赤石連峰山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

赤石連峰
2013年5月5日(日)~6日(月)

5月5日(日曜日) 快晴 
 7時20分にJR川西池田駅に昌角、RITE山があるクラブの中野さんが集合し女性同士は初対面で簡単に挨拶し清水さんの車に乗り込む。
 宝塚ICから高速に乗り、途中の龍野PAなどで運転を交代しながら新居浜ICへ向かう。お天気も良く、途中に少し渋滞にもあいながらも順調に瀬戸大橋を渡り、私としては四国初上陸である。約3時間半で新居浜ICを降り、すぐのコンビニで、一日目を同行して下さる新居浜在住の大賀さんと合流し、簡単に自己紹介をした後、昼食などの買出しをして車二台で登山口へ向かう

 
 約30分程、山の中の道を行くと今回の赤石連峰縦走への登山口「大永山トンネル」の手前あたり、笹ヶ峰やちち山(乳山)などがよく見渡せる場所に車をとめ、しばらく記念撮影、雄大な山並みを見ながら、ここで昼食にする。
 それから下山口の筏津の駐車場まで車二台で行き、清水さんの車を置いて大賀さんの車に全員乗り込み、大永山トンネル東口の登山口へ向かう。筏津、大永山共にたくさんの車がとまっている。
 
今日は宿泊する「銅山峰ヒュッテ」までを歩く。
大賀さんを先頭に13時すぎ、大永山トンネル東登山口を出発、狭い路をグングン登って行く。途中、鶯の鳴き声が何度も聞こえたり、大賀さんによる鳥の解説もありながら暫くは林の中を登る。1時間15分程登ったところで、一回目の休憩、清水さんよりドリップコーヒーを振舞って頂き、大賀さんより清美ゴールド、小夏みかんを頂く。疲れもいっきに吹き飛ぶ。
 さらに30分程、笹原の中をかきわけ綱繰山を目指す。視界が開けると北西斜面の所々にアケボノツツジが花を開かせているが満開とまではいかず。斜面に咲き乱れる様を想像していたので少々残念でした。しかし、晴天に恵まれたため綱繰山からは明日、縦走する西赤石山から物住頭、前赤石、八巻山、東赤石山まで見渡せ気持ちが良い。

     
 綱繰山のアケボノツツジ    綱繰山西斜面のアケボノツツジの群落 この斜面全面
がアケボノツツジだが、まだほとんど咲いていない。

 笹原をかきわけ進むと、今日はヒュッテに泊まらないという大賀さんは、時間の関係で、西山方面までの途中で一人登山口まで引き返される事になり、私たちとはここでお別れとなる。明日もご一緒できれば嬉しかったのですが。
 三人になりしばらく下ると西山山頂方面と西山を巻くルートの分岐にあたり、巻き道を進む。途中より視界が開け、赤石山を望むことができる。清水さんより、ツガザクラやヒカゲツツジ、カラマツ(落葉松)、そしてミツバツツジなど教えて頂きながら歩いていく。
 別子銅山の遺跡も現れる。昔は牛車で銅を運んだという道も残っている。この道を登ると、幅5m程の石組みが現れ、銅山越に到着、リュックを置き石囲いの中のお地蔵様に手を合わせる。たまたま出会った別のグループにここで写真をとってもらい、15分程休憩、清水さんよりミカン、中野さんよりドライフルーツを頂く。少し風が出てきて冷えてきた。

 いよいよ今夜の宿泊場所、銅山峰ヒュッテへ向けて林の中を下って行く。16時40分頃到着、ヒュッテの脇にはヒカゲツツジが満開の花をつけ綺麗に咲いていた。

 ヒュッテ前のベンチに親子のグループがおられ、宿泊されるとのこと、今夜の宿泊はこの親子と私達の2組のみである。ヒュッテ前からは新居浜の街が綺麗に見える。ヒュッテの女将さん、伊藤緑さんに温かく出迎えて頂き、三人には広いお部屋を案内していただく。夕食は6時にしてもらい、それまで山の話しなどをしながら清水さんの持参のビールで乾杯させてもらう。さすがに山小屋でじっとしていると体が冷えてきて、女性二人はカイロを足や腰に貼ったりして何とか寒さをやり過ごす。
 お部屋で夕食を頂いた後は、特にすることもなく、女性は寒さに耐えられず、早々に布団を敷き、布団に入り暖まりながら暫くお喋りしていた。「星空が綺麗かなあ?見ておけば良かった」と布団に入りながら言っていたが、そのうち眠りについてしまった。

