京都大文字山,如意ヶ岳の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

大文字山、如意ケ岳ハイク

2011年3月19日(土) 晴れ

京阪で出町柳駅東口ファミリーマート前に予定通り全員集合した。すぐの市バスで銀閣寺道まで行く。哲学の路、そしてまだ開店早々の土産物屋の並ぶ銀閣寺参道を抜けて登山路に出る。中高年の登山者が三々五々登って行く。少し町から入っただけなのに静かで深い山の中に入った感じである。ジグザク路を登ってゆくと、ナラの木の伐採作業に出会う。ナガノキクイムシによるナラ枯れした木々を伐採して、短く束ねたものをビニルシートで包んで薬品で薫蒸している。

そこからすぐに大文字の字の横一文字の火床に出た。京都市街を見下ろす広い展望地にもなっている。休憩して景色を眺め、写真を撮る。

   
   大文字山火床から西の京都市内を見下ろす                            大文字山火床
   左側に吉田山と御所、そして遠方に愛宕山が見える

一文字の左から右に向け草の中の路を斜めに登ると縦の火床の線に沿った階段があり、この頂点からは森の中に入る。路も広く林の中の気持ちがいい。稜線を東に1キロ弱行ったところが三角点のあるところで、大文字山を下から見た時の頂点よりかなり奥である。三等三角点の側には高さ、直径とも80センチ近い八角形のコンクリート柱がたっていて、このあたりのベテランといった男性が、これは初期の地形基線測点で大変珍しいものであると解説してくれた。西側は林で邪魔されて見えず、京都市の南部から山科が見渡せた。

少し行くと路が左右に分かれる。左は池谷薬草園、比叡平との表示があるが右には表示はない。右側を取り進む。路は狭くなり、訪れる人も大文字山までとは違いずっと少ないことを示している。桧林で陽が遮られているコル状の左に雨神社(またの名は水神社)の小さな社がある。脇の屋根の下に水も湧くようだが、水溜りのようなものでとても飲めるものではない。

ここからは上り加減に行き、途中右に下りまたは巻き道があり、また次いで右に行く巻き路らしいものがあるがこれは侵入禁止の木を渡してある。いずれも左の登り路を行くと、如意ケ岳山頂の航空局のアンテナ設備の防護ネットに突き当たる。ここは右に巻く道があり少し下ってから登り返すと、設備の東の門の前の車道に出た。日当たりのいい芝生があり、ここで昼食とする。湯を沸かしてスープを作り、体を温めた。

 

昼食の後は車道を行く。500mほど行った左にカーブするところ、右側のガードレールの切れ目から下に行く山路がある。消えかかったようなマジックインクで「三井寺へ」と書かれているが分かりにくい。如意ケ岳の東に走る稜線には3本の送電線が南北に渡っているが、最も西側の送電線の下である。さらに300m行ったやはり左にカーブする地点、そして第二の送電線が車道を横切るところの右側のガードレールの下が掘り込まれていて、山路が下っている。ここもよく見るとマジックで三井寺方面と書かれている。これを下るとすぐに先ほどの降り口から来た路と合流し。稜線を東に続いている。やがて十字路に出る。標識があり、真っ直ぐ行けば三井寺へ、左には長等山三角点へ、右には藤尾へと分かれる。ここは三角点へ往復する。皇子山ゴルフ場の境界沿いに十字の分岐点よりも25mも下がったところにある小さなコブに370.1mの三角点があった。昔ここより東南の350mの小ピークに三角点があったものをここに移転させたとそこで会った地元の人から、聞いた。

十字路から急な下りとなり、Kの字型の分岐に着いた。看板があり、そこにはこれからは三井寺の所有地につき、通行者は寺を抜けるとき総門等で「ひとり500円払ってください」と書かれていた。水やコーヒーも残っていたのでここでまた湯を沸かし、コーヒータイムとした。これから下ると穴太積みの石垣を廻らせた塔頭が並ぶ三井寺境内となり、ゆっくりと落ち着いた寺の中を通り抜ける。桜が多く植えられた境内はもう二週間もすれば素晴らしい景色になるに違いない。

三井寺を出ると、すぐに琵琶湖疏水の取水口である。明治の青年技師、田邊朔郎によって設計された近代遺産である。伊藤博文の揮毫の彫られた第一隧道まで歩いた。豊かに流れる冷たそうな水、両岸の法面に植えられた蕾の膨らんだ桜並木と水仙の白い楚々たる花に近い春を感じて三井寺駅へと向かった。

三条京阪で電車を降り、三条通りを西に向かい、高瀬川を過ぎてすぐ、新選組の急襲で名高い池田屋の地にある、その名も池田屋という居酒屋に入りビールで喉を潤し、おしゃべりして散会した。

東日本大震災以来、一週間あまりの鬱々とした日々を忘れさせてくれ、生き返させてくれた山歩きでした。(清水)

 

参加者 4名

 

コースタイム

京阪出町柳駅東口  09:00/09:03 
銀閣寺道バス停 09:12 
大文字中央火床  09:50/10:15 
大文字山三角点(465)  10:30/10:45 
雨神社(水神社)  11:00/11:05 
如意ケ岳(472) 昼食  11:20/12:10 
長等山三角点分岐  12:40 
長等山三角点(370)  12:50/12:55 
長等山三角点分岐  13:00
三井寺、小関峠道分岐 コーヒータイム 13:20/13:50 
三井寺  14:10/14:20 
琵琶湖疏水取水口  14:30/14:45 
京阪三井寺  14:55 
京阪浜大津駅  15:02/15:03 

歩行距離 10.6km
累積標高 710m



                                大文字山、如意ヶ岳トラック地図
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

山行記録トップへ

「山があるクラブ・U」 HOME