京都北山井ノ口山の山行記録,巨杉群/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

京都北山 井ノ口山

2012年1月27日(金)曇り時々雪
 山があるクラブ・Uは1月17日の設立総会で代表、アドバイザー、リーダー、サブリーダーを選び会則を定めました。今回の山行は正式に会が発足して最初の山行で代表、サブリーダー、会員2名に入会希望の新人の合計5名が参加しました。1月25日から日本列島は寒気団に覆われ日本海側にドカ雪をもたらせています。まだ降り足りないとでも言いたげに今日も滋賀県北部に大雪警報が発令されている、このような気象状況の中での出発でした。
 出町柳発7:50の京都バス広河原行きに乗車して登山口に向かいます。バスは鞍馬川沿いの狭い道を鞍馬山を左に見て縫うように北上し花背峠を越えて進みます。叡山電鉄鞍馬駅を過ぎるころから路面に雪が現れ、道が鞍馬川から離れて花背峠に向かうあたりでバスはチェンを装着しました。我々は暖かいうちにとバスの中でスパッツを着け身支度万全です。
 原地中ノ町バス停着9:33、予定より5分遅れで到着しました。バス停から桂川(大堰川)をまたぐ吊橋を渡ると製材所があり作業員に挨拶をすると愛想よく「おはよう」と返事がありすがすがしい気持ちになります。製材所構内を抜けて10分のところで林道に入りしばらく歩いたところで道を間違えていることに気づき引き返すことになってしまいました。再び製材所構内を通るとき、先ほど挨拶してくれた作業員にどこへ行くのかと思ってたんだ、と声をかけられなにやらばつが悪いものの明るく笑い飛ばして正しい林道に入ったときにはバスを降りて小1時間たっていました。
 林道の入り口で積雪は20
cm、進むほどに雪が増え10:50にワカンを着けて一歩一歩丁寧に谷沿いに歩いて稜線の林道交差点に着いたのは正午でした。古い雪の上に新雪が30cmほど積もっておりおそらく地面からの積雪は70cm程度と思われます。ここで昼食休憩、小雪が舞い時々陽がさし無風、冬の山としてはまずまずの上天気です。コッフェルで湯を沸かして作ったポタージュは手を温め体を温め、うまいなーと歓声があがりました。少しとろみのある飲み物は冷めにくく雪に良く合っている。コッフェル、コンロ、水を背負ってきた清水さんありがとう。


   
             稜線の杉の巨木                                 稜線の杉の巨木

 50分の休憩で尾根伝いに井ノ口山に向かい30分ほど進むと登山道のすぐ右側に突然直径2メートルはあるかと思う巨大な杉が現れました。
 さらに急な雪の稜線を40分で井ノ口山と鍋谷山の別れに出ます。ここには左鍋谷山、直進井ノ口山の道標がほしいところですが何もありません。そういえば登山開始のときからこの山には道標がみあたりません。しかし道に沿って保有地境界の意味か、木杭が立ち上下2段にロープが張られ、随所にテープが巻かれて道を間違えることはありません。分岐点にリックを置いて歩き始めて10分で井ノ口山の三角点(779.1m)、さらに5分ほど下ると巨大な台杉群が目に飛び込んできます。根元の直径は5mくらいでしょうか、大きな根元から垂直に枝が伸びその数8本、いずれもが立派な用材になる太さです。このような巨大な杉の木をここだけで7本近く数えました。これらの杉の一帯は広く杭とロープで囲われ保護されています。台杉に見とれてここで30分、巨木から元気をもらいました。気温は-2℃でした。雪の山としては暖かいほうです。リックを置いた場所に戻ってコーヒーを沸かして一息入れ15時に下山を始めました。

  
      井ノ口山山頂近くの最大の伏状台杉                    巨杉群

 帰途往路で出会った登山道沿いの巨木を5人が両手を広げて取り囲むと、みなの手がかろうじて触れ合いました。両手の間隔を一人当たり1.6mとすれば幹周り8mにもなります。樹齢何年でしょう、500年でしょうかそれとも1000年でしょうか。森厳とでも言った気持ちになります。
 原地中ノ町のバス停に戻ったのが16:10、次のバスの時刻は17:14です。雪のチラつく中をじっとバスを待つわれわれではありません。このバスは停留所以外でも手を上げればそこから乗車できます。バス道路に沿ってバスに出会うまで歩くことになりました。道路にある電光掲示板には現在の気温-2℃とあります。
 後ろから軽四自動車が走ってきて我々の横で停車し、どこへ行ってきましたか、鍋谷山ですかと訊きます。井ノ口山へ行ってきましたと答えると、この山は個人の持ち物で入山に際しては持ち主の許可を取ってほしいと言われてしまいました。我々はインターネットで個人の山であることを知っていたのですが、連絡先が分からず前もって許可を得ることができませんでした。失礼をわび連絡先を訊くと、山によってみな持ち主が違うので一概には言えない、まず森林組合に問い合わせてほしいとのことでした。別に山菜を採取りに行くわけではないのでハイキング程度は大目に見ても良いように思いますが、厳しくしなければ貴重な台杉を守れないと言うことでしょう。
 花背交流の森前バス停で出町柳行きのバスに乗車、このバスはオルゴールを鳴らしながらやって来ましたが、これはおそらく乗車希望の歩行者にバスの接近を知らせるサインであろう。バスは定刻に出町柳に着きました。
 入会希望の新人には「山があるクラブ・U」を気に入ってもらえたであろうか。我々の山の会に入会してこれからも一緒に参加してくれるとよいがとみな思いました。入山許可をあらかじめ取れなかった失敗があったけれど、登山取り付け口を間違えて1時間の無駄足があったけれど、基本的に真面目で慎重で仲間を大切に山を楽しむクラブです。最近入部したばかりの私は素晴らしい山の会に入ったものとうれしく思ったことでした。(市橋)

参加者 5(清水、市橋、村上、岡村、(入会希望者)夏目)

コースタイム

出町柳発  07:50  京都バス 
井ノ口橋着  0933/0945  
林道終点、引き返し点  1020  
井ノ口林道入り口 1042  
稜線、林道交差点 120012:40  
井ノ口山鍋谷山分岐点 13501325  
井ノ口山  1400  
巨大台杉群 141514:30  
井ノ口山鍋谷山分岐点 144515:00  
稜線、林道交差点 1530  
井ノ口橋 1605  
花背交流の森 17:1017:20  京都バス
出町柳着 18:53   

   

               井ノ口山登山コース
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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