     
 銅山峰ヒュッテの裏のヒカゲツツジ(黄)とミツバツツジ   銅山峰ヒュッテから見る新居浜とその港の夜景 

 5月6日(日曜日) 快晴
 二日目の朝、玄関でヒュッテの女将さんと記念撮影をしてお別れし6時過ぎに出発。大賀さん急な用ができて今日は同行されないとの事で、三人でまずは西赤石山を目指す。銅山越を通らず、少々急登であるがわずかな踏み跡を頼りに近道を登り45分程で稜線の分岐点へ出る。7時。朝日が山々を照らし幻想的な雰囲気、何と清々しい事でしょう!澄んだ空気と素晴らしい景色を前に、ここで朝食にする。清水さんよりコーンスープをいれていただく。
 出発するときヒュッテで一緒だった親子にも出会う。私達より早くヒュッテを出発されたが、銅山越を通ってこられたらしい。
 朝食後、尾根を東へたどり、いくつかのピークを過ぎると景色の見渡せる場所から石鎚山を望む事ができた。暫くして最後の岩場を登ると、西赤石山へ到着。赤石山は、かんらん岩と蛇紋岩(含マグネシウム、酸化鉄)の山で、標高は低いけれど高山植物が多いらしい。360度山々が見渡せ、心地いい風が吹き気持ちがいい。今登ってきた南西の銅山越方面に、ちち山、笹ヶ峰、沓掛山、瓶ケ森、さらに奥に石鎚山を望むことができた。北の方角には新居浜の市街地も見渡せる。
北西の斜面中程、東平(とうなる)のあたりに銅山の東平歴史資料館が見え、その右の山の頂にはかっては小学校もあったと清水さんより説明を頂く。さらに岩場を緩やかに登り下りする。6月頃に白い小さな鈴蘭の様な花をつけるというツガザクラの群落もみられるが、ほんの少し蕾をつけているだけだった。
 太陽を浴びながら草地を歩くと暫くで、物住頭山頂へ。9時15分。目の前には前赤石山の黒い岩峰ががそびえる。清水さんよりミカンを頂き10分程休憩の後、前赤石へむかう。前赤石山を登るには時間がかかるため、西面の巻道を通る事にする。蛇紋岩という、岩の所々に蘚苔類のミヤマハナゴケの10~20cm程の絵をかいたような白い模様のある岩場を行く。足を踏み外せば岩肌を数百mは転げ落ちそうな崖スレスレの路や、スパイダーマンのように?岩を這うようによじ登ったりしながら、何とかここをやり過ごした。ロッククライミングの練習?になったかな。皆、無事に岩場を通り抜けたが、高所恐怖症の私は腰が引けて心臓の鼓動が早まった。

     
 西赤石、銅山越、およびヒュッテの分岐点から高知県
境の山々を見る 空気が澄んでいると太平洋が見える
   西赤石山への稜線から中央、石鎚山を望む
その左は瓶ヶ森、手前の尖りは沓掛山その右は黒
森山
     
