広島 吾妻山、比婆山、立烏帽子山(個人)山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

広島 吾妻山(1,238.4m)、比婆山(1,264m)、立烏帽子山(1,299.1m)

2021101 曇り晴れ
 道後山を登って、すぐに吾妻山高原に向かう。
 三坂に下り、183号で西条へそして比和から432号で山王へ。山王から吾妻高原への案内板に従って東に三河内集落へ。そこから林道を10数キロで吾妻高原の駐車場に着いた。

 時刻は1410分。キャンプ場はキャンプ禁止になっているので駐車場での車中泊とした。

 隣りに島根県から来たと言う、車2台、45人のパーティーが山へ登る準備をしていた。
 これから大膳原の避難小屋まで行って、泊まると言う。
 大膳原も、避難小屋も知らなかったので、これから登るのかと感心した。
 地図で調べると巻道を利用して、1時間半くらいで着けそうだ。

 夜は薄いガスが出て、星空撮影もできないので、早めに寝る。
 

102() 快晴
 朝3時過ぎ目を覚ます。外はと見れば頭上はよく晴れている。
 三脚に小型赤道儀ポラリエをセットして北極星の方向を合わせてから目ぼしい星と星座に焦点を合わせて幾枚撮影する。まずまず写っている。
 望遠写真でなければ、シャッターシャッター時間10秒〜20秒では赤道儀はなくても星は点として写ることが分かった。

   
オリオン座とシリウス(下中央) 左端のこいぬ座のプロキオン、
オリオンのベテルギウス そしてシリウスはきれいな正三角形
になっている。
  左の写真より少し左にずらしての撮影。左下は三日月 。その上
立ににふたつ並んだふたご座のカストルとポルックスが見える。

 ラーメンとバンそしてスープの朝食を済まし、ヘッドランプも要らなくなった630分、出発する。

 吾妻山へは灌木の中につけられた直線状の、広い山路をゆく。中程から少し傾斜も出てきて山路らしくなる。
 ここもマツムシソウやヤマラッキョウの花が見られる。シラネニンジンの花は趣きがある。

 登山口から標高差240m余り。35分ほどで山頂に着いた。天気は申し分ない。

 南には吾妻高原休暇村の宿舎などが見え、さらに山また山がずっと広がり、平地らしいものは全く見えない。休暇村は今回の新型コロナウイルスの影響か、この春に完全に営業を停止したそうだ。
 北側はこれも同じような標高の山また山が続き、最奥に、少しもやって大山が頭を持ち上げていた。

 
 ツリカネニンジン(キキョウ科)    吾妻山山頂 背景は東北島、大山方面。霞んで写ってない。
 
東南方向の展望。左端は立烏帽子山。真ん中は毛無山(1,2530m) 
   
大山方向。もや除去操作で見やすくした。    御ヤマリンドウ(リンドウ科) 
     
ヤマラッキョウ(ユリ科)    

 山頂から花の咲く路は南に向かうが展望は素晴らしい。200mほどで、左に鋭角に下る路が分かれる。この路を取って大きなジグザグを行くと、駐車場からの巻道に出る。この辺り背の高い灌木林の中だ。
 路を左に取って行くと、ススキが多くなり、幅広い主稜線になると一面ススキの原となる。大膳原と呼ばれている高原である。

 前にゆったりした烏帽子山、比婆山がそしてさらにその右に立烏帽子山が立っている。
 立烏帽子山はこの山域で最も高く、標高1299.1mあり、傾斜もあり山らしい。 
 今日は比婆山まで行って引き返すつもりだったが、立烏帽子山もなかなかの魅力だ。

 ススキの路には花も昨日道後山で見たのと同じ種類の、アキノキリンソウ、オヤマリンドウ、マツムシソウそしてウメバチソウなどが咲いている。

 原の中ほどに「大膳原キャンプ場」と書いた道標があり、キャンプ場と避難小屋を覗いてみる。キャンプサイトは林の中にあり、涼しそうだ。炊事建屋もあり水もある。   避難小屋はさらに20mほどのところにある。ドアを開けると、昨日会った島根県のグループか出かける準備をしているところだった。

     
 大膳原キャンプ場    
   
大膳原避難小屋     大膳原避難小屋 内部 梁が立派。

 まだ新しい小屋は8mx12m近い平家で窓を広く取り、明るい。山小屋と言うより、学校の工作室のようで、むき出しの天井梁は自然木の生地と湾曲を生かしていて素敵な小屋だ。登山口からも近いので、利用しやすいと思う。

 小屋を出て、大膳原の縦走路に戻る。先の入口から50m行ったところにもキャンプ場入口があった。烏帽子山(1,225.1m)手前の最低鞍部1,010m)は「横田別」と言われていて、落葉樹林の中だ。

