京都 地蔵山、竜ヶ岳山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

京都 地蔵山、竜ヶ岳 
  2019915日(日)晴れ
 
 集合場所の八木駅に電車が着く。長閑な駅舎と雲ひとつない青い空が迎えてくれる。今日の天気予報は晴れ・気温36℃とでている。暑さに弱い私は家を出る前から「ばてる」と弱音を吐く。
 駅から越畑まではタクシーの予定だったが体験参加のkさんが車で来ているので同乗させてもらう。

 越畑に着き、駐車スペースのある路肩に車を止め出発する。登山口へのアプローチは色々あるようだが、今日のリーダ清水さんが下見してくれているので後に続く。

 越畑は京都市右京区で[にほんの里百選]に選ばれ棚田が有名らしい。集落も斜面を段々に切り開き家々が寄り添って建っている。
 車で来た道を少し戻ると地蔵山への標識があり、そこを右に民家の間をぬって登っていく。
 民家が途切れると舗装道からダートに変わり、すぐに動物除けのゲートが前を塞ぐ。ゲート横にある網を潜って緩やかな植林帯の林道を進んで行く。

 すこしの坂を登るともう芦見峠に着く。交差点で明るく峠らしい雰囲気を醸しだしている。

     
 越畑南ノ町 京の田舎らしい雰囲気    芦見峠

 休憩後、一面に蕨のはえる緩やかな斜面を南東へ進む。自然林の気持ちの良い山道をどんどん進むと下りはじめる。
「おかしい」地蔵山への分岐を見落としたようだ。地蔵山へは南へ行かなければならないので急斜面をよじ登って修正する。

 前方に芦見峠で私達が追い越した二人組の後ろ姿が見える。正しい登山道に戻ったようだが、南西に広い稜線で踏み跡も薄く迷いやすい場所なので4人が離れないように歩く。再度、2人組の前に出て急な斜面を登るとやがて緩やかになる。

 さらにフエンス沿いに進むと西向宝庫地蔵尊が西を向いて有られる。傍の馬酔木が追い被さった道を進み少しの急斜面を登りきると広場の中央にケルンのある地蔵山に着く。昼食とする。

     
芦見峠から地蔵山への道    地蔵山山頂
     
北稜線から見た地蔵山   地蔵山北稜線から見た愛宕山 

 山頂から南に少し下り登り返すと反射板のある頂きに着く。振り返るとさっきまで居た地蔵山、滝谷を挟んで対峙する竜ケ岳、前方は頂きを緑濃くした愛宕山だが未だ遠くに見える。

 小さなアップダウンを繰り返し気持ちの良い自然林の中を進む。その先は急に大木が根っこを見せて倒れていたりする荒れた道になり抜けると樒原ー愛宕山道に出る。
この道を愛宕山へ向かって行くと行くと愛宕山スキー場跡の看板があり次いで竜ヶ岳への分岐がある。
予定では愛宕山をピストンしてから竜ケ岳だったが何回も行っている山なのでカットして竜ケ岳へ向かう事にする。これが後に幸となる。

 竜ケ岳への尾根道はゴツゴツとした岩があったりもするが歩きやすく、最後の急登で山頂に着く。京都タワーのある京都市内が眺望できる。後は下って芦見谷川沿いに歩き、芦見峠に出て戻れば終わりと呑気な気持ちになる。

   
竜ヶ岳分岐    アイタケ(ベニタケ科)
   
ツチカブリ(ベニタケ科)   竜ヶ岳への道 
     
竜ヶ岳山頂から京都市の下京区や西京区を見る    竜ヶ岳山頂

 小休憩の後北へ向かう細い道へ向かうとすぐに道は東向きとなる。道らしい道のない標高差250mを木の枝を掴んだりしながら東へ慎重に激降下する。途中、若い男性がこの激急坂を登ってくるのに会う。どの方面から来たのか聞きたかったが、自分の足元を確保して下ることに必死で聞きそびれる。愛宕山から地蔵山へ向かう人には愛宕山からだろうと思いながらも何人も声をかけたのに肝心の所で聞けていない。もしかしたら芦見谷川の情報を得られたかもしれないと後で思った。

