石鎚山の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録


石鎚山

2012年3月21日(水)〜22日(木) 両日とも晴れ

 私の好きな冬の夜明峠からの石鎚山の写真を撮ろうと昨秋の石鎚登山の時から思い続けていました。昔の冬の経験では、春山練成会のある彼岸頃が最も積雪が多く、また天候にも恵まれることが多いのでその3月を待ってました。
 彼岸の飛び石連休の後半、いい天気になりました。そしてそれに続く3月21日(水)〜22日(木)もいい天気になるということで、急遽石鎚山へ出かけました。

 21日は夕方までに成就社の玉屋旅館に着けばいいので、気楽な高速道のドライブです。瀬戸内海大橋からの瀬戸内の海は穏やかでした。しばらく振りに与島のパーキングエリアに寄りましたが、平日であったとは言え、橋が開通した頃の盛況さはなくなっていました。讃岐富士、金刀比羅の象頭山を左に見て、やがて四国山脈の北麓を真っ直ぐ走ります。本当に中央構造線の直線構造を見ることができます。
 西条ICで降りて、下道を石鎚山ロープウェーのある下谷まで行き、京屋旅館の駐車場に車を預けました。ここまで走行距離330キロでした。ロープウェーの客は私ひとり、車掌も付きませんでした。ロープウェーからは例年なら頂上の笹原が真っ白になっている瓶ヶ森も雪はほとんどなくて緑色でした。撮影目的の白銀の世界はとてもありえないと悟りました。
 上の駅にも雪はなく、土むき出しの道を歩って20分成就社に着きました。スキー場や自然学習のための園地をめぐり、石鎚山がきれいにみえるところを何ヶ所か見つけました。石鎚山は少し靄がかかっていました。
 豚肉のしゃぶしゃぶや煮物、天婦羅等満腹になる以上の量でした。風呂に入ってから早めに寝ました。

 
             成就社付近のミズナラの巨木

 22日は3時過ぎに起きて、弁当や茶をもらって4時前に出発しました。真っ暗な登山路でしたが、頭上には大きな北斗七星や多くの星々が明るく輝いていました。
 前社ヶ森への登りになって連休の登山者によって踏まれて硬くツルツルになった雪路になってきたので、6本爪アイゼンを付けました。このアイゼンがよく効いて、ほどなく前社ヶ森の小屋に着きました。ここまで来ると撮影地、夜明峠ももう一息です。まだかなり暗いうちに峠に着きましたが、空の星は全く見えなくなっていました。
 日の出を待って、三脚を立てての撮影をしましたが、風が強く、それも非常に冷たい風で、カメラのレンズを交換する際に手袋を取ると凍傷になりそうでした。指先だけ出る皮手袋も全く役にたたない寒さでした。スキー手袋はさすがに暖かいのですが、シャッターすら押せない不器用な手袋です。
 赤い陽が昇りましたが、山を赤く染めるほどではありませんでした。うっすら雪面を赤く染めた程度でした。峠のブナは冬芽が膨らんで赤くなっていて、樹全体が赤く見えます。これは最近"ブナ紅葉"という新しい言葉で話題にされることもあります。
 峠で約1時間過ごした後、一の鎖を経て二の鎖へ出ました。二個の鳥居は半分以上雪で埋まっていました。ここからは巻き道を取りましたが、斜面から張り出して付けられた鉄路はその折り返し地点では硬く踏まれた雪に埋まっていて、危険な斜面を登らされましたが、アイゼンがよく効きました。三の鎖を経て頂上に出ると馴染みの景色が広がっていました。天狗岳への稜線も雪は少なく、平凡な景色となっていました。真っ白な山肌になる二の森(1920)や西冠岳の笹の斜面も雪はわずかでした。
 頂上の石鎚神社奥社の東面で冷たい風を避けて朝食としました。陽が強くさして暖かく感じられました。春はそこまで来ていました。


   
  夜明峠 暖かくなってブナの冬芽が赤くなっている                       夜明峠からの石鎚山南尖峰と天狗岳
  "ブナ紅葉"といいます
  新芽が出てこの冬芽の覆いが落ちると、まだ地が
  一面雪のときは雪面が赤褐色に染まる
     
             三の鎖からの北壁                            石鎚山頂、弥山から天狗岳

この頂上でのんびりしてから山を下りました。二の鎖までの巻き道の凍った雪の急斜面の下りやトラバースはとにかく注意深くアイゼンを踏んで、ストックでバランスを取りながら下りました。夜明峠〜前社ヶ森の間でこの日一番のロープウェーで上がってきた単独行の登山者三人に会いました。
 
 成就社では玉屋旅館に寄って下山を告げ、お茶をもらいました。
 
 国道11号線近い加茂川の河原で昼食にしました。昔、飼っていた犬をよく走らせに来た所です。
 (清水)

   
      三の鎖付近のトラバース路 左の台形は瓶ヶ森               夜明峠からの石鎚山 目的の白銀の峠ではなか
                                                  ったが、これも春らしさを感じられます

コースタイム

3月21日(水)   3月22日(木)   
 下谷    15:10/15:40  成就社  03:55
 ロープウェー成就社駅  16:00/  前社ヶ森  05:15/05:20
 成就社、玉屋  16:20  夜明峠  05:45/06:50 
     二の鎖  07:20
     三の鎖  07:40/07:50
     弥山  8:00/9:40
     前社ヶ森  10:50
     成就社  12:00/12:15
     ロープウェー成就社駅  12:30/12:40
     下谷  13:00/13:15

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