 横田別から烏帽子山山頂へは、標高差215m40分で着く。途中、御陵近道との標識が標高1,180m地点にある。この時は御陵あるいは比婆山陵と比婆山山頂の、位置関係を知らなかったので、無視して烏帽子山山頂へ急いだ。頂上手前で路は北尾根へ向かい、それから超鋭角的に右の路を南に戻るように行くと山頂の原の道標が立っている。

 おかしな方向をたどったため、方向感覚が狂う。GPSで方向を確認してそのまま南方向の比婆山へ向かう。道標には比婆山と言う名前はなく、御陵とだけ表示されている。御陵イコール比婆山と読み替えればいいとその後理解した。

 ブナとミズナラの混交林を進むと地図の比婆山山頂(1264m)に御陵と書かれた標柱があるが、墓らしいものはない。さらに200mほど行くと、石柱で丸く囲った、御陵に着いた。

 古事記の伝説にある日本の国産みをしたイザナギ、イザナミノミコトの夫婦だが、イザナミガなくなった後この比婆山に葬られたと書かれている。庄原市の教育委員会がその古事記の伝説の説明板を設置している。ただ比婆山の比定地はいくつかあり、宮内庁は比婆山の御陵を認めていない。

 神官や公卿が持つ、杓に使われる位も高いとされるイチイがこの辺りに多いらしいが、御陵にも胴周り4m近いイチイの木も立っていて、伝説の地らしい。ひと休みする。

   
ブナ林   
   
イザナミノミコトの墓所と伝えられる比婆山御陵    御陵のイチイの大木 
   
ブナ、ミズナラ林     

 ここで、さらに先にある立烏帽子山を往復しても、なんとか出発地の駐車場へ1430分位には帰れそうだ。折角なので立烏帽子山まで行くことにする。

 一旦、ミズナラやカエデの林の中の路を越原越(1,160m)と言うコルまで下る。そしてそこから左に立烏帽子山の中腹を巻くように進むと立烏帽子山駐車場の約20mほど上に出る。

 ここから頂上に向けて標高差110mを登ると標柱一本が立つだけのせまい立烏帽子(1,299.1m)山頂があった。ここで昼食とする。見晴らしは少し西へ行ったところがよく、池の段(1,280m)とその南に続く稜線が立木もなく、スッキリして気持いい。

 池の段へは楽々だ。

     
 立烏帽子山山頂   池ノ段の展望 
     
池の段から見た立烏帽子山    


 池の段から越原越へ下り、帰路に着く。烏帽子山山頂はバスして近道を使って横田別へ降り、大膳原からは、吾妻山の巻道を通って駐車場へ下る。着時間14時丁度、無理もせず、余裕を残しての13kmの歩きだった。

 
ウメバチソウ   オヤマリンドウ(リンドウ科) 
   
広い大膳原のススキ     

 明日の登山のため車を三瓶山へ向かって出発させた。 (文 清水)



コースタイム

吾妻山国民休暇村駐車場(1,020m)(320km) 6:30 所要時間駐車場~
稜線   各山頂~駐車場) 7:30
吾妻山(1,238.4m) 7:05/7:15 歩行時間 6:35
巻路合流点(1,120m) 7:35 休憩時間(訓練0:40を含む) 0:55
大膳原キャンプ場、避難小屋(1,040m) 7:50/7:55 測定機器 スマホ
横田別(最低暗部) 8:10 ソフト ジオグラフィカ
比婆山御陵近道分岐(1,180m) 8:30 測定点数 413
烏帽子山 8:50/8:55 歩行距離 5.25km
比婆山御陵近道合流点(1,190m) 9:00 累積登高 338m
比婆山山頂(1,264m) 9:20 累積下降 338m
比婆山山頂(1,260m)御陵 9:20
越原越(1,160m) 9:55
立烏帽子駐車場上分岐(1,190m) 10:20
立烏帽子山(1,199.1m) 10:40/10:55
池ノ段(1,260m) 11:10/11:15
越原越(1,160m) 11:35/11:40
比婆山山頂(1,260m)御陵 12:05/12:10
比婆山御陵近道合流点(1,190m) 12:25
比婆山御陵近道分岐(1,180m) 12:30
横田別(最低暗部) 12:45
大膳原キャンプ場、避難小屋(1,040m) 13:00/13:10
吾妻山巻道分岐(1,120m) 13:30
吾妻山国民休暇村駐車場(1,020m)(320km) 14:00/14:20
10.01
道後山スキー場月見ヶ丘駐車場(260km) 13:00
三坂、土居、西城、比和、山王、
三河内、
吾妻山国民休暇村駐車場(320km) 14:10

コースタイム(ジオグラフィカ記録)

 
吾妻山、烏帽子山、比婆山、立烏帽子山トラック地図

参加者    会員8名(岡村、清水、白柳、塚本、永井、橋爪、南井。村上)

山行記録トップへ

     
     



「山があるクラブ・Ⅱ」 HOME