鳥海山山スキー(個人)
2014年4月26日(土)~28日(月)
昨年4月八甲田山と鳥海山に山スキーに行き、特に初めての鳥海山は登山口の祓川から山頂まで無木立の雪の斜面が続いていて、気持ちよく滑ることができた。残念ながら山頂まで行けず、9合目で引き返したので、是非とも次は登頂したいと思い続けていた。今回天候やフライトのチケツトの空席等をウォッチングした結果、昨年とほぼ同時期の4月26日(土)~28日(月)秋田へでかけることができた。
4月26日(土) 快晴
鳥海山への登頂は翌27日と決めていたのでこの日は特に急ぐつもりはなかったので秋田空港からレンタカーで大仙市経由、秋田県の内陸を走り、鳥海山の北麓の由利本荘市矢島をめざした。真っ直ぐ矢島へ向かう道はなく、峠をいくつか越えるなどして結構時間がかかる。結局日本海側を本荘に出て、国道108に出る方が時間的には早かった。鳥海山の麓の矢島のセブンイレブンで弁当を買い、祓川へ向う。
矢島スキー場入口からさらに行った標高700mあたりから雪のブナ林に入る。前日開通したばかりの道はきれいに除雪されていた。昨年よりも積雪は少なく、天気もよいので路面は乾いていた
祓川登山口の手前では道の両脇の雪の壁は5、6mになっていた。12時前に祓川登山口に着いた。駐車場には20台近い車があった。山から降りて来た登山者に聞いてみるとこの日は30名近くの人が登ったらしい。昼食を取ってからスキーを担いで祓川ヒュッテの先、標高差約100mを登って、足慣らしということでスキーでゆっくりと滑って降りた。柔らかい雪だった。この日矢島付近でも25℃にもなっていたので当然だった。
この後林道脇の湿原のミズバショウの群落を見たりしながら矢島へ下り、マックスバリユーに寄って翌日の弁当や茶などを買ってからこの日の宿、猿倉温泉の鳥海荘へ向う。17時前に到着する。鳥海荘は鳥海山の白くきれいな富士山の形を部屋から望めるきれいな宿だった。
前日の4月25日開通したばかりの矢島ー祓川林道 祓川登山口手前の林道 雪の壁の高さは5~6m |
林道脇の湿原に群生するミズバショウ |
4月27日(日) 快晴
鳥海荘は山登り客が多い宿らしく朝食は4時から可能ということで、5時の予約をしておいた。これほど早い朝食が可能の宿は珍しい。その早い朝食を済ましてから、また祓川に向う。6時半に着く。駐車している車は40台以上。わずかに空いていたスペースに停めることができた。隣に岡山から車で来たという2名のパーティがいて、私より先に出発して行った。山スキーではなく、徒歩登山で、昨日は磐梯山に雄国沼の方から登ったとか。
6:45 スキーにシールを貼り、リュックに着けて出発する。目の前には鳥海山が白い斜面を山頂までせり上げている。前後してどんどん登山者が登ってゆく。
ワンピッチ1時間程度のペースを考えていたが、最初は休みなしで1時間35分歩いて七つ釜避難小屋近くまで行く。そこからも真っ直ぐ登る。1,750mあたりから傾斜がきつくなるが、気温も高く、雪も柔らかめで、トレースをたどればアイゼンも着けなくてもそれほど苦しまずに登れる。昨年は雪が硬く、アイスバーン化していたためシールによる直登が難しく、ジグザクを織り込んで登ったところだ。
1,920m付近で第一回目の昼食とする。ここからアイゼンを着けて登る。もうほとんどの山スキーヤーはシール登高にしているが、板をリュックに着けて登る方が楽なので、そのまま登る。幸い昨年のような突風も吹かないのでバランスを崩す不安もない。
昨年の到達点、2,050m付近でシール登高にする。肩は楽になったが、足の方はやはり重い。右前に頂上が見えて来る。雪面は一定の傾斜で頂上まで続いている。この最後の170m程は40歩行って数秒休みというリズムを繰り返してようやく先行した30名近くの登山者が休んでいる外輪頂上、七高山(2,229m)に着いた。10:50だった。
次々に登山者が登ってくる。この日150名ほどが登ったようだが、山スキー70%、徒歩20%、ボード10%くらいの割合だろうか。
前にカルデラの凹部を隔てて、中央火口丘である新山(2,236m)が白いドームを見せていた。20名程度が新山の頂にいた。夏なら直径数メートルの溶岩塊が重なり険しい感じの新山だか、今は雪で岩はほとんど隠されていた。
シールをはずして、二回目の昼食を摂る。隣に先着した岡山の二人がいた。空は快晴ながら、春霞で遠望は利かず、麓までの雪の斜面の広がりが見えるだけだった。
