北海道 知床 硫黄山山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

北海道 知床 硫黄山(1562.3m)山行記録

2018月15日(日曇り後雨 

降水確率60%で時間が遅いほど雨の可能性が高いとの予報に、宿の朝食を弁当に変えてもらい5:10硫黄山登山口へと出発する。
 暫くはオホーツク海を左に見ながら快適なドライブだ。昨日登った羅臼岳は山頂を滝雲?が隠しているが三ツ峰、サルシイ岳、オッカバケ岳、鋭角の硫黄山、憧れの縦走路が望める。やがて砂利道になる。道端の大きな蕗が土埃を被り息苦しそうにしている。カムイワッカ湯滝からと思える対向車に数台すれ違う。普通は早朝から動き出すのは殆ど登山者だが、広い北海道では観光地から観光地への動線が長いので早くから行動するのだろうか。

 カムイワッカ湯滝手前に登山者専用駐車がある。すでに2台の車が止まっている。準備を整えて、私達もカムイワッカ湯滝に向かって下ると、観光客用の駐車場はすでに何台もの車が止まっている。そこの小さな橋を渡り左に進むとゲートがある。道路通行許可申請をしないと、この先は進めない。事前申請を清水さんが済ませてくれているので私達は脇からはいり600m程歩く。やがて硫黄山登山口に着く。ここで宿が作ってくれたおにぎりを食べて朝食とする。

   
カムイワッカ湯滝    登山口 

 硫黄山案内板の立つ登山口から、幹が白っぽい明るい樹林帯を緩やかに登っていく。少し急登になったと思う間もなく、眼下にカムイワッカ川の見える尾根筋にでる。ここからは、深い谷を見下ろしながらの尾根道を進む。しっかり踏み跡があるので危なくない。

 旧硫黄鉱山跡に着く。採掘跡の縦穴は草木が育ちはじめ、枠組だったのか朽ちた木が残っている。砂粒程の黄色い硫黄のかけらも散乱している。下を覗けばカムイワッカ川に噴気が何本も上っているが、あの辺が源頭なのだろうか。上を見れば硫黄山山頂は霧が降りて姿を隠している。

 もう雨は近いと思う間もなくポツリと落ち始める。周りにゴロゴロとした岩が多くなる頃には本降りになり、回復も期待できなく新噴火口で残念だが下山した。

 ゲートまで戻ると多くの監視員?整備員?と観光客で賑わっている。「熊を見なかったか」と聞かれたが幸い糞らしい物はあったが見ていない。
 カムイワッカ湯滝の流れに手を入れると思ったよりぬるいが、上流にいけばもう少し温かいのかもしれない。カムイワッカ湯滝は滑床を流れる温泉で見た目も美しく、時間があればゆっくりと遊びたい。

   
カムイワッカ川中流の温泉から立ち上る蒸気    新噴火口と硫黄岳 最新の噴火は1935年 20万Tm
の硫黄を噴出した 
   
カムイワッカ湯滝上流の滑滝     

 ネイチャセンターに寄る。土産売り場で5本指の黒い靴下を見つける。カムイワッカ湯滝でこの靴下をはいて川を歩いていたグループいた。なんて準備の良い人達だろうと思ったがここで買い揃えたのかもしれない。 

知床五湖へ向かう車道の岩尾別橋近くでガードレール外にいるヒグマの親子に出会う。どうどうとして逃げる様子もなく、親子で草を食んでいる。北海道の山は数えきれないくらい訪れているがヒグマに出会うのは初めてだ。朝も車中から見たのだが、その時はガードレールの3本のワイヤーの真ん中に頭と前足を突っ込んで後ろ足を片方ずつ抜いて崖の下へ消えていった。大きな体なのに猫のようだと思った。ここは、ヒグマと人の共存が出来ているのだろう。

 知床五胡に着く。ガイドのいらない一湖コースを選び高架木道を歩くが強風に煽られ真っ直ぐ歩くこともままならず一湖まで行きそそくさと戻る。

   
林道脇に出てきたヒグマの親子    知床五湖 一湖の散策用木橋 
   
知床五湖 一湖     

 次はオシンコシンの滝、雨で水量が多いのか雄滝と女滝が並んで流れる迫力のある美しい滝だ。 

ウトロを離れて斜里のラーメン店で遅い昼食をとり、屈斜路硫黄山(アサトヌプリ)へ案内してもらう。広い駐車場の割に駐車している車の台数は少ないが、観光バスが止まっているので観光名所だと解る。山の裾野のいたるところから噴気が上がっていて強烈な硫黄の匂いがしてくる。
 地獄の1丁目(行った事ないけど)に来たような荒涼とした風景が目の前にある。立ち入り禁止柵はあるが噴気孔のすぐそばまで近づける。水蒸気と共に噴き出された硫黄の塊は今まで見たことのない純粋な黄色の小さなモンスターを幾つも作り出し、激しい地中の鼓動を感じさせる。

   
屈斜路カルデラ 硫黄山(アサトヌプリ)    硫黄が盛り上がった噴気口群 

 次は摩周湖へ向かうが湖だけでなく辺り一面が霧に包まれ、第一展望台へ寄るも見えるのは霧ばかりですぐに退散する。 

今日の宿、温泉民宿摩湖に着く。
 宿の人に夕食のできる店を何件か教えてもらい、レストラン「くいしんぼう」を選ぶ。高齢の夫婦が経営していて、店の構えは町食堂のような風情だが注文したビーフシチュウがとても美味しく良い一日の締めくくりが出来た。其々が違うメニューを注文したが、どれも美味しかったようだ。

 満腹となった後宿に戻り明日に備えた。(村上)


コースタイム

カムイワツカ登山者用P(250m) 6:10 行動時間 3:35
カムイワッカ湯ノ滝()290m) 6:20 歩行時間 2:50
硫黄山登山口(250m)朝食 6:30/6:45 休憩時間 0:45
岩場(440m) ミスルート 7:20/7:30
硫黄鉱山跡(250m) 7:50/8:00 GPS Geographica
新噴火口下 8:10/8:20 測定点数 345
硫黄鉱山跡(250m) 9:00 歩行距離 5.5km
硫黄山登山口(250m) 9:15 累積登高 391m
カムイワッカ湯ノ滝()290m) 9:25/9:35 累積下降 391m
カムイワツカ登山者用P(250m) 9:45/9:55


 
知床 硫黄山トラック地図 

参加者 会員4名(清水、岡村、白柳、村上)

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