百里ヶ岳の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

百里ヶ岳

2012年4月28日(土) 快晴

車で千里中央、坂本、堅田とピックアップしてもらい、入会参加希望者の好青年1人を加えた総勢5名で朽木麻生木地山へと向かう。
 木地山集落の麻生川右岸の空き地に駐車し出発する。 

釣り人や鮮やかなピンクのシャクナゲを見ながら川沿いに進んで橋を渡り、植林地の林道を経て山道へと入る。北谷右岸沿いの少し高い斜面の横道を歩きながら上を見ると、小さな新芽をつけたブナの木々や、太い幹に大きな穴のあいた栃の木が大振りの新芽をつけ枝を広げている。又、足元に目を移すと白いミヤマカタバミの花や水溜りの中にヤモリがいて豊かな森を感じる。やがて沢と出会い、何回か左岸に右岸にと渡渉しながら進む。丸太2本が段違いに組まれた橋ではバランスをとるのが大変だったが、なんなく通過する

 
       小滝の連続する北谷の流れ

水流を伴ったサンバソウ谷を渡りその出合からさらに谷の右岸を進むと左の小さな沢を上りかける。ここに角棒に90度方向に板を打ち付けた古い道標があり、手前には「朽木」へ、そして右へは「木地山峠」と書かれている。そのまま小沢を突き上げる方が順当で、右へ曲がるのが唐突な感じがしたが、わざわざ道標があるので右へ泥と枯れ木の盛り上がりを越して本流の右岸に出る。
 すぐに流れは苔のついた岩の間を流れ落ちる樋状の斜瀑となり、危険で前に進めない。皆でどこかに踏み跡がないかと探すがなかなか見つからない。結局先ほどの小沢と本流を分ける左の高みへ登ると踏み跡があり、ツタに小さな赤テープが巻かれている。そこを少し登り左側を見ると木々の間から"虎"ロープも見える。
 <まさか。普通なら迷う所や分岐にはコース・サインがあるのに、それさえないこのコースにあるはずがない>と思いながら支尾根にでると又赤テープがあった。右手斜面に北谷高巻き道の踏み跡らしいのが見えるが自信がない。木地山峠への道はそこから沢沿いに上がっているはずだが。
 前を見ると皆はすでに西にコースを変え、ピーク711から東へ降りている支稜に取り付いて近若国境のトレイル尾根を目指している。藪のない支稜を直登すれば間違いなく尾根に出るので続く事にする。両手で木の枝等をつかみ急斜面を必死に這うように登るが、つま先だけで足の裏全体を使うことができずふくらはぎがピリピリと悲鳴をあげる。

やがてピーク711のトレイルの尾根に無事に着き、昼食とする。距離的には木地山峠経由を大幅にカットした形になり、時間的なロスを取り戻せたが、やはりつらい登りだった。 

午後からはトレイルを南にドンドン登り進めると、やがて広く木々が刈り取られた見晴らしの良い百里ケ岳山頂に着く。青い空と武奈ケ岳や琵琶湖の展望、小さな花を咲かせているミネザクラ、ツッピッピッピ高音で早口のヒガラの鳴き声、それを撮ろうとカメラをかまえる人、残雪を口に含む人、其々が山頂を楽しむ。交通の便が悪くてなかなか1人で来れない百里ケ岳だったが皆さんのお陰でやっと願いが叶い感謝と幸せな気持ちで一杯になる。

  
    百里ヶ岳山頂手前の小さな池        百里ヶ岳山頂 随分と刈り払われて、展望がよくなった

  
     山頂近くのブナ林の芽吹き             残雪の上に落ちたブナの実

コーヒーを飲みながらの団欒の後は往路をP711まで戻る。その先は計画通りなら北谷から到達するはずの木地山峠、東に進路が変わる桜谷山、さらに幾つかのコブを乗り越え<あぁ〜。しんどぉ>とため息がでて与助谷山に着く。
 下山は標識通りに進路を右にとって美しいブナ林を進む。やがて杉の間伐地の広くて迷いやすい斜面に出るが左側の支尾根に方向を変え、再びブナ林の中を下れば林道にでて木地山集落に戻る。 

   
        与助谷山山頂のブナ                     三角錐のブナの実から双葉が開いている

高島トレイル尾根は私たち以外の誰にも会わず静かで、ブナの双葉が一面に顔をだしていた。それを腹ばいになって写真を撮ったり、展望のある所では若狭の山々や湾を眺めたりと楽しくて充実した山行でした。又、長距離の車の運転を往復して戴いただいた清水さんに感謝します。(村上) 

2008年に木地山峠への道を通ってやはり道探ししました。またまたその再現で申し訳ありませんでした。その時のGPSデータがありましたので、地図詳細図に比較を示しました。道標で右に曲がらなくても真っ直ぐ進み、右上へ出ても、今回のトラックと合流するようです。その後のピーク711への支稜の取付けでは右斜め下に向かって右の谷の右岸沿いの道を探してそのまま登るのが正規のルートです。落葉で覆われていて遠目には分かりにくいところです。先の道標ですが4寸角位の角柱でしっかりしたものでしたが、今思えば何年か前の大きな出水時、上から2、30メートル流されてきた可能性もあります。我々はそれにだまされたのかも知れません。(清水)

参加者 5名(会員4名 清水、市橋、南井、村上 入会希望者1名 安藤) 

コースタイム

千里中央 07:20 P711m 14:30
比叡山坂本 08:15/08:20 木地山峠660m 14:45
堅田駅 08:35/08:40 桜谷山825m 15:10/15:20
道の駅朽木 09:10/09:30 P765m 15:45
朽木麻生木地山 9:50/10:00 与助谷山720m 15:55/16:10
左林道分岐 10:30 杉伐採地560m 16:30
右北の谷分岐 10:30 朽木麻生木地山 16:55/17:10
右木地山峠の道標 11:10 道の駅朽木 17:30/17:40
ルート探し 11:10/11:25 堅田駅 18:30
左支稜取付き 11:40 蛍池駅 19:50
稜線P711m 12:15/12:40
小池860m 13:05/13:15
百里ヶ岳 13:25/13:55

歩行距離 14.1km
累積標高 1262m

   

             今回の百里ヶ岳登山コース                           木地山峠へのコース 樋状滝付近の迷いやすい道の詳細図
                                                          緑線 2008年5月のトラック、赤線 今回のトラック
                                                          GPSの誤差のため滝付近で赤線が左岸に渡ったように描か
                                                          れているが、実際は左岸へは渡っていない。右岸のみ。 
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。



 木地山峠コースの困難個所のイメージ図

         
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