鳥海山他山スキー(個人)山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

鳥海山他山スキー(個人) 
2013年4月25日(木)~30日(火)

 27日から30日、八甲田山、鳥海山そして月山を滑りませんかと、昨年7月北岳へも同行した菅さんから誘いを受けた。すでに八甲田山は5回、そして月山3回滑っているのと3月に八甲田山には行ったばかりなので少し考えたが、弘前城の桜と鳥海山の初めての山スキーに惹かれて出かけることととなった。
 マイレージ特典を使ったフライトの関係で25日の午後の伊丹発で青森へ飛んだ。
 弘前へのバスからは津軽の象徴、岩木山がずっと見えていた。
 26日は一日かけて弘前城や市内を歩いて周り、これまで2度来ただけの弘前市の地理をはっきり把握することができた。
 弘前城の桜はまだ蕾の状態で、開花予想は翌28日とされていたが、今年の4月に入ってからの東北の寒さですっかり桜の花も遅れている。結局5月3日2~3分咲き、5日に満開になったようだ。

 27日は八甲田山へ行く予定だったが、朝から小雨模様で、山スキーは無理と、菅さんの車で岩木山神社や青森市内の市立森林博物館そして県立美術館などを見てから予約していた黒石温泉の宿に泊まった。

     
 青森行きJAL機から見た鳥海山 左上の雪原を
今回滑降した
   青森市立森林博物館 林業、樹木について多く
の資料が展示されていた 映画「八甲田山」のロケ地

南八甲田山横岳 
4月28日(日) 曇り
 この日は3月と同じコースで南八甲田山の横岳へ登る。雲が低く垂れ込め天候は回復する様子はない。気温は低く、ブナの木の枝には樹氷が付いている。上部のアオモリトドマツに入るとここも樹氷が発達していて、一旦融け落ちたモンスターが再生しそうなほどにもなっている。
 頂上近くの雪原とアオモリトドマツ帯ではガスが深くなり、雪の表面もクラストしていて、帰りの滑りがガタガタするだけなので頂上(1339m)まで約1km、標高差90mの地点で引き返すこととして、軽い食事を取った。
 スキーを履いて下ろうとすると登山口で見かけた10人ほどのワカン、スノーシューのグループが登ってきた。彼らもここで引き返すということだった。
 上部のアオモリトドマツの間の雪は良かったが、中間部のブナ林では雪が重く、板がはまりこんで、足が取られ2,3度転倒した。下部は雪が柔らかになり、足を取られることもなく問題なく滑り降りた。勝手に滑り、最後はGPSでコースを修正することで、ピタリ登山口へ降りることができた。
 この後黒石IC~碇ヶ関IC~北秋田市~五城目八郎潟IC~本庄IC経由で由利本庄市に入った。ゆっくり北上する桜前線とこの街で会うことができた。

     
 ブナ林の樹氷   アオモリトドマツの樹氷 

鳥海山
4月29日(月休) 快晴
 天気予報では好天気で、気温も高いと伝えていた。期待に満ちて、何回かこの鳥海山を滑っている菅さんの運転で登山口、5合目の祓川へ向う。途中麓からも白一色の緩やかなコニーデの山体がまぶしい。ブナ林の中に続く道の両側の雪の壁は徐々に高さをまして2m近くなる。
 祓川の手前の道路や駐車場には30台近くの車が停まっていて登山者が出発の準備をしていた。幸い駐車場に空いたスペースがあり、そこに車を停めて出発する。
 菅さんはいつも通り、シールを付けたショートスキーで登り、私はスキー板をリュックにつけて登る。すぐに祓川ヒュッテに出て、外輪最高点七高山(2229m)まで続く緩やかな雪原を登る。
風邪気味という菅さんが大分遅れる。2度程追いつくのを待ってまた登る。1700m付近で斜面は硬いクラストになり、傾斜も付いてくる。時々突風が吹くようになる。さして危険というほどでないがシール登高に切り替える。風にはよいけれども、担いで登るより疲れる。
 1830m地点でまた相棒を待つが、側を通り過ぎてゆく登山者もほとんどなくなり、それらしい姿が来ない。どうしたのか心配になる。もしかしたら右側のコースへコース変更したのかも知れない。そちらにはまだ20名近い登山者が見える。そちらへトラバースすることとしたが、シールをはずしてまた付け直す手間も面倒でシールのままトラバースする。雨滴がのはね返りがそのまま凍ったようなアイスバーンで傾斜もある。シールなしならスーッと斜滑降で渡れたが、シールを付けてはエッジの効きも悪く、滑りだしたら、急に制動がかかり、転倒して滑落の危険がある。とにかく注意深くやや登り気味にトラバースして進んだ。時々谷側の右のエッジが滑りヒャッとしながら15分間かけて渡りきる。
 このトラバースを終えるとすぐ前を行く菅さんが見つかりホッとした。
 ここからさらに登った1990m地点、8合目半付近で休憩して昼食とした。その間も登山者が山頂に向って登って行く。山スキーが6割、ワカンやスノーシューが4割という割合だろうか。この日150名近い人達が登ったと思う。
 我々はここで引き返すこととしたがもう少し上の斜面に出ると、七高山頂上が見えそうなので私だけツボ足で2080m地点まで登ってみた。標高差140m、距離400mほど行けば頂上で、そこは9合目ともいうべきところだった。雪の斜面の上にわずかに頂上らしいものが見えた。
 休憩地に戻り、そこから祓川へ向け大滑降に入る。ゆるやかな広い斜面はコースをどのように左右に振ろうが全く自由だ。山スキーの醍醐味だ。アイスバーンも所々あるものの何ということなく降る。写真撮影などもしながらもアッという間に祓川に着いた。12時50分である。
 無木立の標高差1000mもの広い斜面を気持ちよく滑れる鳥海山は素晴らしいところだった。いつかもう一度来れるといいなと思った。