 物住頭から右、前赤石山、中央はエビラと二ツ岳、
左遠景は赤星山
   前赤石山の厳しい巻き道 岩は蛇紋岩やかんらん岩

 目の前には八巻山の岩峰の連なりが現れ、時間をかけて慎重に岩稜の連続を登り下りと繰り返す。途中、ショウジョウバカマも咲いており、ピンクの花にホっと心が和む。
 清水さんより八巻山山頂まで数m岩場を登ると聞き、ザックを置いて身軽になり岩場を軽い足取りでよじ登る。「着いたー!」と声をあげ、下を覗きみると断崖が!とたんに心臓がバクバクしてくる。ふと東の前方を見ると、ピークらしき岩峰が二つポコポコと見える。手前の岩峰が今いるところよりも高く見え、その奥の岩峰もさらに高く見える。???清水さんがGPSで確認されると、手前の岩峰が今の所より10m程高いとの事。アレが八巻山???見るからに岩がゴツゴツ突出していて見た目にもかなり距離もあり、そう簡単に行けそうにもない。が、行くしかない。一度岩場を降り、蛇紋岩の特徴的な岩や崖を慎重にルートを確認し、足場を探しながら進む。途中、八巻山方面からきたグループに出会う。南斜面には赤石山荘の屋根が見える。しかし、登ったり下ったり、難しい岩稜の連続で幾つもピークがあり、なかなか八巻山にたどり着けない。途中いくつかハシゴも掛けられていた。八巻山山頂手前の数mの岩場は、50cm程の岩や小さな石がゴロゴロと浮いていて、落石の危険あり一人ずつ慎重に登っていった。そして「登山道」という小さな標識を見つけるとすぐ八巻山山頂に到着!11時45分。山頂の標識もあり「やっと山頂!」と思わず声が出た。思ったより時間もかかり、ほとんど岩をよじ登りズリズリと滑り降り?厳しい路をクリア出来た事に充足感でいっぱいになった。「八巻山って八つも巻いて巻いて到達することか?」なんて言いながら、岩の上に腰を下ろす。ここでようやく最後の最高峰、東赤石山を見る。もうすぐ目の前である。お昼も近いので、八巻山と東赤石山のコルで昼食にすべく出発、日差しも少し出てきて暑くなってくる。

     
 八巻山 西側から手前が二峰、右側は主峰を見る    八巻山稜線直下の大岩 わずかなバランスで下の岩
に乗っている 二ッ岳
     
 八巻山主峰手前の登り 落石しやすいところ    八巻山主峰から東赤石山ーを見る 遠方は二ツ岳

 12時半頃、林の木陰で昼食にする。清水さんや大賀さんに頂いた清美ゴールド、小夏みかんも配られる。東赤石山まであと少しの登りなので、昼食場所にザックを置いて、身軽なまま山頂を目指す。10分程で到着。今回の山行の最高峰にて記念撮影をする。早朝6時からの急登、笹原をかきわけ登ったり、厳しい岩山もあり、と変化に富んだコースを歩いたことへの満足感で笑顔がでる。360度の山並みを暫く眺め名残惜しくも、下山することにする。東赤石山から筏津駐車場まで1100mの下りである。下り始めてすぐ、ヒュッテで一緒だった親子に遭遇、前赤石からルートを見失い、赤石山荘に下り、また東赤石山へ向かって登っているという。

 下りは石ころがゴロゴロして足場も悪く、気温も上がってくる中ドンドン高度を下げていく。途中、登ってくる男性のグループにも出会ったが、二日間通して出会ったグループは10組もあったかな。
 一時間も下っただろうか、小川が現れ、手を浸すと冷たい。また少し下ると小さな沢を対岸へ渡るコースになり、清水さんより水が飲めると聞き、手ですくって冷たくて美味しい水をガブ飲みする。清水さんは気持ちよさそうに顔を洗っている。私もザブザブと洗いたいところだが・・・ペットボトルにも補給する。丸太で階段や橋が作られた登山道をひたすら下ると、一段二段と滝が現れ、、もう少し下ると木立の中に落差100mの滝が現れる。八間ノ滝という名前らしい。森林の中をまだまだ下っていく。途中、白い小さな花を見つける。イチリンソウかなあ?と清水さんは写真を一枚。1100mもの標高差をひたすらの下りは足や膝をガクガクさせ、次第にペースも落ち、駐車場はまだかと辛くなってくると、木立の間にようやく道路らしきものが見え、最後の力を振り絞って下ると、筏津駐車場に到着、笑顔もでる。久しぶりのアスファルトだ。長い下りだった。

     
東赤石山(1706m)山頂にて     八間滝 標高差は100m近い 下部は
幾つかに別れている。

 温泉に入ってから帰ろうということで、早速車に乗り込み、大賀さんから教えていただいた「新居浜温泉」へ立ち寄ることにする。ここはシャンプーなどの石鹸類は置いてないとの事、仕方なく購入し二日間の汗を流し温泉へつかる。
 せっかく四国へ来たのだから「讃岐うどん」を食べて帰りたいと、時間の都合もあり、施設内の軽食堂で、ぶっかけうどん等を食べてから6時半頃、関西へ向けて帰路につく。
 新居浜市内からさっきまで登っていた赤石山系を眺めながら「あんな高いところを登ったんやなあ~」と山々を見る。帰りも三人で運転を交代しながら、渋滞にもひっかからず無事にJR川西池田駅に到着、10時半であった。ここで清水さんとお別れし、女性陣はそれぞれの自宅方面へ向かい、大阪で別れた。

