石川啄木がこよなく愛した故郷の山、姫神山は非火山性の山で盛岡市まで続く姫神花崗岩帯にあり浸食から取り残された残丘である。
また、姫神山、岩手山、早池峰山には「岩手の伝説」岩手三山伝承なる恋愛譚があるらしい。伝説は面白可笑しく伝えられるだけではなく、そこに歴史の真実が隠されていたり、昔人の苦悩や知恵があったりするかも?なので読んでみたい。
7月16日 曇り一時雨
阿倍野橋から1人、東梅田から2人が仙台行きの夜行バスに乗り込む。四国沖を北上中の台風11号を気にかけての出発となる。
7月17日 曇り
朝8:30予定通りバスが仙台に着く。何時雨が降ってもおかしくない空模様だが「盛岡はもっと北にあるから天気は未だ解らない」と気を取り直す。バスセンターで簡単に朝食をとり盛岡行のバスに乗り継ぐ。最近の夜行バスはリクライングシートをフラット状態に近づけてあり昔のバスから比べると楽だが、やはり熟睡はできていなく盛岡に着くまでウトウトとして途中の景色を殆ど見る事がなかった。
岩手に先行して入っている南井さんが姫神山登山口迎えの予定を変更してJR盛岡駅までレンタカーで迎えに来てくれている。ここで東北山行参加者全員が揃う。40分程車を走らせると1本杉登山口に着く。 舗装された広い駐車場に1台だけ車が止まっている。連休前の午後からの登山なので登る人も少ないのだろう。その横に我々も車を止め遅い昼食をとる。登る準備をしていると車の主が汗だくで下山してくる。少し話をした後、登山コース案内板と登山届場のあるトイレの間から登山道に入る。草地の中の道はアザミ、ツキミソウ等が咲き、蝶がヒラヒラと舞っている。夢中でカメラを構える南井さんをおいて3人は先に進むがすぐに追いついてくる。
少し進み1本杉登山口の道標がある自然林から杉林の緩やかな坂を登ると、すぐに1本杉登山口の由来であろう樹齢300年の杉の大木を右手にみる。その奥に1本杉清水があるが飲めないらしい。
やがて急な長い丸太階段が続き「ざんげ坂」と書かれている。「階段登りはしんどいなぁ」と思いながら一歩一歩進み左に曲がると、尾根にのり5合目標識のある小さな広場にでる。小休止とする。
6合目、7合目は気持ちの良い自然林の中を歩く。木の根が張っていたり、大小の岩が出はじめたり、丸太の階段があったりだが、それなりに整備のされた登山道だ。
大岩に架かる4段の梯子を登り暫くすると尾根を乗り換える。8合目からは笹原道になり展望も出てくるがすぐに大小の岩を越えて進む事になる。
やがて道の両側に小さな石の祠が現れ、右側は「病や災難を救う神」と書かれた薬師神社、左側は若宮神社と書かれている。手をあわせる。それから左にコースをとり進むと間もなく山頂に着く。山頂は山頂姫神大権現を祀る本宮神社の祠、地面に刺さる剣、1等三角点山頂標識、大小の露出した岩塊、なにかバラバラで雑多な感じだが霧がなければ360度の展望を楽しめるはずだ。中でも明日に登る秀麗な姿の岩手山を見たかったが叶わない。霧が流され一瞬、下の牧場がみえ期待したがすぐに見えなくなった。
記念撮影の後、往路を辿り下山を開始する。途中、もうスピードで駆け登る青年にあう。山頂であった1人とあわせて今日あう3人目の登山者だ。道を譲りのんびりと下山して登山口近くまで来ると彼がもう山頂を踏んで下山して来ている。言葉を交わすと豊中から来たと言う。急に親しみを感じて一緒に写真に納まったりして別れる。
薬師神社 | 山頂の岩 | |
キヤマキンバイ(バラ科) | 姫神山山頂で |
今日の宿、民宿竹の屋に着く。宿の主人からグレートトラバースⅡの田中陽希さんが7月12日に姫神山に登り竹の屋に泊まったと聞く。
今日は雨に降られなかったが展望を楽しむことができなかった。明日の岩手山に期待したい。
参加者 会員4名(村上、岡村、白柳、南井)
コースタイム
7/16 | 出発~帰着までの時間 | 3:05 | ||
大阪あべの橋 | 20:00 | |||
7/17 | 歩行時間 | |||
仙台 | 8:27/9:00 | 休憩時間 | ||
盛岡駅 | 11:27/11:50 | 歩行距離 | ||
一本杉駐車場 | 12:30/12:55 | 累積登高 | ||
一本杉 | 12:55 | 累積下降 | ||
五合目 | 13:20/13:25 | |||
八合目 | 13:45 | |||
姫神山山頂 | 14:25/14:50 | |||
登山口(車) | 16:00 | |||
竹の屋 | 16:15 |