岩手 早池峰山の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

岩手 大震災ボランティアと早池峰山 ハヤチネウスユキソウ

2011年7月13日(水)〜17日(日)

5月に続いてまた岩手にボランティアに行ってきました。
今回も"遠野まごころねっと"の活動に参加しました。寝泊りは体育館の床の上です。
7/14  釜石市の根浜の海岸の津波で掘れてしまった松原の松根の根元を清掃してに土を入れ枯死の防止作業。
7/15  釜石市の箱崎の国道の側溝のアスファルト、石、泥の除去作業。
    深さ数10センチの溝と思いましたが、巾1m深さ1.8mもの溝でスコップで身の丈以上まですくった泥を放るのは大変なものでした。大きなアスファルト板、大石が70-80cmも堆積していました。
7/16  釜石市越喜来で子供向け人形劇とお絵描きの手伝い。この模様は7月21日NHK神戸から放映されました。 


 この3日間のボランティア活動の後、花の見頃の早池峰山へ登ってきました。
 
 早池峰山(1914)は岩手県では岩手山(2038)に次ぐ高峰で、県の東半分を占める北上山地の最高峰です。遠野市や花巻市そして北上の人にとっては人の霊が帰るところとされ聖地になっています。早池峰神社やその分社が信仰されています。
 "ハヤチネ"の音は心涼しい名前です。北上山地は日本では最も古くからある安定な楯状の陸地です。そして山がかんらん岩や蛇紋岩(ともに鉄とマグネシウムの珪酸塩)からなっていて超塩基性(アルカリ性)で一般の植物が生育しにくい環境のため、特異な種のみ生育する山です。
北海道のアポイ山、夕張岳、尾瀬の至仏山、四国東赤石山もその少ない例で、国の天然記念物となっています。
 特に有名なのは、山頂付近に生えるハヤチネウスユキソウです。日本の薄雪草数種の中では最もヨーロッパアルプスの名花、エーデルテイス(Edelweiss 高貴な白の意、こちらは塩基性とは言え、石灰岩地帯に育つ)に似ていて、フェルトが厚く、大きい花を咲かせます。
 
7月16日(土) 晴れ
 ボランティアを終え、JRで花巻まで戻り、予約していた空港のマツダレンタカーに行き、1泊2日で車を借りました。5,900円ほどです。
この後、山の麓の早池峰神社の坊や宿舎のある岳集落(空港から約40km)へ向かい、途中で電話して日向坊という民宿を予約しました。
 夕食は質素ながら品数もあり、おいしくいただきました。風呂に入り、久し振りに布団の上で眠りました。夕食付きで5,000円でした。
 
7月17日(日) 晴れ
 花巻発14:00のフライトに間に合わすため12:30に空港に着くように岳を11:30には出なくてはいけません。朝3時に起きて、4時に登山口の河原坊まで行ったところそこの高山植物の詰所の監視員のオジサンに土、日、祝日の交通規制で、5-13時の間は岳以遠の道は全く車を動かせないので11時半頃車で下る計画は破綻しました。入るのはともかく、出るのは認めてもらえるのを期待していたのですが。
 オジサンの言うように結局また岳まで戻り、5:30発の1番のシャトルバスで登ってくることとしました。登山口発は6時過ぎとなり結局2時間の時間ロスとなりました。
 
                              頂上
               3:20 ↑ /     \   2:20 ↑
              2:50↓/         \ 1:50↓
岳   ⇔  河原坊   ⇔    小田越え
   バス  0:15           バス 0:06  
 
1.河原坊-頂上-小田越え-(バス6分)河原坊で5:16(徒歩5:10)
2.河原坊--(バス6分)小田越え-頂上-小田越え--(バス6分)河原坊で4:22(徒歩4:10)
3.河原坊--(バス6分)小田越え-頂上-河原坊で5:00(徒歩5:10)
がガイドブックの時間でしたのでかなり心配しました。
 
 結局最短の2のコースとして、もしうまくゆけば3のコースということにしました。
 小田越えからの登りは空気も澄んで天気は上々でしたが、6-8合目の間は猛烈な西風で寒いくらいでした。花も風で揺れて撮るのも苦労しました。途中休憩もせず一気に登りました。

   
           小田越えから見る早池峰山                           八合目付近の蛇紋岩の岩場

 頂上のお花畑は広くはありませんがヨツバシオガマ、タカネシオガマ、ミヤマアズマギク、ミヤマカラマツ、ハクサンボウフウ、コバイケイソウそしてマルバシモツケ等が咲き、岩場にはミヤマオダマキ、ハヤチネウスユキソウ、ミネウスユキソウ、ホソバツメクサなどが咲いていました。ナンブトウチソウはまだ花は開いていませんでした。
 写真の後遅い朝食を取りました。思ったよりずっと早く頂上についたので正面沢を下りました。急ですが、風当りはほとんどなく、下の方は暑さを感じました。岩場の紫色の鮮やかなミヤマオダマキや白花の美しいハヤチネウスユキソウを写しながら下りました。麓にはセンジュガンピやオニシモツケが咲いていました。河原坊には誰よりもずっと早く着いて、朝会った監視員のオジサンや自然保護のボランティアの人達と40分近く、山や震災のことを話しながら過ごして、帰りのシャトルバスに乗りました。

   
  早池峰山山頂のお花畑 ヨツバシオガマ、ハクサンボウフウ                      チングルマ

   
         正面沢上部に咲くミヤマオダマキ                       正面沢上部に咲くハヤチネウスユキソウ
 
小田越え6:05発 頂上7:45着/8:20発  河原坊10:00着(徒歩3:20)となりました。結局1994年7月中旬に行った時と同じコースとなりました。
 途中早池峰湖湖畔の道の駅、空港の近くのガソリンスタンドなどでのんびりしたり、荷造りなどしてから、空港のレンタカー店に帰りました。
(清水)


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