奥伊吹 ブンゲン山の山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・U」登山クラブ

山行記録

奥伊吹 ブンゲン山(1259.7m) 

20121125日(日)快晴

 8時20分、名神高速道菩提寺PAで全員が集合した。
 朝は冷え込んだが抜けるような空で今日一日の楽しい山旅が約束されたようだ。道は三連休の最終日とあって自家用車の列が続く。
 米原ICで一般道に下りて、奥伊吹へ向かう。右手には明るい伊吹山の山肌が大きく迫ってくる。やがて道は姉川の谷に入り、静かな日本の原風景と言った景色の中を進んで奥伊吹スキー場の駐車場に着いた。。
 山奥の静かなところと思っていたが一番広い駐車場は「JAFスピード行事競技コース」認定のジムカーナ(自動車運転競技会場)になっていて車をドリフトしたり、スピンする練習が行われていて、キキーッとその急ブレーキ音とタイヤのこすれる高い音がしていて騒々しい。タイヤから上がる紫の煙とゴムの焼ける臭いが流れている。駐車場にはスポーツカーが並んでいて、若者たちがタイヤ交換している。

 予定のコースの出発点、若竹荘へ回って、奥さんらしい人に挨拶して、南の庭を横切らせてもらう。ここから登る大長谷本流、西北尾根コースは若竹荘のご主人が切り開かれたものである。
 建物の西の細い路に入り、庭を横切り、そして南の斜面を登りきり、大長谷へ降る。この谷を渡ると路は左右二つに分かれる。左は取水用の黒いパイプが2,3本走った路で谷の奥に続いている。きれいに刈込みされているので。こちらから取水地点から右の尾根に取り付く路があるものと思われたが、以前ここへきたことのある南井リーダーはこの路は途絶えていて引き返したと言う。右手の路は踏み跡がわずかで分かりにくいが、赤テープが何ヶ所かにあり、こちらのコースが確実と言うことで杉の林を稜線を目指す。少し登ると路らしくなり、急な路を登りまずは一服する。

     
 大長谷の流れを渡る    西北尾根のブナ林

 ここからは特に問題なく、大きな団栗の実を落としているミズナラの林の稜線を進む。
 1010mの地点で休憩する。このあたりからはブナの林になる。左前方にブンゲンが見える。11時過ぎなのに空はあくまでも青く雲ひとつない。ひょっとしてこの山行の唄い文句だった「白銀の北アルプスが見える」が本当になるのではと内心期待が高まった。
 このあたりからは路も緩やかとなり、ずんずんと進む。標高1150m付近からは笹ヤブとなり、時々笹に身体をはじかれるような抵抗を受ける。初めは脇の笹も少し刈ってあったが、その後はそれもなく完全に笹が路を塞ぐようになった。笹の下の踏み跡を見失わないようにしばらく多少稜線の北側を押し進んで行くと突然パッと視界が開け念願のブンゲンの頂上に出た。
 1100m付近でも見えた白山はもちろん、真正面の御岳山、乗鞍岳そして北アルプスの穂高岳〜槍ヶ岳の連峰が真っ白にはっきり見えている。もう皆も夢中でこれらの山々を見つめたまま立っている。背のリュックを下ろすのも忘れたままで!!

 
 ブンゲン山山頂からのパノラマ 左の白山、中央槍、穂高連峰、乗鞍岳、御岳山 右に中央アルプス、南アルプス、恵那山
 手前中央の山は貝月山(1234m)    写真3枚をPhotoShopElementを使ってパノラマ合成

 やはり槍、穂高は関心の的である。しかし槍の穂先は何故かはっきりは見えない。槍の穂先は痩せているし、意外と小さいので、見えにくい。雪も付きにくいのでより見えにくいということもあるのかもしれない。さらによく見てゆくと笠が岳の尖り、そしてその左には黒部五郎岳らしい小ピークも見える。
 御岳山の右には中央アルプスの木曽駒ヶ岳、空木岳等の連嶺が光り、さらにその右に南アルプスの峰々が見える。農鳥岳、塩見岳、荒川岳、東岳、赤石岳などなど。恵那山は雪はなく黒々と鍋をさかさまにした姿で自己主張している。農鳥岳の左を注意深くたどると白いピークがあり、間ノ岳らしい。北岳はとそれらしい位置を見ると確かに白い峰がある。手前の中央アルプスの安平路山(2363.1m)の右にわずかに白く見える。富士山も探してみるがここからは地球の丸みによる沈み込みの影響と手前の南アルプスの遮蔽で物理的に不可能なようだ。
 白山の左にはまだ黒い筋も交えた能郷白山(1617m)が、そして右には別山(2399m)がそびえている。
 皆カメラでそれらの山々を存分に撮る。