 私としては、初めての縦走でしたが、変化に富んだコースと晴天に恵まれ、また安心できる方たちとの山行にとても満足し楽しませていただきました。そして何より、山の魅力に益々とりつかれてしまいました。

 一日目を案内し車での送迎もして下さった大賀さんにも大変感謝しています。皆様有難うございました。 (昌角)

参加者 会員2
(清水信、昌角)、会員外1名(RITE 山があるクラブ 中野)、計3名

コースタイム

2012.5.5-6赤石連峰
コースタイム
5月5日(日) 5月6日(月)
JR川西池田駅 7:20 大永山トンネル東口 13:00/13:05 銅山峰ヒュッテ 6:10 筏津山荘跡 15:35/15:50
宝塚IC 7:35 大阪屋敷 13:40 稜線分岐点(朝食) 6:55/7:20 新居浜温泉PANAS 16:50/18:30
龍野SA 8:35/8:45 小広場(1370m) 14:25/14:45 西赤石山 8:20/8:35 新居浜IC 18:50
高瀬PA 1010/10:20 綱繰山 15:10/15:15 物住頭 9:15/9:30 豊浜SA 19:10/19:25
新居浜IC コンビニ 11:00/11:10 西山巻路分岐 15:35 石室乗越 10:15/10:25 吉備SA 20:25/20:30
大永山 昼食 11:40/12:05 銅山越 16:05/16:20 八巻山第2ピーク 11:00/11:05 三木SA 21:40/21:45
筏津 12:35/12:40 銅山峰ヒュッテ 16:40 八巻山最高ピーク 11:45/11:50 宝塚IC 22:05
大永山トンネル東口 13:00/13:05 コル 12:10/12:35 JR川西池田駅 22:20
東赤石山 12:45/12:50
コル 13:00
川西ー筏津 317km 歩行距離 6.96km 巻路分岐 13:10 筏津ー川西間 321km
累積登高 645m 渡渉点 14:25/14:30
累積下降 515m 瀬場谷 14:50
八間滝 15:00
所要時間 3:35 瀬場分岐 15:20
歩行時間 2:55 筏津山荘跡 15:35/15:50
休憩時間 0:40
歩行距離 12.95km
累積登高 1569m
累積下降 1991m
                     
            所要時間  9:25      
            歩行時間  7:35      
            休憩時間  1:50      

 
                                   赤石連峰トラック地図

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

 (追加 西赤石山再訪 5月13日夜~14日夕)
 アケボノツツジの見事に咲いた様を見たくて翌週の5月13日夜出発、吉備SAで仮泊、14日早朝発で東平から西赤石山甲岩、西赤石山へ登りました。アケボノツツジは予想通り見頃でした。甲岩まで行き、花の写真だけ撮って帰るつもりでしたが、西赤石山山頂付近の花も近くで見たくて山頂まで登ってしまいました。帰路は銅山越手前の分岐、柳谷経由で東平へ戻りました。写真を上げておきます。 今回も大賀さんが西赤石山入口まで付き合ってくれました。(清水信)

 宝塚IC20:50~吉備IC23:00/翌日5:00~新居浜IC6:10~東平6:50/7:05~西赤石分岐8:10/8:25~甲岩9:45/10:25~西赤石山10:35/10:40~分岐11:35/11:40~第三水場12:45/13:00~東平13:10/13:15~マイントピア13:40/14:00~新居浜IC14:20~宝塚IC18:10

     
 甲岩から西赤石山を望む    西赤石山斜面のアケボノツツジ
     
西赤石山斜面のアケボノツツジ 右の岩は密洞岩、
ロッククライミングの練習に使われている 
   西赤石山山頂から銅山越への稜線のアケボノツツジ
遠景中央左から笹ヶ峰、沓掛山、黒森山
さらに遠方に瓶ヶ森と石鎚山が見える


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