 芦見谷の出合いから芦見谷川に沿って下る。上流は竜の小屋、首なし地蔵に通じる。川の流れは穏やかで水は清いが踏み跡らしい道がなく右岸、左岸へと歩ける場所を見つけながら何度も渡渉を繰り返す。へつりとは言えない斜めに足を置けるか置けないような場所も通る。

 やがて林道が現れ安堵するが、道路端のコンクリートと道の間に溝が出来ていたり、コンクリートが道路から引き離され無残に川の中へ押し出されている箇所も出てくる。

滝谷との出合いに着くと目を疑う光景が現れる。両側の山斜面が崩壊して林道が流失している。河床には根こそぎ崩れ落ちた大木や木々の枝が残っていて、自然の威力を見せつけられる。

 こんな場所にもクリンソウが1株大きな葉を広げてはえている。

 この崩壊箇所を回避する方法はあるのかリーダが川の中筋を降り様子見に行ったが戻ってくる。川が大きくカーブをしていてこの先に林道が続くのか目視できないようだ。

最悪竜ヶ岳へ戻る事も考え、手近な踏み跡を追って登ってみるがすぐに踏み跡がなくなる。

日が落ちるのも怖く、チームの体力も考えてくれたのだろう、リーダが川を下る決断をしたので覚悟を決めて後に続く。

川の中の石や木々を越え、潜りながらカーブを回りきると続きの林道が現れた。「その道は上流にあった林道の高さから想定していた山肌をカットした位置よりもずっと下の川床に近く、しかもカーブの後に隠れていたので初めの偵察で見つからなかった」と言うことだった。「もう20mも先まで偵察していたらよかったのに」とリーダーは反省していた。

   
竜ヶ岳から東の芦見谷へ下る急な坂道    標高差250mの激しい降り
   
芦見谷に着く    芦見谷の沢下り 
   
 左側山腹の林道が流された谷を下る 
右側(左岸)は大きく山崩れしている 
  右岸の川床近くの林道(下流側)

水の中を歩く覚悟をしたが靴の中を濡らすことなく林道にあがれた。後は崩壊箇所がないことを祈りながら芦見峠分岐まで歩く。

橋を渡ると芦見峠入口がある。細い道で解りづらく注意がいるようだが、私は最後尾を歩いていたので皆さんに続いて難なく進む。緩やかに登っていくと朝に通った芦見峠に着く。ホームに戻ったようにホッとする。

さらに下って動物除けのゲートの環貫を外して集落に入る。朝は見なかった村人も仕事を終えたのかチラホラと見える。

Kさんの車で八木駅まで戻り解散とする。

愛宕山をカットした事による時間の余裕ができ難所でも焦ることなく行動でき、無事に戻ってみれば楽しい山行だった。 (文 村上)

地蔵山から竜ヶ岳へのトラックマップ 


 参加者: 会員4名 清水、村上、吉井、 体験1名 香川 計4名

コースタイム

JR八木駅 8:55/9:10 行動時間 7:35
嵯峨越畑南ノ町 9:25/9:30 歩行時間 6:35
登山路入口 9:45 休憩時間 1:00
芦見峠 10:05/10:10
路分岐(山腹路へ入り込む) 10:20 GPS Geographica
山腹登高(620) 10:30 測定点数 399
稜線路(700m) 10:45 歩行距離 13.26km
稜線路(830m) 11:10/11:15 累積登高 902.1m
地蔵山(947m) 11:40/12:10 累積下降 902.1m
分岐 12:40
分岐(樒原ー愛宕山道) 12:40
竜ヶ岳分岐 12:55
竜ヶ岳(921m) 13:40/13:50
芦見谷川(620m) 14:15
林道 14:45
林道(休憩) 14:40/14:50
崩壊地(林道流失 ルート探し) 15:05
林道 15:45
橋、芦見峠への分岐 16:10
芦見峠 16:25/16:30
嵯峨越畑南ノ町 17:10/17:30
JR八木駅 18:15/18:35

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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