     
 北麓から見た鳥海山 登山口の祓川は左端    祓川登山口 トイレ等もある
     
祓川登山口付近からの鳥海山     6合目付近から上部を望む
     
 9合目から頂上方面を見る     仁賀保への道の脇で見た水芭蕉

30日(火)。
 月山で山スキーするつもりでいたが、朝方は小雨で、月山はあきらめ、鶴岡市内の観光と湯殿山神社参拝に切り替える。鶴岡公園は2度目だが、今回その後できた藤沢周平記念館などを見てから、鶴岡と寒河江を結ぶ国道112号を走って途中湯殿山神社へ向う。昼過ぎにには空も晴れ上がり月山の山肌がまぶしい。参篭所までの自動車用道路は有料でやはり雪の壁の中の道である。そこから約2kmを参詣用のシャトルバスに乗り神社に着いた。誰にも言ってはならないという御神体を初めて拝観した。昨日から参道も神社も開いたばかりとのこと、何も知らずやって来たがラッキーだった。この日は米沢経由でき喜多方まで走るという菅さんに寄り道して山形空港まで送ってもらい、ひと便早いフライトで夕刻に伊丹空港へ着くことができた。

 4日間に渉り、長い道を運転し、また宿の手配等していただいた菅さんに心から感謝します。体調の悪いときは申し訳ありませんでした。 (清水信)

     
 道の駅「月山」で見たカタクリとエゾエンゴサク    湯殿山神社参篭所の大鳥居
     
 湯殿山有料道路から見た月山の峰々  


参加者 会員1
(清水信)、会員外1名(菅)、計2名

コースタイム

4月25日(木) 4月28日(日)  4月29日(月休)    4月30日(火)    
伊丹空港 15:45 黒石  8:15  由利本荘  6:10  鶴岡市内観光   
青森空港 17:10/17:30 城ヶ倉スノーシェルター  8:30/8:50  祓川  7:10/7:25  道の駅月山 11:50/12:45 
弘前プリンスH 18:00 横岳 1250m地点 9:00/9:10  左コース7合目 9:05/9:15  湯殿山神社 14:10/14:10 
城ヶ倉スノーシェルター  11:10  右コース8合目 9:55/10:15  山形空港  15:35/15:50
黒石IC 13:00  右コース8合目半  10:55/11:20  伊丹空港  17:10  
4月26日(金) 碇ヶ関IC 13:30  9合目  10:35/11:40 
弘前市内観光 北秋田市綴子 14:25/14:55 右コース8合目半 11:45/11:55 
五城目八郎潟IC 16:10 左コース7合目  12:25 
本荘IC 17:10  祓川   12:50/13:10 
4月27日(土) 由利本荘市グランドH泊 17:40  仁賀保 14:40 
岩木神社 本荘城桜見物   鶴岡 16:30
青森市内観光
黒石宝温泉泊    
                 
      横岳ルートまとめ    鳥海山ルートまとめ   
      所要時間  2:50  所要時間  5:25 
      休憩時間  0:25  休憩時間  1:30 
      歩行、滑走時間  2:25  歩行、滑走時間  3:55 
      滑走時間  0:30  滑走時間   0:55     
      距離  5.2km  距離  9.4km 
      累積登高(下降)  791m  累積下降  1000m 

     
 南八甲田山横岳トラック地図    鳥海山トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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