陽が当たり、暖かいため、生育しているのだろうか。昔四国では「シコクカッコソウ」を見たことはあるが、イワザクラは初めて見る花だ。カッコソウは葉や茎に毛が生えているが、イワザクラには毛がない。

   
水は滑状の川床を流れ落ちる   崖に張り付いて咲いているイワザクラ(サクラソウ科)
     
イワザクラの植生の様子   階段状の岩床を下る滝 


 さらに谷を登ると右手に黄褐色の高い崖が切り立ち、滝が落ちている。犬星大滝だ。長石谷に食い込んだ谷にかかる落差25mほど、水量は少ない。


 これから後は傾斜も増して、路も悪く、踏み跡を探しながら登る。

 1220分、昼食にして頃合いの時間となったのは940m地点。もう少しで1160mの南のコルということで、小休憩してさらに登るが、勾配は40度にもなり、コルに着いてからもあのピラミッドの厳しい登りが続く。1161mの山頂着1320分、思いの外、辛い登りだった。

 山頂からは西へとイブネ、雨乞岳、綿向山が対面するように並び、北には白いゴンドラ駅を見せる御在所岳が高い。鎌ヶ岳の北側の尾根は急なザレ場となって落ちている。東は伊勢湾が見下ろせるが、もやっている。知多半島らしい対岸もうっすらと見えるだけだ。南は今登ってきた、急な岩尾根が見下ろせ、水沢岳そして仙ヶ岳へと続いている。

 山頂の東面と北面は背丈が34mのアカヤシオの林となっているが、枝先のつぼみはわずかに赤味を帯びているだけだった。

 狭い山頂で冷たい風をよけながら昼食とする。

   
犬星大滝(落差約25n)    ショウジョウバカマ(ユリ科)
   
鎌ヶ岳山頂南のコルから南側を見る 右麺の険しさはさすが鎌ヶ岳   山頂から南の崖を見下ろす
 
鎌ヶ岳山頂で  左は雨乞岳   山頂と右手に御在所岳を望む 

 下りは長石尾根コース。山頂からは100mほど東へ降って右に風化した岩とザレが作る景勝をみてから北へ下る。急な斜面にはバイカオウレン(キンポウゲ科)がかわいらしい花を咲かせている。
木陰には一昨日に降ったものだろうか、斑雪も残っている。
 道はさらに激しい降りとなる。標高差90m近くを木の根、枝などを手がかりとして下る。この下りを終えて、ホッとする。路自身ははっきりしていて、問題ない。

 尾根の北側はアカヤシオの純林で、斜面が全てこのツツジに覆われているのは壮観だ。ただつぼみを膨らましていたり、花を開いたりしている木はすくなく、もう2週間くらい後だったら素晴らしいと思えた。それでも、花開いた木や、枝先が美しく、カメラで撮影しながら降る。中間が緩やかで、長い尾根からは、鈴鹿スカイラインがいつまでもずっと下の方に見えて、先の長いことが気になった。

 最後にまた激下りがあり、長石谷と尾根の分岐点に出れば、後は車まで30分ほど、気も安らいだ。

   
北側の急なガレ路 今は通行禁止されている    山頂から少し下った斜面に咲くバイカオウレン(キンポウゲ科) 
 
斜面に残る雪    激しい下り 
 
アカヤシオ(ツツジ科)もう一週間か、10日で開花か   山腹全体がアカヤシオで満開時は凄い景色となるだろう 
   
アカヤシオ    きれいにそして密に咲いたアカヤシオ

 谷の登りが路が悪く、距離も長く、予想外に時間を取ったが、珍しい花も見ることができてよかった。鈴鹿のマッターホルンと言われる鎌ヶ岳の尖った山頂ビークを登りそして降ったのも皆、数年ぶりでその感慨を味わった。
 長石尾根のアカヤシオ、斜面一面を覆う様は見事で、花の時期もう一度見てみたいものだ。
 (文 清水)


コースタイム

蒼滝付近側道駐車 (450m) 9:00/9:15 出発~帰着までの時間 7:00
分岐(520m) 9:30/9:35 歩行時間 1:10
徒渉点(510m) 9:50 休憩時間 5:50
長石谷、同尾根分岐 9:55 歩行距離 8.45km
長石谷660m地点 10:50/11:00 累積登高、下降 1005m
犬星大滝(740m) 11:30/11:40 測定点数 297
940m 12:20/12:25 測定計器 スマホ
鎌ヶ岳山頂(1161m) 13:20/13:55 ソフト ジオグラフィカ
長石尾根1052m 14:05/14:35
731m 15:40/15:45
長石谷、同尾根分岐 16:05
徒渉点(510m) 16:10
分岐(520m) 16:15
蒼滝付近側道駐車 (450m) 16:45/17:10
川西清和台 6:30
池田 6:55
中国豊中IC 7:05
蒲生ETC出口 8:00
日野町河原町ローソン 8:20/8:30
武平峠 8:30
蒼滝付近側道駐車 (450m) 9:00/9:15
蒼滝付近側道駐車 (450m) 16:40
武平峠 17:00/17:15
蒲生ETC出口 17:45
中国豊中IC 18:45
池田 19:05
川西清和台 19:25


鈴鹿 鎌ヶ岳トラック地図


参加者    会員4名(植木、清水、白柳、南井)

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