     
 ブンゲン山山頂からの能郷白山、白山そして別山    笠ヶ岳、槍ヶ岳、穂高岳そして乗鞍岳

 少し落ち着いて、周りの低い山々を見ると、御岳山の手前にはブンゲン山と峰続きの貝月山(1234m 覚えやすい標高だ)がすっかり葉を落とした冬枯れの山肌を広げていた。 目を反対に向けると南に逆光の中、伊吹山とその手前に同じような形の虎子山(183.2m)が見え、さらに西には琵琶湖や湖北の山々が見えた。
 
 今日の登りはこれでほぼ終わった。気持ちも安らいで、この大展望を目の前にしてのんびり昼食そしてコーヒーを味わった。

     
 ブンゲン山山頂にて   1226mピークからブナ林の県境稜線を行く 

 ブンゲン山からスキー場の天狗岩コース(10番リフト)頂上の1226mピークまではきれいに刈り払いされた路が続いている。ところどころ10センチ以上の雪が残っている。
 1226mピーク付近は下生えのないブナ林の緩やかな尾根で気持いい。冬シーズンは雪と樹氷ですばらしいメルヒェンの世界になる。東に県境尾根を行き、今は使用されていない対岸のリフトの上駅に向かって尾根の左の谷に下る。わずかな踏み跡があるだけである。10月の探査行で東の日越峠からこのリフト駅を目指したもののヤブに拒まれて引き返したので、こちら側からはどうなっているか確かめたくて、リフト駅に登る路を探る。谷に下りたところに路が上がっていたが、その手前にうるさいヤブがあり、これを避けて東側の沢に入ってみたが、こちらからは路がない。また次の機会にルートを探ることとして結局引き返した。
 リフトの下の旧スキーコースを降って品又峠、そして日の出山のチャレンジコース、5番リフト頂上駅まで行き、西側のスキーゲレンデや金糞山を見ながらひと休みとした。このあたりは花崗岩が風化してできた、白い砂の山である。西には天狗岩コースの折り返しもよく見え、その向うには琵琶湖も見えて気持ちいい場所だ。ついでにすぐそばの日の出山頂上(1045.6m)のラセン階段の付いた鉄製の展望台に登り、もう一度東の北アルプスや乗鞍岳、そして御岳山を見た。東南の山肌の落葉したブナ林が斜光を浴びて白い幹や枝が黒い山肌に浮かび上がって美しかった。白山はと気づいて見ると北隣の山が邪魔して全くみることはできなかった。

     
 日の出山から見た天狗岩コースと琵琶湖    日の出山から見た県境尾根のブナ林

 全てに恵まれた今日の山旅に満足して、チャンピオンコースを夕陽に向かって気持ちよく降り、出発地の駐車場へ戻った。

 
 チャンピオン゙コースを下る

 帰路、道の駅「伊吹の里」へ寄って、並べられた安い野菜や柿など家への土産を買った。自分らだけが幸せだったことの申し訳なさの意味合いもこめて。 (清水信)

参加者 会員6(南井、清水信、清水ひ、白柳、田中、村上)、会員外1名(澤村)、計7名

コースタイム

千里中央 7:30
吹田IC 7:40
菩提寺PA 8:15/8:25
多賀SA 8:50/9:10
米原IC 9:20
奥伊吹スキー場駐車場 9:50/10:00
大長谷 10:20/10:40
稜線810m地点 10:50/10:55
稜線1010m地点 11:25/11:35
ブンゲン山 12:20/13:15
1226mピーク 13:35/13:40
廃リフト頂上駅下 13:50/13:55
日の出山 14:20/14:45
奥伊吹スキー場駐車場 15:20/15:35
道の駅 伊吹の里 16:00/16:20
米原IC 16:35
多賀SA 16:45/17:00
吹田IC 19:15
千里中央 19:30

歩行距離 8.7km 累積登高 840m 実歩行時間 3:45



                  奥伊吹 ブンゲン山トラック地図                                 
この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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