岩手山(2038.1m)山行記録)
2015年7月18日(土)曇り一時雨後曇り
岩手山は裾野の広い富士山型の美しい山容であるが、今朝は曇りで上の方は雲に覆われていて姿を隠している。
渋民の民宿から車で馬返し登山口に行き、登山届を出して歩き出す。一旦下ってから樹林帯の緩やかな登りが続く。自衛隊の演習場になっているのでポンポンという音がずっと聞こえている。
神官が登山の可否を決める改め所という場所があった。昔は信仰登山の参詣者で賑わっていたのだろうか? 大きなブナの木がある小広場(0.5合目)に着いた。道が分かれ新道と旧道と書かれている。我々は新道を選ぶ。
1合目から2合目の間でコバルト色の綺麗な蝶々が舞っているのを見つけた。南井さんが素早く反応し蝶々が葉っぱに停まったところを何回もカメラのシャッターを押してミドリシシミだと言い、喜々としている。夜、宿に着いてから写真を拡大し細部を確認、オオミドリシジミだと教えてもらう。
豆腐の形をした岩を過ぎると2合目。カモシカ保護区になっているが姿は見かけなかった。
オオミドリシジミ |
2.5合目で新道旧道の分岐があり、新道を行く。新3合目と旧3合目は0.1km離れている。1合ごとに石標がある。新道が造られたのは参詣登山者がそれほど多かったのだろうか?
5合目では南の方角の視界が開け、雲海の上に早池峰山の稜線が見えた。溶岩、ハイマツ、高山植物も見られるようになる。ヤマオダマキ、クサボタン、ハンショウヅルなどが目立った。
6合目あたりは急登で登りきると7合目で旧道との合流点である。小さな祠に四角い獅子頭が祀られていてバックには緑色の大きな岩手山のお鉢。昨日登った姫神山にも四角い獅子頭があったが、早池峰山にもあると聞く。この地方の権現様だそうだ。また岩手山は活火山なので火山活動の状態や危険個所の説明板があった。ここからはなだらかな道で、すぐに8合目に着く。大きな避難小屋があり、小屋の前には豊富な御成清水が流れていてビールや果物を冷している。冷たい水で喉を潤し水筒にも補充する。
山頂へ繋がる道の入り口には「登って感動」と書かれていてどんな素晴らしい景色が見られるのか楽しみである。ヨツバシオガマ、ミネウスユキソウ、など高山植物の名前を言い合いながら、平らな道を進む。前方に広がる緑の山肌には一部雪渓の残っている所もあった。避難小屋、鬼ヶ城の岩峰、岩手山頂へ一直線に続く道。視界が広く、いい眺め、いい気分である。
避難小屋がある不動平(9合目)で直角に右へ曲がりほぼ一直線に山頂を目指す。砂と小石の混じったガレの急登で一歩踏み出しても後ずさりして歩きにくい。滑らないようにジグザグに登ることにする。そろそろお腹も空いてきて足の動きも鈍くなり黙々と俯き加減で歩く。タルマエソウ(イワブクロ)やコマクサが目に付くようになってきた。後方から何か声がしたので顔を上げると右上方の斜面にピンクのコマクサが群生しているのがガスの中でも見えた。急に元気が出てきて足を進めるがガスで見通しが効かず頂上はまだ先のようである。
右側はお釜?外輪の道端に石仏が間隔をおいて並んでいる。どうも観音様のようで頂上まで導いてくださっているのだろう。下ってきた人にもうすぐそこだと聞き、前方を見ると頂上の木標が見えた。薬師岳の山頂はガスで展望はなくお鉢の底も見えない。一等三角点の傍にシーサー、可愛いお地蔵さん、石の阿弥陀仏などが置かれている。誰が運んできたのであろうか、賑やかな山頂である。
午後から雨の予報、手早くおにぎりを食べ、下りにかかる。ガスの中に見え隠れするコマクサの群落に声を上げながら苦労して登った道をダブルストックを使って小走りに下っていると登ってきた外国人がその姿を見てスキーイング!スキーイング!と言う。あっという間に不動平に着く。雨の降りがだんだん激しくなってきた。村上さんは先に小屋まで行くよと言い、跳ぶように走り去っていった。私は途中で雨具を着て同じペースで歩いた。
8合目避難小屋 | ミネウスユキソウ(キク科) | |
コマクサ(ケシ科) | 岩手山山頂で | |
コマクサの群生 | ハクサンシャジン(キキョウ科) |
8合目の避難小屋で全員雨具で身支度を整え、歩き出した頃には雨は少し小止みになった。7合目から旧道に入る。いきなり足場の悪い急坂である。旧道はガラガラ石の急な下りで目印のペンキも消えかけていてどこを歩いたらいいのか分かりづらいが、眼下に広大な牧場が見渡せる展望コースである。危険と書かれた巨岩(御蔵岩)のある小広場は6合目。足場に注意しながらどんどん下る。殺風景なガレキの道に咲くハクサンシャジンの薄紫が清々しい。
4合目と3合目の間では昨日登った姫神山も見えた。雨も止み、3合目から樹林帯に入り、もと来た道を戻る。今朝オオミドリシジミを見つけたあたりでしばらく蝶々探しをするが見つからず、林の中を足早に下り、最後に緩い登りを2回繰り返し登山口に着く。豊富に流れている水場で汗と泥を流しさっぱりとして車で次の宿へと向かった。(岡村)
北上平野を見下ろす |
参加者 会員4名(村上、岡村、白柳、南井)
コースタイム
民宿(竹乃家) | 6:00 | 8合目(1760m) | 13:00/13:20 | 出発~帰着までの時間 | 11:25 | ||
登山口駐車場 | 6:40/6:55 | 7合目 | 13:25 | 歩行時間 | |||
登山口(810m) | 7:00 | 旧道6合目 | 13:45 | 休憩時間 | |||
1合目 | 7:25 | 旧道5合目 | 14:00/14:05 | 歩行距離 | |||
豆腐岩 | 8:00 | 旧道4合目 | 14:30/14:35 | 累積登高 | |||
2合目 | 8:10 | 小休止 | 14:50/15:00 | 累積下降 | |||
2.5合目(新道旧道分岐) | 8:20 | 3合目 | 15:05 | ||||
3合目 | 8:30 | 2.5合目 | 15:15 | ||||
4合目 | 8:50 | 1合目 | 15:30 | ||||
5合目 | 9:15/9:30 | 登山口(810m) | 15:55 | ||||
7合目 | 10:20/10:40 | 登山口駐車場 | 16:20 | ||||
8合目(1760m) | 10:50/11:00 | 早池峰 岳 大和坊 | 18:00 | ||||
9合目(不動平) | 11:20 | ||||||
山頂(2038m) | 12:05/12:20 |