時間があるので新山へも行こうと険しい外輪の内側の壁を下ってみたが、たった3mの高さながら70度以上の手がかりのない雪の壁があり、これを落ちるとさらに10m近く落ち込むという具合で、ザイルなしに下るのは危険なので、残念だが引き返した。夏は鎖があるらしいが今は雪の下だ。
頂上に45分いて、下りの滑降に入る。初め人がほとんど滑っていない東面を滑り、その後、登りに取ったコースを下り、次いで登りコースよりも大きく左側、西側を滑り降りた。七つ釜避難小屋からはまた登路に沿い下ってから左側の広い緩やかな雪面を大きく巻いて滑り、祓川ヒュッテへ帰ってきた。登山口着12:30。随分のんびりと大回りして滑って降りたものの、頂上から休憩5分を含め1時間かからず帰ってきた。登りが休憩込みで4時間ほどなので、その四分の一だ。
靴を脱いだり、スキー板をタオルで拭ったりしていると岡山のお二人も帰ってきた。頑張って降りて来たとかでわずか1時間20分ほどで降りたこととなる。確かに条件さえよければ雪山では夏山よりずっと楽に登り降りできる。特に下りでは木の根や岩に引っかかることもなく真っ直ぐ、半分滑らせながら降りることができるし、もし滑って転んでも痛くはないそんな好条件も結構ある。
この後、月山へ向うというお二人と別れて、昨日予約した大仙市大曲のビジネスホテルへ向けて走り、17時前にホテルに着いた。
登山開始 祓川ヒュッテ付近 | 海抜1,650m付近 | |
2,000m付近を登る | 外輪頂上から見た新山(2,236m) | |
外輪と新山東面 新山へは左の外輪壁を下りその後 取り付く |
1,730m付近から山頂を見上げる |
4月28日(日) 曇り一時小雨
この日は登山とは関係なく、予定通り花見をして周る。
朝、仙北市角館に出て、今満開の武家屋敷街のシダレザクラや桧内川堤のソメイヨシノ並木をじっくり見て周る。弘前に次ぐ東北のサクラの名所だ。
2度目の訪問だが、前回はシダレザクラの開花3、4分咲きだったので、今回は恵まれていたとも言えるが、晴れ空というわけに行かず、花の色が冴えなかったのは残念だった。角館はサクラの他、武家屋敷、ここの出身の日本画家の美術館、山桜の皮を漆で張った樺細工やイタヤカエデの材を細いテープとしてこれを編んだりするイタヤ細工など観る物が多い。
角館の後、これも以前見て良かった同市西木八津のカタクリ群生地を訪ねた。広い自生地、隣接した計30箇所余り、計20haにカタクリがピンクのしとねを広げていた。
15時前に秋田空港へ戻り、予定より1便早いフライトで伊丹空港へ帰ることができた。(清水)
角館、武家屋敷街のシダレザクラ | 西木八津のカタクリ群生地 栗林などに群生 |
参加者 会員1名(清水信)
コースタイム
4月26日(木) | 4月27日(月) | 4月28日(月) | |||||
伊丹空港 | 7:40 | 猿倉温泉鳥海荘 | 5:45 | 大曲 | 7:35 | ||
秋田空港 | 9:00/9:20 | 祓川 1,180m | 6:30/6:45 | 角館 | 8:10/11:50 | ||
矢島 | 11:50/12:00 | 七ツ釜避難小屋1,570m | 8:20 | 西木八津 | 12:10/15:00 | ||
祓川 | 12:50/13:40 | 1,730m | 9:00/9:05 | 秋田空港 | 15:40/16:20 | ||
1,300m | 14:05/14:15 | 1,930m | 9:35/9:55 | 伊丹空港 | 17:45 | ||
祓川 | 14:30/15:00 | 2,050m | |||||
矢島 | 16:00/16:20 | 外輪、七高山山頂2,229m | 10:50/11:35 | ||||
猿倉温泉鳥海荘 | 16:40 | 1,360m | 12:15/12:20 | ||||
祓川 | 12:30/12:50 | ||||||
矢島 | 13:30/14:05 | ||||||
大曲 | 16:50 | ||||||
鳥海山ルートまとめ | |||||||
所要時間 | 5:45 | ||||||
休憩時間 | 1:15 | ||||||
歩行時間 | 3:40 | ||||||
滑走時間 | 0:55 | ||||||
距離 | 10.9km | ||||||
内登り距離 | 4.5km | ||||||
累積登高、下降 | 1,335m |
鳥海山トラック地図 |
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。
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